よい音がした翌日、またアンプの火を入れる瞬間、期待と不安が交差します。昨日見たく良い音で聴きたいという気持ちと、昨日の良い音がしなかったらどうしようという躊躇にも似た感覚です。T4のような微妙な状態で置いてある場合は、地震があるとかならず位置がずれて、微妙なホログラムの様な音は消えています。
床に直置きしているT4は、QUADのESL57のような仰角を付けて鳴らしています。それにより音が床から離れて、天上に昇っていくのです。当初はカーボンを挟んでいたのですが、高さがありすぎて、上を向きすぎるので、使わなくなったインシュレーターを利用して仰角を付けました。上下のインシュレーター間で、角度が付くからです。問題は、金属なので、滑りやすいことです。だからといってジェルみたいな柔らかな物を挟みたくない気がして、ずれたときは音が変わるので、修正すればいいやと思ってそのまま使っています。
斜めになっているから、先日のような震度4の地震が有れば、必ずずり落ちています。床にはうすく基準の線を鉛筆で引いてあるから、真上から見ればどのくらいずれているかは、解ります。その1mmに充たない線の前か後ろかと言うぐらいのびみょうなズレですが、真っ暗な映画館のドアが少し開かれたような、希薄な感じになります。合っているときの音の密度が薄くなるのです。ご自分で調整する方なら音場の出る方向の差で、どのくらいずれているかはすぐに解ります。
ピッタリ合った時の音は、単純な前後に展開するような薄ぺらい音ではなく、その間も音が埋まります。マルチチャンネルシステムを使わなくても、前後や高さ方向に音が厚みを持って展開して、音で埋まります。勿論、そういう情報が入っているソースの場合ですが。最初からマルチチャンネルを前提で作られているソースの2チャンネルには、そのような情報が少なくて残念です。
その意味で、ポリグラム初期の400番台のCDは素直に情報が入っていて、自然な音場で出現します。CDのビット数は、高ければ良い音がすると単純に信じられていますが、ちゃんと再生されれば、16bitで充分です。私が聴かないCDは、グラモフォンのORIGINAL IMAGE BIT PROCESSING(OIBP)とEMIの「ABBEY ROAD TECHNOLOGY(ART)」です。いずれも、オリジナルの録音が持っていた、音場情報をいじくってダメにしています。
平行法や交差法で音場を再生すると、一番大事な録音現場での微妙なズレから来る、本来のステレオ情報を、平面的な音にしてしまい、奥行き感は、マルチチャンネル方式に委ねている録音が一番残念です。NHKの5.1チャンネルを2チャンネルで聴けば、失われた情報の重大さに気がつく筈ですが、スタジオのモニター装置では、その差が全く解りません。
録音会場の自然な響きを利用した録音は、昔も今も良い音がします。ドイツグラモフォンが、いまだにイエスキリスト教会を使っているのはその良い例です。最近は、独立系のレーベルもこぞって使っています。ドイツグラモフォンも4Dの時代は、行きすぎた録音でしたが、最近は自然になってきました。残念なのはEMIで、クレンペラーの時代から、70年代のクリスファー・パーカー、クリストファー・ビショップの時代のキングスウェイホールの録音は本当に見事ですね。
床に直置きしているT4は、QUADのESL57のような仰角を付けて鳴らしています。それにより音が床から離れて、天上に昇っていくのです。当初はカーボンを挟んでいたのですが、高さがありすぎて、上を向きすぎるので、使わなくなったインシュレーターを利用して仰角を付けました。上下のインシュレーター間で、角度が付くからです。問題は、金属なので、滑りやすいことです。だからといってジェルみたいな柔らかな物を挟みたくない気がして、ずれたときは音が変わるので、修正すればいいやと思ってそのまま使っています。
斜めになっているから、先日のような震度4の地震が有れば、必ずずり落ちています。床にはうすく基準の線を鉛筆で引いてあるから、真上から見ればどのくらいずれているかは、解ります。その1mmに充たない線の前か後ろかと言うぐらいのびみょうなズレですが、真っ暗な映画館のドアが少し開かれたような、希薄な感じになります。合っているときの音の密度が薄くなるのです。ご自分で調整する方なら音場の出る方向の差で、どのくらいずれているかはすぐに解ります。
ピッタリ合った時の音は、単純な前後に展開するような薄ぺらい音ではなく、その間も音が埋まります。マルチチャンネルシステムを使わなくても、前後や高さ方向に音が厚みを持って展開して、音で埋まります。勿論、そういう情報が入っているソースの場合ですが。最初からマルチチャンネルを前提で作られているソースの2チャンネルには、そのような情報が少なくて残念です。
その意味で、ポリグラム初期の400番台のCDは素直に情報が入っていて、自然な音場で出現します。CDのビット数は、高ければ良い音がすると単純に信じられていますが、ちゃんと再生されれば、16bitで充分です。私が聴かないCDは、グラモフォンのORIGINAL IMAGE BIT PROCESSING(OIBP)とEMIの「ABBEY ROAD TECHNOLOGY(ART)」です。いずれも、オリジナルの録音が持っていた、音場情報をいじくってダメにしています。
平行法や交差法で音場を再生すると、一番大事な録音現場での微妙なズレから来る、本来のステレオ情報を、平面的な音にしてしまい、奥行き感は、マルチチャンネル方式に委ねている録音が一番残念です。NHKの5.1チャンネルを2チャンネルで聴けば、失われた情報の重大さに気がつく筈ですが、スタジオのモニター装置では、その差が全く解りません。
録音会場の自然な響きを利用した録音は、昔も今も良い音がします。ドイツグラモフォンが、いまだにイエスキリスト教会を使っているのはその良い例です。最近は、独立系のレーベルもこぞって使っています。ドイツグラモフォンも4Dの時代は、行きすぎた録音でしたが、最近は自然になってきました。残念なのはEMIで、クレンペラーの時代から、70年代のクリスファー・パーカー、クリストファー・ビショップの時代のキングスウェイホールの録音は本当に見事ですね。