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Channel: GRFのある部屋
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GRFホール 定期演奏会

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 GRFホールを初めて訪れたのは6年前の春でした。このホールで行われる、定期演奏会のS席のチケットはわずか1枚。めったに手に入らないプラチナチケットです。昨晩は、このプラチナチケットをお譲りいただけるとの情報を伺い、急ぎホールに出かけて来ました。

 今日のオーケストラは「PSD T4」、指揮者はもちろん「サウンドデザイン SD05」です。そして、今回はSD05に師事する、デビューしたばかりの指揮者「オラソニック NANO-UA1」も特別演奏をしていただけるということで、5年前に結成された「T4」の熟成と合わせ楽しいプログラムが用意されていました。

 さて、このホールの常任オーケストラである「タンノイ GRF」が後方から見つめる中、「T4」の演奏がスタートしました。このホールでは定番の演奏であるガーディナーのシューベルトの演奏が始まったとたん、ホールいっぱいに鳴り響く深々とした柔らかな音色は、えっ「GRF」の演奏?と錯覚するくらいの見事なホールトーンを再現しています。

 ちょっと疑って「T4」のほうに近づくと、間違いなく演奏をしているのは「T4」です。席に座りなおして、次はハーディングのマーラー10番でした。マーラー独特の重量感のある低音楽器に支えられた聞き応え十分の曲ですが、ここでも見事な演奏を聴かせてくれました。
 
 「T4」の演奏を、このホールで聴くのはかなり久しぶりですが、師匠である「GRF」に肉薄する、懐の深い演奏は、間違いなく熟成進化を果たしています。

 それは、マゼールとクリュイタンスのラベルを聴いて確信出来ました。ラベル特有の、ひとつひとつの楽器を照らし出すようなクリアな響きは以前の「T4」でも十分に感じられたんですが、今回の演奏はそこに音色の美観と温度感が加わり、良い意味で明暗を描き分けるテクニックが向上しています。
 
 コンセルトヘボーのさわやかな響きも、ベルリンフィルの重厚でやわらかい響きも、ウィーンフィルの繊細な響きも、とても細やかなニュアンスの表現まで再現出来るようになったゆえのことでしょう。
 
 これは、「T4」が結成されてから、このホールを訪れた「Hartley」「ESL57」「デコラ」「R-GRF」の演奏技術をよく勉強したからゆえのことなのでしょう。

 ただし、「T4」の演奏スタイルは昔と変わってないんです、相変わらずお客さんの近くにちょこんと座って演奏してました。だのに、なぜ?このようなホール目一杯に鳴り響く演奏が出来るんでしょうか?

 このあたりは指揮者の「SD05」とそれをドライブする「MS-1」に載せられた「CD」にも・・・ 

 今夜もすばらしい演奏会をありがとうございました。でも、これはやはり事実として知らないと、松鶴家千とせさんの言葉を借りれば「わかるかな?わかんねえだろうな!」んな出来事なのでしょうね。

追伸

 あ、特別ゲストの「オラソニック」くんは、とても若々しいのびのびとした演奏スタイルのようですね。でも、よい素質がありそうなので、今後が楽しみな逸材ですね。

チューバホーン

いつものチューバホーンさんに、金曜日の夜、T4の音が余りにも良いので、聴いて貰いたく無理言って来ていただきました。早速、定番のガーディナーのシューベルトの九番を聴いていただきます。このCDは、GRFの音を確かめるのに何時も使っている定番のCDです。チューバホーンさんもお宅の調整に使われています。

私自身、何度聞いても、後ろのGRFが鳴っているとしか思えません。後方に深々と音は拡がり、広々としたホールが出現します。それは、3mも後ろのGRFから鳴っているとしか聞こえないのです。GRFは、コーナーに置いてありますから、T4より左右に1mぐらい開いておいてあります。そこから45度の交差式ですから前方からSPの後ろにも広大な音場が出現します。バックロードホーン特有の雄大な、ストレスのない低音に支えられて、コンサートホールのように音に身を委ねられるのです。

その広大な、音場がT4の後ろに出現して、あたかもGRFが鳴っているように聞こえるのです。この現象は、家を訪れる方には、何回か聴いていただき、その都度、驚いて貰っています。しかし、今回の音は、私自身がどちらが鳴っているか分からないぐらいですから、より進歩したのでしょう。といっても、構成は何も変わらず、置き場所が少し(20センチほど)後方に下がっただけです。それはソファーの後ろに使っていないConsequenceが置いてあるので、以前より20センチほどソファーが前に来ているからです。ここまで来ると1mmでも音はがらりと変わりますね。

この状態になると、CDその物に微細な音場情報が入っているかの違いになってきます。マスターテープを作るレコーディングスタジオを何回か訪れましたが、5.1チャンネルの出現以降、モニターSPのセッティングが変わって来ました。位置を厳密に決めるため、前方のSPは内向きで壁に埋め込まれている事が多くなってきたのです。その状態では、後方の音場が出現しません。バランスの調整は、二次元的にならざるを得ないのです。

一番それが顕著に表れてきたのが、Box物の再編集です。新しくマスタリングされたそれらの音は、皆、元の録音に含まれていた音場情報が無くなっています。音は迫力が出たり、バランスは良く鳴っていますが、一番重要な、音場情報が欠如しているのです。これは、ボックス物には限りません。新しく作られたCDも、音が前方にひっつき、全く後方に展開しない録音も多く見受けられます。その中では、DGGのオーケストラ録音は、まだ、音場が構成されています。

最初は、自然に入っていた微細な音場の情報が、デジタルへの変換時やダビング時に少しづつ失われていくのだと思われます。再発物のCDと昔のオリジナルのCDを聴き比べて見ればすぐ解ることなのです。音の深み、雄大さ、暖かさ、包容力がまったく違うからです。音場の調整時に肝心な音場が入っていないCDで調整しても、それは不可能です。

私自身は、レコードもCDも録音された国の盤を揃えることにしています。それは製作者が元の音を知っている、乃至は元の音に一番近い音源を使っているからです。その意味で、日本のCD以外は、ほとんどが輸入盤です。30年も愛聴しているCD盤も多いのです。それらと、再発された、CDを聴き比べると、愕然とするほど情報が欠如しているのです。アナログレコードのようにCDも初版盤を探さなくてはいけなくなってきたようです。この事が証明しているのは、デジタル信号を伝送するところはすべてアナログだと言うことです。その意味でもSD05の優位性が証明されているのですが・・・。




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