何回かSPの位置調整のお手伝いをさせていただいている横浜のMさんのお宅には、前後左右に白木の棒が林立しています。音を拡散させる棒が並んでいるのです。部屋のコーナーで音の籠もる音を拡散させる効果として使用されています。一番効くのはSPの左右に展開している高さ1.4mぐらいの丸棒の固まりです。森林を意味するSYLVANという名前で呼ばれています。音の左右の拡がりやバランスの調整を行っています。
向きや位置を少しだけ変えるだけで、音の拡がりがガラッと変わります。SPの位置を微調整した後、特に右側の棒の位置を少しだけ動かすと、全体のバランス調整があってきます。その効果は、変わりすぎて怖いぐらいです。Mさんのお部屋の左右のバランスを取るには、欠かせなくなっています。
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そのMさんが、部屋の周りをすべてこの「森林」で覆った部屋を訪れて、大変感銘を受けたので、そのニュアンスを忘れない内にと、音のバランスを全面的に見直されたのが、前回調整のお手伝いにお伺いした理由です。
一方、GRFの部屋の天井は、吸音材がむき出しになっている、人には見せられない状況になっています。これだけ写真を公表しているのに、天井の写真だけはないと思います。お客様が来たときは、天井の写真は撮らないように頼んでいるぐらいです(苦笑)。この部屋を作ったときに実験をして、花梨の堅い床の反対側は、専用の吸音材を充填して、部屋の音を決めました。
ホールの様な残響を生むのではなく、あくまでも、残響を含んだソースをそのまま再生して、余分な音を付加しない構成になっているのです。GRFの部屋に入られた方は、部屋のS/N比の高さと静けさに驚かれます。潤いや華麗な響きはしないので、人によってはドライすぎると感じられる方もおられます。天井は、吸音材がむき出しですから、応接間のような目的には使えません。この部屋が出来てから、17年間そのままで経緯してきました。
コンサートホールでも、設計の段階では解らない天井の反射板の設置が、ホールの音を決めているのは、いろいろなホールの音が決まるまでの沢山のエピソードがその困難さを物語っています。天井材を張るという行為は、大変な手間とカットアンドトライを繰り返さなければならないので、条件を同じにするために、手つかずで来ました。それでも、音の邪魔にならない範囲での天井のカバーも考慮してきました。夏の日陰を演出する、よしずを買ってきて、天井にぶら下げたり、麻のカーテンやブラインドを張ったり試行錯誤を繰り返しているのです。
そんな折り、Mさんのお宅の棒を思い出し、天井に応用している例は無いのかとお聞きすると、そういう商品も開発されているようだとの返事です。早速、それを試用させていただく様に頼んで貰いました。今週前半の猛暑の午後、そのメーカーの専門家が来られました。早速部屋を見ていただきました。
お持ちになられたのは、SYLVANに比べると遥かに小さく、軽い棒の集まったものでした。棒の直系は2〜4センチの太さの違う物が、三列ぐらいの密度で並んでいます。重さも軽い物で、2.5キロぐらいしかありません。SYLAVANと比べたら十分の一の重さでしょう。もう少し大きな物を想像していたので、軽さと小ささにビックリです。
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手前のT4を鳴らしていたので、その小さな棒が縦に置いたり、横に寝かしたりするだけで、GRFのある部屋の音像が変わるのです。もちろん、後ろのカーテンを10センチ開けても変わるのですから当たり前なのですが、反射板なので、音の音色も変わります。それとT4後方に展開するホールの大きさや、高さ方向の拡がりも相当変化します。床に置いても大きく変わりますね。
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一通り聴いてから、和室にも持ち込んでみました。アンプの後ろ側に立てかけたり、寝かしたりして試して見ました。部屋が狭いからかなり変わります。部屋の中にあるなしでも変わります。ただ、その差は、音場の構成ががらりと変わるGRFの部屋ほどは大きく変わりません。それでも、立てるより寝かした方が、音が自然です。
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翌日、夜になってからも検証です。後ろの壁にぶら下がるようにしましたが、音場より、バランスが変わります。低域がでてくるようです。高域が拡散されるからでしょうか。上下反対にしたり、高さを変えたり試しています。音の感じは最初のアンプの向こう側の方が自然な感じがします。面白いですが、効きすぎて適正の位置を決めるのは時間が掛かりそうです。幸い、夏休みに入られるそうですから、一週間ほどいろいろと検証できそうです。
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本来の目的である、天井での使用は、ぶら下げる紐を用意してまずは一時反射のところと思ったのですが、前方近いところに展開している、T4用には、どこにぶら下げれば良いのか、これからの実験ですね。
向きや位置を少しだけ変えるだけで、音の拡がりがガラッと変わります。SPの位置を微調整した後、特に右側の棒の位置を少しだけ動かすと、全体のバランス調整があってきます。その効果は、変わりすぎて怖いぐらいです。Mさんのお部屋の左右のバランスを取るには、欠かせなくなっています。

