昨日、来ていただいた2Hさんはまだ二十代の若者です。恐らく私の部屋に来られた一番若い方かも知れません。お子さんも二人おられるお父さんですので、子育てにも頑張っている最中ですが、同時にオーディオも熱心にされています。お父様もオーディオをされているので、小さいときからの教育もあるのかも知れません。環境が大事ですね。その彼が、私のブログをよく読んでいただいていて、平行法や交差法を実践されています。大変調整法にも詳しく、昨日はその意味では調整不足で、少しずれていたのが、その調整法をみるには有意義だったかも知れませんが、折角、完璧に調整された音を聴きに来られた彼には、若干の失望も与えたかも知れないので、こちらも反省しました。
お客様を迎えるにあたって、前日から徹夜で調整される方もおられて、そういう方と比べると、我ながら適当な性格で困った物です。でも、ありのままをお見せして、それを調整する方が結果的には良かったとも思ってもいます。
その意味で、1mmにも充たないずれでしたが、T4は直ぐに合ったのですが、肝心なユニコーンがずれたままで、長時間お聞かせしたことになります。このところ、アンプのバイアスの調整に依る音の変化に気を取られていて、位置調整が少しおろそかになっていたのは否めません。また、次回に合っている音を聴いていただくしかないのですが、きょうはその調整に徹して行ってみました。
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同心円状に音が拡散してく360度放射型のGerman PhysiksのSPの調整は、指向性がないのですから、前面も、後面も平行法も交差法も無いのです。しかし、バックロードホーンを構成しているキャビネットの方は、明らかに音の影響はあります。標準の縦型に比べて、横置きの配置の方が、低音の繋がりが良いように思えるからです。横置きに置かれている今の配置での調整の基本は、後ろの壁との距離です。そして、左右のSPの間の間隔ですね。これが音の密度に大きな影響を及ぼします。一般に間隔を狭めれば音の密度は濃くなり低音が良く出てきます。
今日は、何時も使うリタ・シュトライヒのモーツァルトのリート曲を使って行いました。オーケストラものですと、会場での残響が入っていて、モノラルの調整には余り向きません。なるべくシンプルな構成の演奏が良いのです。そのモノラルの音源を使って、頭をアンプの真上に入れて、ヘッドフォンの様にSPからの音のバランスを合わせていきます。今までは360度の音源と言うこともあり、T4のような0.5mmを揃えるような厳密な意味での調整まで追い込んでいませんでした。
今日は徹底して追い込んでみようと思いました。まずは、壁から均一に離したところを基準点として置いて見ました。その状態では、音はすこし左に寄り、前後関係もすこしずれが感じら得ます。そのずれを試行錯誤しながら、前後を基本に音が中央にまとまるように合わせていきました。
この部屋は、関東間の大きさですと、6畳+板の間半間幅がありますから、7.5畳ぐらいの大きさになります。京間ならちょうど6畳間の大きさです。その中で、定在波を出さず、なるべく広帯域で音楽を再生するために苦労をしてきましたが、現在の位置でほぼあっているのですが、ぴったりとはあっていませんでした。その為音が少し甘くなっていたのでしょう。2Hさんにそこを指摘されたのです。これでは、師匠の面目が立ちませんね(笑)。
ユニコーンは位置が合ったからと言って、平行法のように後ろ側に音場が展開するわけではありません。音のエネルギーは高まり、しっかりと低域から高域まで音が揃い、音楽のダイナミックスが広くなるのです。そして聴いていて音が濁ることがありません。昨日までは確かに音が濁り気味だったのです。また、今日は、アンプを1号機が戻って来たので、どのくらい音が変わったかを調べるつもりでした。その意味でも厳密に合わせてみたのです。
モノラルの音源で位置を調整していくと、だんだんアンプの頭上付近に音像が現れはじめます。その像をSPの大きさぐらいにまとめるよう位置を微調整していきました。合わせてくると、左右で平行や位置が少しずつずれていきます。右側が幾分強かったのも、直ってきました。昨日は左側の音像が拡がり、右側は少し窮屈だったのです。そして低音楽器の動きが幾分曖昧だったと気がつきました。
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だんだんあってきました。最後にSPの間隔を左側を幾分中央に寄せて、最終的にバランスを合わせました。そこで、ステレオのCDを掛けてみます。広がりがはっきりとして、コントラバスの動きや、打楽器のダイナミクスが拡大しました。良く聴いていくと、弦楽器の微妙な音の差も聞こえてくる様になりました。
その段階で、1時間ほど、いろいろなCDを聞き込み、アンプを1号機に変えてみました。回路的には全く同じにしたのですが、1号機の方が幾分音は地味なのは、以前と変わりません。同じ部品・同じ回路を使っていても、一台一台、性格が違うのは面白いモノです。人の性格と同じですね。だから面白いのでしょうね。
アンプを交換してからも、位置調整は、触って微妙な差を追い込んでいきます。するとある時点から音が透明になり、コンサートホールの見通しが良くなります。ピッタリと合ってきたのでしょう。どの位置から聴いても同じところにその楽器がしっかりと定位して動きません。音楽が楽々と鳴り始めます。クラシックの良い録音だと、スピーカの回りにステージが出来て、それを上から俯瞰しているような音になります。おとが楽々と鳴り、音量も大きく変化します。
2Hさんにはこの音を聴いて貰えば良かったと思いました。でも、彼の訪問が無ければ、ここまでピッタリとは調整しなかったでしょうから、今となっては大変感謝しています。
