先日来、待望のデコラが稼働して、長い間お待たせしていたお客様をお迎えしておりますが、その折りも、はじめて来られるDolonさんには、ユニコーン、GRF,デコラと三種類の違う音を聴いていただきました。現代の最新鋭の音から、時代を遡り、50年代のLPやSPの音まで聴いていただき、皆さんには楽しんでいただけたようです。オーディオのベテランばかり7人も集まると、当然好みの音や聴く音楽が違い、好きな音が分かれていくようです。
私自身はどの音が良いのですかと言われましたが、子供に優劣が付けられないのと同じに、それぞれの長所を愛してあげれば、思いも掛けぬ感動が戻ってくることもあるようです。
オーディオ的に言えば、
DYNAUDIO "Consequence"→German Physiks "Unicorn"→Hartley "Concertmaster VI"→TANNOY "GRF/Monitor-Gold"→QUAD "ESL57"→DECCA "Decola"の順番でしょう。
レコードファンは、ちょうど、この順番の反対かな?
私の中では、音場型のSPと音質型のSPの二種類に分かれて存在しています。音場を出す筆頭は、やはりGRFです。45度配置から音が前に飛びだしてきます。初めて聴かれた方は相当驚かれるようです。デコラも逆オルソン型の変形で、音が拡がり独的の音場感が漂います。後ろにしっかりした壁があるところに設置したら驚くほどの広がりを見せるでしょう。音場型では、上には書かなかったPSDのT4も平行法にしたとき見事な奥行きを出してくれます。
音質型のSPは、位相差や形状の関係からそれ自体は、音場を再現しないのですが、SP自身が音源となって、会場に窓が開いたようにステージが見えます。その窓の大きさが大きくなれば、会場にいるのと同じ様な響きの中にいることになります。音場型は、ホールを二階席から見下ろしている感じになるのに比べ、一階席の前の方で直接オーケストラに対峙しているような感じになります。音楽と一体感が生まれ音に包まれる感じになるのです。一般的にオーディオファンが目指しているのはこちらの方向だと思います。
帯域の広さと音の実在感で他を圧しているのは、やはり"Consequence"です。二年前の11月に久しぶりにベストコンディションで鳴ったときは、神様が降臨なされたと言われたぐらいの奇跡の音がしました。そして実在感で驚くのは、横配置にしてステージを目一杯拡げたときのHartleyの音です。帯域の広さは比べようもありません。後面開放の61センチウーハーの大太鼓の音は皆さんに一度聴いていただきたいほどです。
不思議なのは、ユニコーンとESL57の音です。ユニコーンは大変ユニークな360度放射型のSPで、うつぶせになっている後面(普通の感覚で言えば前面)からしっかりとロードのかかったバックロードホーンの音が前後(または左右)に放射されるフレーム感のない音です。壁から20センチほどしか離れていない設置にもかかわらず、後ろの壁が消える音は、狭いリスニングルームしか取れないお父さんが泣いて喜ぶと思います。何しろ、その低音の実在感が凄いのです。
一度、チューバホーンさんを部屋を真っ暗にして聴いていたただいたら、本当にコンサートホールにワープしたようだと驚かれました。先日来られたDolonさんも、「そのステージの高さ、雄大な低音の再現は圧倒的で、私は唖然として、かつうきうきとして聴いておりました。輪郭感が全くなく、しかししっかりとウェイトのある充実した個々の音像がそこに確かにあるのですが、どこからそれがやって来ているのかわからない、という不思議さ。・・・とにかく、このユニコーンの和室は、異次元な空間でした。素晴らしい体験で、大いにインスパイアされました。オーディオは和室6畳でなんの問題もない、とは・・・脱帽です。」書いていただきました。
そして、私にとって、もっとも不思議なのは、茅野の家に置いてあるESL57の音です。ピッタリと左右の間隔を合わせ、完全に平行法に置くと左右のパネルが大きな1枚のパネルになり、それがコンサートホールに開いた窓になる不思議な感覚。その低域のリアリティのすごさ。どなたかがQUADの平面SPは低音が鳴らず、ヴァロック音楽には最適だと書かれているのを見て、可哀想になりました。マーラーやブルックナー、そしてリヒャルト・シュトラウスの 大編成のオーケストラをCDから聴いてみて欲しいと思っています。
もし一つだけ手元に残すとしたらどれを選ぶと聴かれたことがあります。その場合は、私はESL57をそのコンパクト性も加味して選ぶと言いました。より狭い部屋ならユニコーンですが。
言い換えると、GRFやデコラ、HArtleyや"Consequence"は大きな空間がないと鳴らないSPなのです。断捨離に反対しているコレクターの森永さんにならて、田舎に大きなスペースを確保しなければなりませんね。丹波の山奥に居を構えた白いお髭のウサギさんを見習わなくてはと思っています。地方では過疎化でどんどん人が減っていきます。そのまま朽ちていく素晴らしい民家が沢山あるのです。それらを活かして、オーディオ博物館でも作りたいと本気で願っています。4トラックテープだけでも2,000巻になりました。とても手元には置けません。問題は保存していくのに最適な環境です。もちろん若い管理人も必要ですね。
オーディオの喜びを次世代の人に伝えていく義務が、先輩の経験を引き継いだ我々の責務です。いま思えば、ゴローさんも、その意味で積極的に若い人をご指導されていました。九州や北海道まで足をのばされて、実際に指導されていたのです。幸運にもゴローさんから直に薫陶を受けられた方々が、これからも一層オーディオに邁進されることを願っています。受け継ぐべきは、その前向きな姿勢です。音楽に対する愛情です。
年の瀬に、この様なことを考えています。
私自身はどの音が良いのですかと言われましたが、子供に優劣が付けられないのと同じに、それぞれの長所を愛してあげれば、思いも掛けぬ感動が戻ってくることもあるようです。
オーディオ的に言えば、
DYNAUDIO "Consequence"→German Physiks "Unicorn"→Hartley "Concertmaster VI"→TANNOY "GRF/Monitor-Gold"→QUAD "ESL57"→DECCA "Decola"の順番でしょう。
レコードファンは、ちょうど、この順番の反対かな?
