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Channel: GRFのある部屋
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改めてT4の音場について

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先週末に、Pooh博士のご要望で、久しぶりにT4を繋いで音を出しました。聴取位置が幾分前に来たので、そのあたりの微調整を行いましたが、基本的には以前の位置と変わってはいません。しかし、以前聴いていた音より熟成して聴けるのは、SD05の個体差がでたのでしょうか?あるいは、調整している自分の感性が熟成して来たのかもしれません。熟年から老人になるところですが・・・とほほ

私は、CDプレーヤーとSD05はリラクサのフローティングボードに乗せて、床からのフィードバックを極力防いでいます。重い真空管のパワーアンプは、ウェルフロートのボードに載っています。また、和室のプリとパワーは、ラックに組み込んだフローティングシステムでやはり浮かしています。有ると無いでは、やはり音の抜けや品位が違うからです。

一般的なオーディオ的な響きは、ある程度の骨振動が伝わった方がいわゆるドスが出る音になります。オーディオファンには好きな音かもしれません。しかし、私の好きな音は、コンサート会場で漂うような響きの再生にありますから、振動モードを一定にする直置きやピンなどは使いません。今週の前半にはベルウッドさんが、土曜日の今日は、Yさんが寄ってくれました。お二方とも、何度も家の音を聴いていただいていますが、T4だけは聴かれたことがなかったのです。

今日の夕方のYさんにもそうですが、SD05はウォーミングアップの必要は無いし、また無信号時の損失も極めて小さいので、SD05自身は、何時もスイッチが入ったままです。ですから、CDプレーヤーのMS-1にCDを乗せればすぐ音が出ます。その音は後方に拡がり、低域も充実してあたかもGRFがなっているように聞こえるのですから、初めて聴かれる方はビックリです。

部屋のどこにいても音場は聞こえるのですが、やはりソファーの真ん中に座ると、後ろのGRFが堂々と鳴ってるように聞こえます。何度聞いてもそう聞こえるのです。しかし、音場情報の入っていないコンソールで合成したソーズになると、いっぺんに前のSPに張り付いた音になります。Yさんが持ち込まれたCD5枚の内、4枚は音場情報が入っていない、音質で聴かせるタイプのCDでした。この様なCDではいくら調整しても、入っていないのですから方向が間違ってしまいます。

私のところで、何時も鳴らすガーディナーのシューベルトの9番は、以前にも増して見事な響きで、スケール感がでています。Yさんがお帰りになられた後も、何回か聴いて我ながら感心しています。音の違いは、SPが馴染んできたのもありますが、現在使っているSD05が、昨年石田さんにお願いして、マスタークロックを上げていただいたものに変わったぐらいです。それは今一台と同じ仕様なのですが、一台一台違う性格があるのも、当たり前と言えば当たり前ですね。特にNFBのないSD05では個体の微妙な差も音に出るのでしょう。

ティーレマンの一連のウィーン・フィルのムジークフェラインでの収録のCDも重厚な低音が大変迫力があります。少しありすぎとも感じるぐらいですが。私は1992年以降のDGGの録音はとても自然で良いと思っています。特にウィーンフィルの録音は、ザルツブルグでの録音が良いですね。最近はムジークフェラインザールの収録でも、同じ様なスケールがでています。実際のホールで聴く音とは違うのですが、、。

連日同じ様な記事ばかり書いて恐縮ですが、Yさんからも、こんなに良い音がしているのに、どうしてもっと具体的に書かないのだと言われました。でも彼も同時に言われました、実際にこの音を聴かなければ到底想像もつかない音だと。特に低音の響きは、とても13センチのウーハーからでているとは思えないと。

深々としたグランカッサの響きやバストロンボーンやチューバの迫力のある音、奥行き感を伴って弦が立体的に浮き上がってくる驚き。ステージの上方に立ち登っていく木管群の響きの美しさ、後方から奥行き感を持って響いてくる、トランペットとホルンの美しさ。要するに実際のコンサートホールに行って感動する、オーケストラの理想的な響きが、再現されているのです。立体感はSPの後方に回ってみても崩れません。

Yさんは、普通のステレオでここまで奥行きのある立体感が出るのなら、何故、5.1への行く必要があるのだろうと言われました。やはり、その答えは一つです。この様な聴き方や実験をされていないからだと。実際のコンサートホールで、聴ける感動を再現しようと思わないからだと思います。耳が二つある理由、なぜ、コンサートホールがあのような構造になっているのか、天井が高いのか、考えられるとこたえは自ずからでてくるように思われるのですが。

私の家は南北に長い土地なので、そのままでは表に面していない部屋が暗くなってしまいます。京都の町屋の中庭の考えを活かして、建物の真ん中が光を取り入れる吹き抜け構造になっています。そこはコンクリートの外壁構造なので、教会のように音が響きます。その場所で演奏会は出来るでしょうが、残響が予め入っている音楽を再生すると、音が響きすぎて聴けません。元から入っているコンサートホールの残響を再現するには、部屋はどこかで吸音構造にしないと音の音が打ち消されてしまいます。

だからといって、狭い部屋をスタジオの様な密閉構造にすると音が窮屈になります。音が外に漏れないように作られたスタジオで良い音を聴いたことがありません。音楽は空気を振動させているのです。その部屋の空気を動かさない密閉構造のスタジオ形式の部屋では音楽は鳴らないのです。窓を開けた方がよっぽど自然な音がします。昔ながらの風がよく通る日本家屋が、音響的には一番理想的です。隣が遠くに見えるような農家の天井の高い藁葺き家屋が音響的には最高の環境でしょう。

私の夢は、そのような古民家でハートレーやR-GRF、そしてRogers5/8を鳴らしたいのです。

いやいや、そのような環境でも、T4だけで充分な気もしますが・・・。



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