そのMさんが、部屋の周りをすべてこの「森林」で覆った部屋を訪れて、大変感銘を受けたので、そのニュアンスを忘れない内にと、音のバランスを全面的に見直されたのが、前回調整のお手伝いにお伺いした理由です。
一方、GRFの部屋の天井は、吸音材がむき出しになっている、人には見せられない状況になっています。これだけ写真を公表しているのに、天井の写真だけはないと思います。お客様が来たときは、天井の写真は撮らないように頼んでいるぐらいです(苦笑)。この部屋を作ったときに実験をして、花梨の堅い床の反対側は、専用の吸音材を充填して、部屋の音を決めました。
ホールの様な残響を生むのではなく、あくまでも、残響を含んだソースをそのまま再生して、余分な音を付加しない構成になっているのです。GRFの部屋に入られた方は、部屋のS/N比の高さと静けさに驚かれます。潤いや華麗な響きはしないので、人によってはドライすぎると感じられる方もおられます。天井は、吸音材がむき出しですから、応接間のような目的には使えません。この部屋が出来てから、17年間そのままで経緯してきました。
コンサートホールでも、設計の段階では解らない天井の反射板の設置が、ホールの音を決めているのは、いろいろなホールの音が決まるまでの沢山のエピソードがその困難さを物語っています。天井材を張るという行為は、大変な手間とカットアンドトライを繰り返さなければならないので、条件を同じにするために、手つかずで来ました。それでも、音の邪魔にならない範囲での天井のカバーも考慮してきました。夏の日陰を演出する、よしずを買ってきて、天井にぶら下げたり、麻のカーテンやブラインドを張ったり試行錯誤を繰り返しているのです。
そんな折り、Mさんのお宅の棒を思い出し、天井に応用している例は無いのかとお聞きすると、そういう商品も開発されているようだとの返事です。早速、それを試用させていただく様に頼んで貰いました。今週前半の猛暑の午後、そのメーカーの専門家が来られました。早速部屋を見ていただきました。
お持ちになられたのは、SYLVANに比べると遥かに小さく、軽い棒の集まったものでした。棒の直系は2〜4センチの太さの違う物が、三列ぐらいの密度で並んでいます。重さも軽い物で、2.5キロぐらいしかありません。SYLAVANと比べたら十分の一の重さでしょう。もう少し大きな物を想像していたので、軽さと小ささにビックリです。

手前のT4を鳴らしていたので、その小さな棒が縦に置いたり、横に寝かしたりするだけで、GRFのある部屋の音像が変わるのです。もちろん、後ろのカーテンを10センチ開けても変わるのですから当たり前なのですが、反射板なので、音の音色も変わります。それとT4後方に展開するホールの大きさや、高さ方向の拡がりも相当変化します。床に置いても大きく変わりますね。

一通り聴いてから、和室にも持ち込んでみました。アンプの後ろ側に立てかけたり、寝かしたりして試して見ました。部屋が狭いからかなり変わります。部屋の中にあるなしでも変わります。ただ、その差は、音場の構成ががらりと変わるGRFの部屋ほどは大きく変わりません。それでも、立てるより寝かした方が、音が自然です。

翌日、夜になってからも検証です。後ろの壁にぶら下がるようにしましたが、音場より、バランスが変わります。低域がでてくるようです。高域が拡散されるからでしょうか。上下反対にしたり、高さを変えたり試しています。音の感じは最初のアンプの向こう側の方が自然な感じがします。面白いですが、効きすぎて適正の位置を決めるのは時間が掛かりそうです。幸い、夏休みに入られるそうですから、一週間ほどいろいろと検証できそうです。

本来の目的である、天井での使用は、ぶら下げる紐を用意してまずは一時反射のところと思ったのですが、前方近いところに展開している、T4用には、どこにぶら下げれば良いのか、これからの実験ですね。