先日、Nagraのお師匠さんのCさんが上京されて、初めて家に寄って頂きました。いつも大阪で会っていますし、私の部屋はブログで承知なので、初めて来た感じがしませんでした。今回は、チャランゴの演奏会の録音をされに、機材をかついで来られました。ユニコーンを中心に聴いていただきました。
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GRFさん 先日はご多忙にもかかわらずありがとうございました。
初訪問でしたが、ブログで見慣れているせいかとても初めてとは思えず、奇妙な感じでした。主のオーディオへの徹底したリアリズムと音楽へのロマンティシズムへの憧憬の対比が感じられてとても興味深かったです。音についてはGRF邸を訪れた方々が充分に言い尽くされていますので、私ごときが付け加えるのは野暮というものでしょう。
最初のUNICORNが印象に強く、GRFのある部屋に案内されたときにはかなりワインの酔いが回っていましたので、UNICORNについての印象を記します。
また、初めて聴くソフトばかりでしたので演奏内容と絡めた表現はできず、情緒的な表現や美辞麗句に陥らないように述べてみます。
初めて見るUNICORNは、音を出す器とは思えない形と仕上げです。家具でもなく、さりとて装飾品でもなさそうな摩訶不思議な形状です。SPユニット部の精密な仕上げと対照的なキャビネット部の模様が装飾チェンバロの響板のようでもあります。
はじめはバックロードホーンかと思ったのですが、フロントロードタイプで珍しいと思いました。GRFはバックロードでしょうし、デコラは放射型+逆オルソン、T4はとGRF邸はドライブ方式の違いを聴けるお宅でもあります。
何より興味深かったのは高域をダイヤフラムの裏面に鏡面メッキをかけ(コーンの)分割振動で受け持たせている点です。しかも、ユニットを下に向けているので高域の放射パターンが360°と理想的な指向性を持つ構造のようです。ホログラムで振動状態を見てみたい気もします。分割振動を積極的に利用するスピーカーユニットは数多く存在しますが、このアイデアは素晴らしく、まさにフルレンジユニットだからこそできるのではと感心しました。
また、ユニットを重力に従って下向きにすることで振動の中心軸が常に保たれ、リニアリティの良さと小口径であっても大振幅が稼げるのではないかと想像します。
出てくる音は見かけの印象とは違って、全く曖昧さがなく、リニアリティのすぐれた音と聴きました。私の苦手なロマン派の大編成のオーケストラ曲がすっきりと見通しよく響きます。こういった曲は演奏の良し悪しに関わらず、粘るような音塊と見通しの悪さ、時にヒステリックな響きを出すスピーカーが多く、混変調歪みの塊のような音が出しがちです。しかし、このスピーカーはそのような歪みっぽさや濁りが感じられません。
音場感と定位の明確さも優れているようです。広がりや音場の深さなどは他のスピーカでもそこそこ出せますが、収録ホールの天井の高さや楽器の高低の位置、とくにティンパニなどの打楽器の位置まではなかなか出せるものではありません。この点でも再現性が高いと聴きました。
聴かせていただいたバーンスタイン/シカゴ響によるショスタコの7番がいささかグロテスクな曲にもかかわらず、すっきりとした感じで各パートの動きが明瞭に聴き取れます。
再生フォーマットの違いも画然と描出します。CD34改によるCDと比べSACDはややメタリックで音場を無理に広げたような音に聞こえました。
今回初めて聴いたUNICORNはホーンドライブによって音圧感と音場感を両立させるスピーカーのようです。無理な注文かもしれませんが、このスピーカーのパノラミックな指向性を生かして4π空間に置かれたときはどんな音場を聴かせてくれるのかと思いました。また、両スピーカーの中心で聴かせていただきましたが、端の方でも聴いてみたいものです。
次回は聴き慣れたソフト持参で拝聴したいです。
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さすがに、お師匠さんです。初対面にもかかわらず、これほど的確にユニコーンの性質を指摘される方もおられません。試聴位置については、同感で、部屋の中ならどこで聴いてもいいし、私がいつも聴いている部屋の端っこでも、音の構成や俯瞰はまったく変わりません。演奏会の席が右寄りか左よりかぐらいの差です。ユニコーンは大変楽しんで頂いたようです。
隣の部屋では、やはり、T-Audioの4トラック改造の部分を見ていただきました。見るべき点が違います。お師匠さんの厳しい目に堪えられたのでしょうか?
