昨日のベルウッドさんに引き続き、新年会のお二人目はデコラの組み立てでお世話になったOさんです。年末はお忙しく28日の晩も、最後の方でようやく間に合いアンセルメの三角帽子の初版を持ってきてくれました。彼自身もその音に驚き、今日も、DECCA関係のレコードを何枚か持って、自転車で三時半頃来られました。そろそろお見えになる頃に表に迎えに出てみました。今日も大変寒く、風が昨日より無い分、日なたでは暖かく感じたのですが、実際は、3.5度という寒さです。寒さが当たり前になって、からだが慣れてきたのでしょうか。同じユニホームにきてヘルメットを被った4人組の自転車がゆっくり通り過ぎていきます。裏道ツアーなのでしょうか?のんびりとした走りです。あの格好で寒くないのでしょうか?最近の素材を使っているのだろうなと思いました。
さて今日も、昨日の続きで、音が変わったユニコーンの確認からはじめました。EMMとCD34改との音比べです。Oさんは、何回も聴かれていますが、今日の音の変化には驚かれたようです。OさんはSACDの音が好きで、ワンビットのDAコンバータを自作している方ですから、SACD盤とCD盤の同時進行はすぐお解りになりましたが、同じCDでの聞き比べでは、どちらが鳴っているか判然としないところまで酷似してきたようです。CD34改はもう手に入りませんが、EMMの方は、その気になれば何とかなります。これで、ケーブルを同じ物に換えればほとんどの方は差が解らなくなるでしょう。市販車がレーシングカーと同じレースが出来るようになったのです。排気量も価格もまったく異なりますが、とにかく、試合になるレベルまで拮抗してきたと言えましょう。
クラシックばかりではなく、Tony BenetのPlaying with my friendsも聴いていただきました。このガッツリ系の音がEMMが弱かったのです。しかし、もう大丈夫。相当似てきました。
そのOさんから、感想が送られてきました。私が説明するより解りやすいかと思いますので、転記致します。
GRFさま
まずは、ユニコーンですが、驚くほどの進化ですね。MITのケーブルを変更だけとのことですが、笑ってしまうほど違います(笑)最初のジャズものを聴いただけで分かるほどです。
今までもパースペクティブの表現に大変優れていたユニコーンでしたが、それが倍増した感じで、全くスピーカーの存在が感じられません。広大な空間が涌現されます。決して前が悪かったわけではありませんが、現状と比較すると、映画館で見る3D映像と、裸眼でそのものを見る、位の違いに感じれました。変な喩えですみません。
次に入力部のSACDとCDの各プレーヤーですが、GRFさんがいつもおっしゃっている通り、結局は入力の質が問われるということで、いつものハイティンクのショスタコ15番をSACD部とCD部で、それぞれEMM+SACDとCD34改+CDで聴き比べましたが、特にCD、SACDの両方をお持ちのマーラー6番リアルタイム再生の切替えは、両プレーヤーの出音の違いが分かり、聴き応え満点です。
差は確かにありますが、その情報量と空間再現はどちらもほとんど見分けがつきません。音量によって特徴に変化はありますが、足し算の美学であるEMM+SACD、引き算の美学であるCD34改+CDといった感じでしょうか?
