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レコードとCDの音の差?

結論から先に言うと、同じソースから作られた盤なら、アナログレコードもCDもほとんど同じ音がして当然です。そのどちらかが、良くないとしたら、装置の水準や調整が上手くいっていないだけです。そんな当たり前の事が、まことしやかに、アナログレコードのほうが音が良いとか、CDの方が音が良いと言っているようでは、そのどちらもが音がまともになっていないだけだと言えます。両方を同時に掛けて、第三者にAB切り替えをして貰っても、解らないというレベルまで行くはずです。

しかし、それはアナログプレーヤーに多大な負担が掛かります。まず、レコード特有のゴロが普通はしていますから、それですぐ解るでしょう。あのゴロ音は、もちろんレコードに入っているのではなく、シャフトの振動が、レコードに伝わってしています。それがクリアすると、レコードのこすれる音です。スクラッチ音がすればすぐに解りますね。これはきれいに掃除してあれば、解らないレベルまで下げられます。問題は、インサイドフォースに起因する、中央定位です。これも、SMEのシリーズ5等の微調整が聴くアームであれば、解決できます。アームやカートリッジの調整は言うまでもありません。しかし、これが正確に調整されているお宅は、数えるほどしかないのが、今までの経験です。

そして、問題は、CD側のいわゆるデジタル臭さです。細かな音がしないとか、透明感がない、こすれるような弦楽器の音がしないとか、いろいろ言われますが、ほとんどが、補正のかけ過ぎ状態になっているか、クロックがあっていないプレーヤー固有の問題です。CDプレーヤーもよく調整されていれば、先ほど述べたようにA・B比較しても解りません。

私の経験でも、そのレベルに到達するのに、CD出現から15年ぐらい掛かりました。残念ながら費用も相応に掛かります。しかし、どちらと言えば、アナログ側の方が費用が掛かると言ってもいいでしょう。私は、吝嗇な性格ですが、入力系統の費用注入には全力を投入しています。アナログ系統はNagraをはじめとした、テープ系とレコードプレーヤーもそうです。現在でも、入力系が一番大事だと思っています。

私は、中学生の時からオーディオをやってきていますから、もう、50年間も同じ道を歩んでいることになります。レコードも、最初は78回転から始まったのです。45回転、LP、ステレオと変遷を重ねてきました。オープンテープも出会いは、中学生の時代からです。実用ではカセットの時代も長かったですね。30年前にCDが始まりました。一生懸命貯金をはたいて、最初のCDプレーヤーを購入したのを憶えてきます。SONYのCDは、ソリッドステートアンプの音がしました。マランツのCDプレーヤーは、やはりオルトフォンのようなヨーロッパの音がしていました。すこし、眠いけど暖かい音です。カセットとも共通な音作りだったように思えます。

いまから20年ほど前、CDからどうして良い音がしないのかと、本格的な追求をはじめたのです。そうして出会ったのがCD34改です。それから、20年経ちましたが、いまだに第一線で活躍しています。14ビットの時代ですが、ビット数では音は決まらないという証明ですね。そして、SD05用にクロックを正しい値に変えていただいたCDも問題なく掛かります。それらをストックするHDD方式のHD1ももちろん現役です。16bit/44.1KHzの音が正しく再現されると、まったく問題ない音が再現されるからです。今年は、SACD用にemmも加わりましたが、SACD専用です。さすがにS/Nの良い、音場が再現されていきます。もちろんDSD方式も聴いていますが、器がが良くなっても、それに見合った録音がされていなければ何の意味もありません。

我々の世代は、アナログ音源で育ってきました。アナログに慣れ親しんでいるのです。CDを上手く再現するのは、アンプやSPもそれなりの対応が必要となります。音を強調する方向にオーディオを楽しんだいる方は、それ以外の方法では、物足りなくなる事もあるでしょう。でも、最初からアナログ音源の方が音が良いと一方的に言われるのは、好き嫌い以前の問題です。アナログもデジタルも収録されている音の何分の一もまだ再現し切れていないのですから。


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