若い感性で、装置を追い込み、熱心にソフトを揃えていかれているので、早晩我々のレベルは軽々と追い越していくでしょう。その意味でも、その調整のあやを教えられる内に、伝えようと思いました。テープの音源と同じで、若い世代のひとが受け継いでいただかないと困るからです。
お客様を迎えるにあたって、前日から徹夜で調整される方もおられて、そういう方と比べると、我ながら適当な性格で困った物です。でも、ありのままをお見せして、それを調整する方が結果的には良かったとも思ってもいます。
その意味で、1mmにも充たないずれでしたが、T4は直ぐに合ったのですが、肝心なユニコーンがずれたままで、長時間お聞かせしたことになります。このところ、アンプのバイアスの調整に依る音の変化に気を取られていて、位置調整が少しおろそかになっていたのは否めません。また、次回に合っている音を聴いていただくしかないのですが、きょうはその調整に徹して行ってみました。
![](http://pds.exblog.jp/pds/1/201505/10/99/f0108399_22124461.jpg)
同心円状に音が拡散してく360度放射型のGerman PhysiksのSPの調整は、指向性がないのですから、前面も、後面も平行法も交差法も無いのです。しかし、バックロードホーンを構成しているキャビネットの方は、明らかに音の影響はあります。標準の縦型に比べて、横置きの配置の方が、低音の繋がりが良いように思えるからです。横置きに置かれている今の配置での調整の基本は、後ろの壁との距離です。そして、左右のSPの間の間隔ですね。これが音の密度に大きな影響を及ぼします。一般に間隔を狭めれば音の密度は濃くなり低音が良く出てきます。
今日は、何時も使うリタ・シュトライヒのモーツァルトのリート曲を使って行いました。オーケストラものですと、会場での残響が入っていて、モノラルの調整には余り向きません。なるべくシンプルな構成の演奏が良いのです。そのモノラルの音源を使って、頭をアンプの真上に入れて、ヘッドフォンの様にSPからの音のバランスを合わせていきます。今までは360度の音源と言うこともあり、T4のような0.5mmを揃えるような厳密な意味での調整まで追い込んでいませんでした。
今日は徹底して追い込んでみようと思いました。まずは、壁から均一に離したところを基準点として置いて見ました。その状態では、音はすこし左に寄り、前後関係もすこしずれが感じら得ます。そのずれを試行錯誤しながら、前後を基本に音が中央にまとまるように合わせていきました。
この部屋は、関東間の大きさですと、6畳+板の間半間幅がありますから、7.5畳ぐらいの大きさになります。京間ならちょうど6畳間の大きさです。その中で、定在波を出さず、なるべく広帯域で音楽を再生するために苦労をしてきましたが、現在の位置でほぼあっているのですが、ぴったりとはあっていませんでした。その為音が少し甘くなっていたのでしょう。2Hさんにそこを指摘されたのです。これでは、師匠の面目が立ちませんね(笑)。
ユニコーンは位置が合ったからと言って、平行法のように後ろ側に音場が展開するわけではありません。音のエネルギーは高まり、しっかりと低域から高域まで音が揃い、音楽のダイナミックスが広くなるのです。そして聴いていて音が濁ることがありません。昨日までは確かに音が濁り気味だったのです。また、今日は、アンプを1号機が戻って来たので、どのくらい音が変わったかを調べるつもりでした。その意味でも厳密に合わせてみたのです。
モノラルの音源で位置を調整していくと、だんだんアンプの頭上付近に音像が現れはじめます。その像をSPの大きさぐらいにまとめるよう位置を微調整していきました。合わせてくると、左右で平行や位置が少しずつずれていきます。右側が幾分強かったのも、直ってきました。昨日は左側の音像が拡がり、右側は少し窮屈だったのです。そして低音楽器の動きが幾分曖昧だったと気がつきました。
![](http://pds.exblog.jp/pds/1/201505/10/99/f0108399_2213796.jpg)
だんだんあってきました。最後にSPの間隔を左側を幾分中央に寄せて、最終的にバランスを合わせました。そこで、ステレオのCDを掛けてみます。広がりがはっきりとして、コントラバスの動きや、打楽器のダイナミクスが拡大しました。良く聴いていくと、弦楽器の微妙な音の差も聞こえてくる様になりました。
その段階で、1時間ほど、いろいろなCDを聞き込み、アンプを1号機に変えてみました。回路的には全く同じにしたのですが、1号機の方が幾分音は地味なのは、以前と変わりません。同じ部品・同じ回路を使っていても、一台一台、性格が違うのは面白いモノです。人の性格と同じですね。だから面白いのでしょうね。
アンプを交換してからも、位置調整は、触って微妙な差を追い込んでいきます。するとある時点から音が透明になり、コンサートホールの見通しが良くなります。ピッタリと合ってきたのでしょう。どの位置から聴いても同じところにその楽器がしっかりと定位して動きません。音楽が楽々と鳴り始めます。クラシックの良い録音だと、スピーカの回りにステージが出来て、それを上から俯瞰しているような音になります。おとが楽々と鳴り、音量も大きく変化します。
2Hさんにはこの音を聴いて貰えば良かったと思いました。でも、彼の訪問が無ければ、ここまでピッタリとは調整しなかったでしょうから、今となっては大変感謝しています。
若い感性で、装置を追い込み、熱心にソフトを揃えていかれているので、早晩我々のレベルは軽々と追い越していくでしょう。その意味でも、その調整のあやを教えられる内に、伝えようと思いました。テープの音源と同じで、若い世代のひとが受け継いでいただかないと困るからです。