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Channel: GRFのある部屋
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一転 テープの話です。

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今年の前半はレコード再生に力をつぎ込んできましたが、一方で、テープのDSD化は、Cさんが着々と進めてくれていました。4トラックテープだけで、累計で1700巻分ほど溜まってきました。テープレコーダーを触ったことのある方はおわかりでしょうが、1700巻もの変換作業は膨大な作業です。毎日毎日、作業しても二年以上かかりますが、15年にヘッドやアンプを変えたので、またやり直しをして、再度二年近く掛かりました。Cさんのご努力には頭が上がりません。本当にありがたいことです。

今日は、久し振りにカセットテープを聴こうと思い、久し振りにカセットプレーヤーを引き出してきました。最近手に入れた越路吹雪のカセットを聴こうと思ったからです。それと、テレサテンの異常に高額になったテープも出してきました。カセットプレーヤーは、SONYとPHILIPSのに種類ありますが、デジタル出力のあるPHILIPSのdccプレーヤーを出してみました。それをMolaMolaに繋ぐとどのような音が出るか、聴いてみたかったからです。dccプレーヤはアナログテープもデジタルで出力されますから。


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dccはPASC (Precision Adaptive Subband Coding)と呼ばれる圧縮処理をしていますが、小さい音の時は、そのままリニアですから音の劣化はありません。サンプリング周波数は48kHz、44.1kHz、32kHzです。当時からCDプレーヤーのようにデジタル臭さが無く、ダイナミックレンジとヌケの良さに加えてアナログレコードの音を彷彿とさせる柔らかさもあると言われていました。実際はどうなのでしょうか?


25年経った今、そのデジタル出力を、emmやMolaMolaに入れて聴いてみました。


最初に掛けたのは、アーロン・ネヴィルの「Warm your Heart」のアルバムです。オーディオテスト用に知られていますね。音がどぎつくなく、柔らで、ほのぼのした感じが出てくれば成功です。


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柔らかく、奥行きの深く安定し、切れ込みもある良い音が聞こえてきました。CDとSACDの良いところ取りをしたみたいです。アナログレコード的でもあります。聞き惚れました。


それでは、今度はチョン・ミョンフン・コンセルトヘボウのプロコイエフのロミオとジュリエットです。チョン・ミョンフンはこの1990年頃の演奏が良いですね。


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おー!これも良いです!レコード的な「さわさわ感」も弦楽器にかなりでています。何よりも小さな音がきれいです。レコードとCDの両方の良さが出ていますね。CDが出たときにこのdccや、DATが普及すればデジタルへの移行はスムーズに行けたのにとつくづく思います。この音は、皆さんにも聴いていただきたいです。そこで、早速この音を聞いて貰いたくて、大山さんに連絡しました。


実は、大山さんとは、dccの会を通じて知り合ったのです。もう、20年近く前の事です。大山さんは、20代、私もまだ40代でした。若者の会合に四十代のおじさんが行ったのですから驚かれました。もっとも驚いたのは私の方です。若い人たちのマニアぶりと、大山さんのクラフト力にです。その頃ももちろん、dccはマイナーで、世の中にもほとんど知られていませんでした。DATの音の良さから、CDの規格を作ったPHILIPS自身が出す製品ですから、期待も持ちましたし、何よりもCDの音が、光ピックアップの制御もまだしっかりと確立されていなかった時代ですから、テープという安定した方法で、正確なデジタル情報が伝わるのには大きな期待を寄せました。そして、実際に音は良かったのです。


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しかし、かんがえてみればまだ一度も、emmやMolaMolaには繋いだことが無かったのです。25年前の機械そのもので、現在のemmのCDに対抗できる物だろうかと思っていたのです。


夜七時半頃に、仕事を終えた大山さんに大宮から来ていただきました。彼も好奇心で一杯です。早速聴いていただきました。


大山さんの驚きの感想は?




続きます・・・





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