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Channel: GRFのある部屋
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村山かてうどん

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寒さも緩んだ土曜日は、チューバホーンさんとご一緒にTaoさんのお宅を訪問しました。Taoさんは、この一年間に6回も拙宅に来ていただいたのに、私の方からはとんとご無沙汰でした。家でDECOLAを聴いた時にひらめいたと言われる、QUAD ESL989をピアノを挟んで逆オルソン配置にされた音を聴きに来ました。杉並からTaoさんのお宅のある東大和市までは、20キロしか有りませんが、慢性的な新青梅街道の渋滞で、何と、一時間程も掛かります。他に抜け道が無いのでいつも我慢比べです。実は前日にも青梅まで行く用があり、おなじ道を往復していたので、より渋滞がひどく感じました。二月に入ると予算を使い切る恒例の街路樹の植木工事も行われているのも一因です。

ようやく、Taoさんのお宅に着いた頃は、お昼を回っていました。同行のチューバホーンさんの要望で、お隣の武蔵村山の名物である、「かてうどん」を食べに行くのです。かてうどんとは「糧うどん」と書くそうで、うどんの他にお野菜が乗っている郷土料理です。うどんはいわゆる武蔵野うどんで、つるつると飲み込むようなさぬきや関西風のうどんと違って、堅くて噛みきらないと食べれないうどんです。武蔵野ばかりではなく、関東平野全般に見られるタイプですね。皮も含んでいるので、栄養分も色もお蕎麦に近い感覚です。
私はお店お薦めのうどんセット、チューバホーンさんは、事前にインターネットで調べてこられたという、カレーうどんの大盛りを、ご常連のTaoさんは、いつも「寧々ちゃん」と食べている肉汁うどんの大盛りを頼まれました。

固くゆでられたうどんは噛み応えがあり、少し甘めに仕上げられた肉汁に付けて食べる付け麺のうどんです。サツマイモの天ぷらやゆでたキャベツも添えられて、栄養にバランスも良いですね。かやくご飯付きだったので、普通盛りにしましたが、おうどんだけだったら、大盛りがちょうど良いでしょう。調理をされているのは、地元のおかあさん達でお袋の味ですね。

さて、すっかり満足した私達は、早速、Taoさんのお宅に戻り、その新しい配置のESL989を聴かせて貰うことにしました。従来とは反対のピアノ側に設置された大型のコンデンサーSPはアップライトの高さと同じですから、本当に大型のSPです。通常の大きさでも必要充分の音量ですから、989は、普通に置いても迫力有る音が出てきます。それを外向きに遇えておかれたのが今回の配置の特徴ですね。
なるほど、まとまった音がしています。ステージから音楽が放射されているような感じです。正面を向くと少しきついとおっしゃっていましたが、それを避けるためにこの様な配置にされたのでしょう。デコラがヒントになったのは良くわかります。ステージの近くではなく、20列目以上の後方の席で聴かれるイメージだそうです。少し、小さめの音量でホールの向こうから聞こえてくるようなサウンドは心地よく、満腹になって眠たくなった我々を睡魔に誘い込むような心地よい音です。隣のチューバホーンさんも同じです。

何曲か聴かせて貰っているうちに、気がついたのは、コーナーに置かれているので外側に向かって出てきた音は、壁にすぐ反射します。その部分が、反射と吸音が交互に来る吸音部分にあたり音が吸い込まれてしまい、バランスが崩れているように思いました。そこで、反射用に用意されていた棒をその吸音部分に立てかけて、反射を試みました。その差は、皆さん納得の違いで、実際のホールでのバランスになりました。一時反射の影響がこれほど大きいとは、思っていた以上の差が出たのです。一度、長辺方向にピアノごと動かし、左右に余裕がある配置で試されると面白いのかもしれません。

今ひとつ、気がついたのは、今回だけではなく何時もこの部屋に来たときに感じる、部屋の密閉度の高さです。気密室のドアーの様な扉を閉めると、全く換気がないこの部屋の空気は密度が高まります。その中で、おおきな振動板が動いても、重たい空気の壁を無理矢理動かしている感じがして、耳が圧迫されます。後ろの二重窓を少し開けて空気を逃がして聴くと、一気に風通しが良い音になります。スタジオ仕様のモニタールームで、感じる音の重さを逃がすことが必要なのではないでしょうか?そして、反射と吸音の交互に来る壁は、場所によって音が変わり、シマウマの模様を感じるのは私だけでしょうか?検聴用のモニタールームではないので、自然な風通しの良い部屋で音楽は楽しみたいと思います。

武蔵野うどんは、若い人好みの濃い味にはなっていません。自然の食材を素朴に楽しむ、懐かしく飽きの来ない味でした。素朴で味わい深いのには感心しました。また、あの辺りに行った時、じっくり味わって見ましょう。










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