今回は、時間が限られていたので、全部は聴けなかったのですが、またゆっくりと来てください。楽しみにしています。

GRFさん 先日はご多忙にもかかわらずありがとうございました。
初訪問でしたが、ブログで見慣れているせいかとても初めてとは思えず、奇妙な感じでした。主のオーディオへの徹底したリアリズムと音楽へのロマンティシズムへの憧憬の対比が感じられてとても興味深かったです。音についてはGRF邸を訪れた方々が充分に言い尽くされていますので、私ごときが付け加えるのは野暮というものでしょう。
最初のUNICORNが印象に強く、GRFのある部屋に案内されたときにはかなりワインの酔いが回っていましたので、UNICORNについての印象を記します。
また、初めて聴くソフトばかりでしたので演奏内容と絡めた表現はできず、情緒的な表現や美辞麗句に陥らないように述べてみます。
初めて見るUNICORNは、音を出す器とは思えない形と仕上げです。家具でもなく、さりとて装飾品でもなさそうな摩訶不思議な形状です。SPユニット部の精密な仕上げと対照的なキャビネット部の模様が装飾チェンバロの響板のようでもあります。
はじめはバックロードホーンかと思ったのですが、フロントロードタイプで珍しいと思いました。GRFはバックロードでしょうし、デコラは放射型+逆オルソン、T4はとGRF邸はドライブ方式の違いを聴けるお宅でもあります。
何より興味深かったのは高域をダイヤフラムの裏面に鏡面メッキをかけ(コーンの)分割振動で受け持たせている点です。しかも、ユニットを下に向けているので高域の放射パターンが360°と理想的な指向性を持つ構造のようです。ホログラムで振動状態を見てみたい気もします。分割振動を積極的に利用するスピーカーユニットは数多く存在しますが、このアイデアは素晴らしく、まさにフルレンジユニットだからこそできるのではと感心しました。
また、ユニットを重力に従って下向きにすることで振動の中心軸が常に保たれ、リニアリティの良さと小口径であっても大振幅が稼げるのではないかと想像します。
出てくる音は見かけの印象とは違って、全く曖昧さがなく、リニアリティのすぐれた音と聴きました。私の苦手なロマン派の大編成のオーケストラ曲がすっきりと見通しよく響きます。こういった曲は演奏の良し悪しに関わらず、粘るような音塊と見通しの悪さ、時にヒステリックな響きを出すスピーカーが多く、混変調歪みの塊のような音が出しがちです。しかし、このスピーカーはそのような歪みっぽさや濁りが感じられません。
音場感と定位の明確さも優れているようです。広がりや音場の深さなどは他のスピーカでもそこそこ出せますが、収録ホールの天井の高さや楽器の高低の位置、とくにティンパニなどの打楽器の位置まではなかなか出せるものではありません。この点でも再現性が高いと聴きました。
聴かせていただいたバーンスタイン/シカゴ響によるショスタコの7番がいささかグロテスクな曲にもかかわらず、すっきりとした感じで各パートの動きが明瞭に聴き取れます。
再生フォーマットの違いも画然と描出します。CD34改によるCDと比べSACDはややメタリックで音場を無理に広げたような音に聞こえました。
今回初めて聴いたUNICORNはホーンドライブによって音圧感と音場感を両立させるスピーカーのようです。無理な注文かもしれませんが、このスピーカーのパノラミックな指向性を生かして4π空間に置かれたときはどんな音場を聴かせてくれるのかと思いました。また、両スピーカーの中心で聴かせていただきましたが、端の方でも聴いてみたいものです。
次回は聴き慣れたソフト持参で拝聴したいです。

さすがに、お師匠さんです。初対面にもかかわらず、これほど的確にユニコーンの性質を指摘される方もおられません。試聴位置については、同感で、部屋の中ならどこで聴いてもいいし、私がいつも聴いている部屋の端っこでも、音の構成や俯瞰はまったく変わりません。演奏会の席が右寄りか左よりかぐらいの差です。ユニコーンは大変楽しんで頂いたようです。
隣の部屋では、やはり、T-Audioの4トラック改造の部分を見ていただきました。見るべき点が違います。お師匠さんの厳しい目に堪えられたのでしょうか?
今回は、時間が限られていたので、全部は聴けなかったのですが、またゆっくりと来てください。楽しみにしています。