いつもの如く、GRFさんからの「SACDは本当に必要か?」との疑問符が投げられますが、DSDフォーマットの優位は揺るがないので、このSACDという規格に問題があることは明白です。デジタル再生という点で考えさせられる点がまだまだ多くありますので、もう少し調べたいと思います。是非次回は、実験の機器を持ち込みますので、その調査にご協力下さい(爆)
しかしながら、このCD34改の音の良さはどうでしょう。もちろんフルチューンされたものなので音の良いことは当然かもしれませんが、だからといってどのCDプレーヤーでもフルチューンして同じになるかといえば、まったくの「NO」です。ポイントは、まずフィリップスのスイングアームユニットであること、もう一つはたった14bitの(現在は32bitというDACチップがあるにもかかわらず!)DACチップであるフィリップスのTDA1540(あとはデジフィルチップのSAA7030)DACチップをDUALMONOで使用していること、この2点が重要だと思います。
もちろんその他色々と、この機種でなければならない理由がありますが、ともかくありとあらゆるところに手を入れられているので、CD34の中古を手に入れて、素人が適当に内部をいじくり倒してもあの音は出ないでしょう。でもツボがあるはずで、当方も目下研究中です(爆)
そして本日のメインであるデコラに移りましたが、やっぱりこのスーパー電蓄の威力を確認するにはデコラと同年代のDECCA盤が必要だと思い、手持ちのDECCA盤を数枚持ち込んでの試聴です。まずはベンジャミン・ブリテンもの、ブリテン指揮の「弦楽合奏によるイギリス音楽」、そして同じくブリテン指揮のピーター・ピアーズ「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード、イリュミナシオン、夜想曲」の2枚をかけ、ノーブルな雰囲気とデコラならではの柔らかさを楽しめました。やはり「DECCA録音は凄い」これが感想です(すみません、つまらなくて)
GRFさんがおもむろにレコード棚から出してきた、先程の「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード、イリュミナシオン、夜想曲」のMONO盤がまた凄い。30年位前にイギリスで買ったとかで、針を落とすのも30年ぶり位とおっしゃっ
ておりました(笑)が、これは文句なく素晴らしい!!
特にB面はマトリックス1Aで、オリジナルDECCA盤のみが持つ音味が部屋全体を満たします。デコラではMONO盤も立体的で素晴らしいのです。特に小編成ものなどはMONO盤の方が良いかもしれません。スレレオ盤と聴き比べても全く不満無い再生音です。次のGRFさん所蔵ブリテン「青少年のための管弦楽入門」なども恐ろしく良く鳴りました。
問題は、本当のステレオDECCAの音は、通常のオーディオ機器+普通のカートリッジ&フォノイコで鳴るのか、ということでしょう。DECCA盤をDECCAらしく鳴らせている方がどれほどいるのかと、疑いたくなってしまう程です。ちなみに私のアナログ環境は、デコラと同じDECCAのアームと同キャラメル型カートリッジ+DECCA用にあつらえたフォノイコですが、それでも希に気になるDECCA独特のきつさと独特のあざとさがごく僅かですが残ります。でもそれはデコラで聴くと全く消え失せ、自然で柔らかい音場が拡がります。これが本当のDECCAオリジナルの音なのでしょう。
DECCAの音が苦手な人も、是非デコラで再生した音を一度聴いてみて頂きたいと思います。特に60年前後の2000番台、6000番台などの盤は、デコラの独壇場でしょう。GRFさんはかなり大変なことになりますが(笑)お金を取ってでも聴くべきです(あっ、余計なこと言いました?)
その後は懐かしの歌謡曲シングルを聴きましたが、どのジャンルでも本当によく鳴ります。ただ、そんなデコラもどこかで中古を入手してポンと再生しても多分ダメでしょう。結局これもツボがあって、それこそ整備からセッティング、球やカートリッジの選別、と多岐に渡っていますね。1点だけネタばらしをするとすれば、やっぱり「真空管」ということになりますね、GRFさん!!
その後は、またユニコーンに戻って、素晴らしい音をバックミュージックに仕事のことなど、種々懇談。そういえば、最初のユニコーン試聴から飲み始めていたので、最後は酔っ払いでしたね(笑)
やはりオーディオは、外さない機器選択と、追い込み方法が重要ですね。どちらがかけてもムダになりますが、それとて数々の失敗を経験して初めて分かることでしょうから。あとは「明確な出音イメージ」と「ぶれない方向性」でしょうか?結局は時間が必要で、突然オーディオに目覚めて、同じ機器を入手しても、同じ音は出ないということだと思います。
それで本日の結論ですが、経験豊富な大先輩とオーディオ趣味を共遊することは、心を豊かにする、です!!
