Quantcast
Channel: GRFのある部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2217

新しい地平線

$
0
0
金曜日の夜は、テープの館のHさんとご友人のSさんが、調整の終わったTroubador 80 + PSD TW2の音を聴きに横浜に来られました。昨年末に、Mさんのお宅を訪れたHさんとSさんは、Paragonの音を聴かれて驚かれたわけですが、そのときは、Troubadour 80 の組み合わせはセットされていなく、聴けませんでした。五月の連休の時、TW2の脚を変えて、微妙な位置調整が一人でも出来るようになりました。同時にemmのソフトの入れ替えを行い、最終的には、今まで聴けなかった領域の音楽再生が聴けるようなりました。

横浜のMさんのシステムは、Mさんの豊富な音楽とオーディオの経験から、従来の枠組みから素材の音を解き放し、全く次元の違う音にされる手腕とセンスには何時も驚かされます。Troubadour 80が最初に持ち込まれたときも、その音に触発されて、Paragonのアンプをすべて交換して、おどろくような純度の音にされたのです。二つのそうちが切磋琢磨して、更なる高みを目指しているのは、本当に驚くべき事です。

Troubadour 80 + TW2の導入は、ユニコーンが再現しているような一体感で、よりスケールの大きなクラシックのコンサートホールの音を再現するという、無謀にも思える目標を掲げてスタートしました。切っ掛けの一つは、Mさんが、菅野先生のお宅を訪問されたとき、JBLの075+375の替わりにトラバドールの80を使われているのを聴かれたからです。鳴らしている音の傾向は、Mさんとは違っても、そのユニットの可能性を知って、まだ見ぬ地平線の音を探し始めたわけです。

去年の六月にMさんのお宅に搬入されてから、二ヶ月後の八月には鳴らし方の方向が見えてきました。翌日訪れたBellwoodさんも驚かしたのは、記憶に新しいです。そこからは、またParagonの調整に励まれたのです。一旦、TW2を動かしてしまうと、一人では動かせません。その意味で、年末、HさんとSさんが来られた時も、Troubadour 80 の音は聴けなかったのです。

その脚を変えて、動かせる様にしたのが、五月の連休でした。その時は、EMMのDACのファームソフトを新しいヴァージョンをテスト導入してみました。そして、最終的には、素晴らしい音で鳴り始めたのです。その時、Mさんは、最低域の再現と、Troubadour 80との繋ぎの調整を、イコライザーで調整されると言われました。今日はその音の確認と、半年待って頂いた、HさんとSさんのお披露目も兼ねていました。

一足先に来ていた大山君が周波数のテストCDを掛けたところ、18Hzから部屋が振動して、棚の取り付け部などから震えが来たそうです。20Hz、30Hz、40Hzと全く問題なく再生して、この46センチダブルウーハーの威力を試されたそうです。フルデジタルアンプのSD05はこの様な再生には、本当に威力が発揮されます。プロ用のブライトンやクレルの100などよりも、遥かに深い真の低音が再生されるのです。これが、私も惚れ込んだSD05しか再現出来ない音です。

私が到着したときには、ほとんどの調整は終わっており、最後の微調整と言う段階でした。左右のSPの間隔の微調整が残っていましたが、それはあえて、お二人のゲストのために残して置こうと決めました。

お二人が到着して、早速試聴です。Hさんは初めてTroubadourを聴かれるのです。UNICORNとどの様にちがうか興味津々ですね。しかし、46センチのダブルウーハーとDDDのユニットをダブルでスタックした80の音は、一つのユニコーンや40とは違い、音のダイナミックの差が、二倍ではなく二乗で効いている感じで、奥行きや深さ、音のダイナミックがまったく違います。

Hさんのご意見で、左右の感覚を10センチぐらい狭めて聴きましたが、最終的には、Mさんの判断で、また3センチづつ、拡げたポイントに決めました。最初のポイントからは、少し狭まっています。ステレオの再生で一番重要なのは、このSPの間隔です。それが合ってくると、ホログラムの様に音場が出現してきます。上下の位置も微妙に調整すると、ピッタリと音場が確定しました。

家の床置き平行法のT4でもそうですが、ピッタリと位置が決まると、オーケストラの位置が定まり、どこから聴いても、またSPの間を歩いても、音の位置は変わりません。この感覚は、体験しないと分かりにくいかと思いますが、今回のTroubadour80での音は、長年慣れ親しんできた私でさえ、驚くほどの定位でした。

このTroubadour 80をどう鳴らそうかと、大山君と相談して、全くあたらしい試みを行ってきました。2012年にTroubadour 80 がこの部屋に持ち込まれてから、二年半掛かりましたが、その成果が、一年たってようやく結実し始めたようです。German Physiks DDD のユニットの可能性を信じてここまで来た甲斐がありました。お酒を飲まれない三方の前で、Mさんとワインを開けて乾杯しました。

照明も音には大きな影響を当てます。だんだん部屋の灯りを落として行き、定番のピリシュのモーツァルトを聴く頃には、後ろに置かれたparagonからピアノの音がしているようです。目の前に行ってもそこから音が出ているのです。 DDDのユニットは、後方の音場はでないと思っていた自分には大きな衝撃でした。また、開発中に大山君のところで、長時間鳴らしたユニットのエージングも好結果をもたらした原因でしょう。

私自身もTroubadour 80で挑戦して見たくなりました。





Viewing all articles
Browse latest Browse all 2217

Trending Articles