私の中では、音場型のSPと音質型のSPの二種類に分かれて存在しています。音場を出す筆頭は、やはりGRFです。45度配置から音が前に飛びだしてきます。初めて聴かれた方は相当驚かれるようです。デコラも逆オルソン型の変形で、音が拡がり独的の音場感が漂います。後ろにしっかりした壁があるところに設置したら驚くほどの広がりを見せるでしょう。音場型では、上には書かなかったPSDのT4も平行法にしたとき見事な奥行きを出してくれます。
音質型のSPは、位相差や形状の関係からそれ自体は、音場を再現しないのですが、SP自身が音源となって、会場に窓が開いたようにステージが見えます。その窓の大きさが大きくなれば、会場にいるのと同じ様な響きの中にいることになります。音場型は、ホールを二階席から見下ろしている感じになるのに比べ、一階席の前の方で直接オーケストラに対峙しているような感じになります。音楽と一体感が生まれ音に包まれる感じになるのです。一般的にオーディオファンが目指しているのはこちらの方向だと思います。
帯域の広さと音の実在感で他を圧しているのは、やはり"Consequence"です。二年前の11月に久しぶりにベストコンディションで鳴ったときは、神様が降臨なされたと言われたぐらいの奇跡の音がしました。そして実在感で驚くのは、横配置にしてステージを目一杯拡げたときのHartleyの音です。帯域の広さは比べようもありません。後面開放の61センチウーハーの大太鼓の音は皆さんに一度聴いていただきたいほどです。
不思議なのは、ユニコーンとESL57の音です。ユニコーンは大変ユニークな360度放射型のSPで、うつぶせになっている後面(普通の感覚で言えば前面)からしっかりとロードのかかったバックロードホーンの音が前後(または左右)に放射されるフレーム感のない音です。壁から20センチほどしか離れていない設置にもかかわらず、後ろの壁が消える音は、狭いリスニングルームしか取れないお父さんが泣いて喜ぶと思います。何しろ、その低音の実在感が凄いのです。
一度、チューバホーンさんを部屋を真っ暗にして聴いていたただいたら、本当にコンサートホールにワープしたようだと驚かれました。先日来られたDolonさんも、「そのステージの高さ、雄大な低音の再現は圧倒的で、私は唖然として、かつうきうきとして聴いておりました。輪郭感が全くなく、しかししっかりとウェイトのある充実した個々の音像がそこに確かにあるのですが、どこからそれがやって来ているのかわからない、という不思議さ。・・・とにかく、このユニコーンの和室は、異次元な空間でした。素晴らしい体験で、大いにインスパイアされました。オーディオは和室6畳でなんの問題もない、とは・・・脱帽です。」書いていただきました。
そして、私にとって、もっとも不思議なのは、茅野の家に置いてあるESL57の音です。ピッタリと左右の間隔を合わせ、完全に平行法に置くと左右のパネルが大きな1枚のパネルになり、それがコンサートホールに開いた窓になる不思議な感覚。その低域のリアリティのすごさ。どなたかがQUADの平面SPは低音が鳴らず、ヴァロック音楽には最適だと書かれているのを見て、可哀想になりました。マーラーやブルックナー、そしてリヒャルト・シュトラウスの 大編成のオーケストラをCDから聴いてみて欲しいと思っています。
もし一つだけ手元に残すとしたらどれを選ぶと聴かれたことがあります。その場合は、私はESL57をそのコンパクト性も加味して選ぶと言いました。より狭い部屋ならユニコーンですが。
言い換えると、GRFやデコラ、HArtleyや"Consequence"は大きな空間がないと鳴らないSPなのです。断捨離に反対しているコレクターの森永さんにならて、田舎に大きなスペースを確保しなければなりませんね。丹波の山奥に居を構えた白いお髭のウサギさんを見習わなくてはと思っています。地方では過疎化でどんどん人が減っていきます。そのまま朽ちていく素晴らしい民家が沢山あるのです。それらを活かして、オーディオ博物館でも作りたいと本気で願っています。4トラックテープだけでも2,000巻になりました。とても手元には置けません。問題は保存していくのに最適な環境です。もちろん若い管理人も必要ですね。
オーディオの喜びを次世代の人に伝えていく義務が、先輩の経験を引き継いだ我々の責務です。いま思えば、ゴローさんも、その意味で積極的に若い人をご指導されていました。九州や北海道まで足をのばされて、実際に指導されていたのです。幸運にもゴローさんから直に薫陶を受けられた方々が、これからも一層オーディオに邁進されることを願っています。受け継ぐべきは、その前向きな姿勢です。音楽に対する愛情です。
年の瀬に、この様なことを考えています。