オーディオ歴50年のGRFさんと、まだ弱輩者の私ではあらゆる 意味で差があり過ぎるわけですが、「1日に万里を駆ける駿馬の尾に付く」蠅は、駿馬と同じ距離を移動できるわけですから、得難き大先輩に出会い、共に万里を移動できることが僥倖であると感謝しております。今後とも見捨てずにお付き合い頂ければ幸いです。
O 拝
さて今日も、昨日の続きで、音が変わったユニコーンの確認からはじめました。EMMとCD34改との音比べです。Oさんは、何回も聴かれていますが、今日の音の変化には驚かれたようです。OさんはSACDの音が好きで、ワンビットのDAコンバータを自作している方ですから、SACD盤とCD盤の同時進行はすぐお解りになりましたが、同じCDでの聞き比べでは、どちらが鳴っているか判然としないところまで酷似してきたようです。CD34改はもう手に入りませんが、EMMの方は、その気になれば何とかなります。これで、ケーブルを同じ物に換えればほとんどの方は差が解らなくなるでしょう。市販車がレーシングカーと同じレースが出来るようになったのです。排気量も価格もまったく異なりますが、とにかく、試合になるレベルまで拮抗してきたと言えましょう。
クラシックばかりではなく、Tony BenetのPlaying with my friendsも聴いていただきました。このガッツリ系の音がEMMが弱かったのです。しかし、もう大丈夫。相当似てきました。
そのOさんから、感想が送られてきました。私が説明するより解りやすいかと思いますので、転記致します。
GRFさま
まずは、ユニコーンですが、驚くほどの進化ですね。MITのケーブルを変更だけとのことですが、笑ってしまうほど違います(笑)最初のジャズものを聴いただけで分かるほどです。
今までもパースペクティブの表現に大変優れていたユニコーンでしたが、それが倍増した感じで、全くスピーカーの存在が感じられません。広大な空間が涌現されます。決して前が悪かったわけではありませんが、現状と比較すると、映画館で見る3D映像と、裸眼でそのものを見る、位の違いに感じれました。変な喩えですみません。
次に入力部のSACDとCDの各プレーヤーですが、GRFさんがいつもおっしゃっている通り、結局は入力の質が問われるということで、いつものハイティンクのショスタコ15番をSACD部とCD部で、それぞれEMM+SACDとCD34改+CDで聴き比べましたが、特にCD、SACDの両方をお持ちのマーラー6番リアルタイム再生の切替えは、両プレーヤーの出音の違いが分かり、聴き応え満点です。
差は確かにありますが、その情報量と空間再現はどちらもほとんど見分けがつきません。音量によって特徴に変化はありますが、足し算の美学であるEMM+SACD、引き算の美学であるCD34改+CDといった感じでしょうか?
いつもの如く、GRFさんからの「SACDは本当に必要か?」との疑問符が投げられますが、DSDフォーマットの優位は揺るがないので、このSACDという規格に問題があることは明白です。デジタル再生という点で考えさせられる点がまだまだ多くありますので、もう少し調べたいと思います。是非次回は、実験の機器を持ち込みますので、その調査にご協力下さい(爆)
しかしながら、このCD34改の音の良さはどうでしょう。もちろんフルチューンされたものなので音の良いことは当然かもしれませんが、だからといってどのCDプレーヤーでもフルチューンして同じになるかといえば、まったくの「NO」です。ポイントは、まずフィリップスのスイングアームユニットであること、もう一つはたった14bitの(現在は32bitというDACチップがあるにもかかわらず!)DACチップであるフィリップスのTDA1540(あとはデジフィルチップのSAA7030)DACチップをDUALMONOで使用していること、この2点が重要だと思います。
もちろんその他色々と、この機種でなければならない理由がありますが、ともかくありとあらゆるところに手を入れられているので、CD34の中古を手に入れて、素人が適当に内部をいじくり倒してもあの音は出ないでしょう。でもツボがあるはずで、当方も目下研究中です(爆)
そして本日のメインであるデコラに移りましたが、やっぱりこのスーパー電蓄の威力を確認するにはデコラと同年代のDECCA盤が必要だと思い、手持ちのDECCA盤を数枚持ち込んでの試聴です。まずはベンジャミン・ブリテンもの、ブリテン指揮の「弦楽合奏によるイギリス音楽」、そして同じくブリテン指揮のピーター・ピアーズ「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード、イリュミナシオン、夜想曲」の2枚をかけ、ノーブルな雰囲気とデコラならではの柔らかさを楽しめました。やはり「DECCA録音は凄い」これが感想です(すみません、つまらなくて)
GRFさんがおもむろにレコード棚から出してきた、先程の「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード、イリュミナシオン、夜想曲」のMONO盤がまた凄い。30年位前にイギリスで買ったとかで、針を落とすのも30年ぶり位とおっしゃっ
ておりました(笑)が、これは文句なく素晴らしい!!
特にB面はマトリックス1Aで、オリジナルDECCA盤のみが持つ音味が部屋全体を満たします。デコラではMONO盤も立体的で素晴らしいのです。特に小編成ものなどはMONO盤の方が良いかもしれません。スレレオ盤と聴き比べても全く不満無い再生音です。次のGRFさん所蔵ブリテン「青少年のための管弦楽入門」なども恐ろしく良く鳴りました。
問題は、本当のステレオDECCAの音は、通常のオーディオ機器+普通のカートリッジ&フォノイコで鳴るのか、ということでしょう。DECCA盤をDECCAらしく鳴らせている方がどれほどいるのかと、疑いたくなってしまう程です。ちなみに私のアナログ環境は、デコラと同じDECCAのアームと同キャラメル型カートリッジ+DECCA用にあつらえたフォノイコですが、それでも希に気になるDECCA独特のきつさと独特のあざとさがごく僅かですが残ります。でもそれはデコラで聴くと全く消え失せ、自然で柔らかい音場が拡がります。これが本当のDECCAオリジナルの音なのでしょう。
DECCAの音が苦手な人も、是非デコラで再生した音を一度聴いてみて頂きたいと思います。特に60年前後の2000番台、6000番台などの盤は、デコラの独壇場でしょう。GRFさんはかなり大変なことになりますが(笑)お金を取ってでも聴くべきです(あっ、余計なこと言いました?)
その後は懐かしの歌謡曲シングルを聴きましたが、どのジャンルでも本当によく鳴ります。ただ、そんなデコラもどこかで中古を入手してポンと再生しても多分ダメでしょう。結局これもツボがあって、それこそ整備からセッティング、球やカートリッジの選別、と多岐に渡っていますね。1点だけネタばらしをするとすれば、やっぱり「真空管」ということになりますね、GRFさん!!
その後は、またユニコーンに戻って、素晴らしい音をバックミュージックに仕事のことなど、種々懇談。そういえば、最初のユニコーン試聴から飲み始めていたので、最後は酔っ払いでしたね(笑)
やはりオーディオは、外さない機器選択と、追い込み方法が重要ですね。どちらがかけてもムダになりますが、それとて数々の失敗を経験して初めて分かることでしょうから。あとは「明確な出音イメージ」と「ぶれない方向性」でしょうか?結局は時間が必要で、突然オーディオに目覚めて、同じ機器を入手しても、同じ音は出ないということだと思います。
それで本日の結論ですが、経験豊富な大先輩とオーディオ趣味を共遊することは、心を豊かにする、です!!
オーディオ歴50年のGRFさんと、まだ弱輩者の私ではあらゆる 意味で差があり過ぎるわけですが、「1日に万里を駆ける駿馬の尾に付く」蠅は、駿馬と同じ距離を移動できるわけですから、得難き大先輩に出会い、共に万里を移動できることが僥倖であると感謝しております。今後とも見捨てずにお付き合い頂ければ幸いです。
O 拝