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Channel: GRFのある部屋
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今年のお盆休みの行ったり来たりは

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やはり、暑くなってきました。東京から人がいなくなるお盆のころは、東京生まれの人間にとっては、とても落ち着く期間になります。車は、ガラガラ、道を歩く人も、自転車も少なくなり、灼熱のアスファルトもどこか、違った風景になります。

行ったり来たりを、昨年末で止めましたので、今年のお盆休みは、ほとんど人が来ません。来られる人は、ご近所の方でいつものご常連ですから、いつもの定点観測の一環になります。しかし、今回のデコラの改造と、始めてお聞かせするであろう38/2トラの音を一昨日の晩、いつものチューバホーンさんに聴いていただきました。

チューバホーンさんは、最近は「GRFのある部屋」で以前のようなGRFの音を聞くチャンスが少なくなったとお嘆きなので、今回は、久しぶりにその音を聞いていただこうと思い、お仕事が終わってから、八時過ぎでしたが、来ていただきました。今回のメインイベントは、やはりデコラの大幅な変化です。

最初は、例によってT4での、あたかもGRFからなっているような音の再現です。先日から、SPの間隔を狭めて、しっかりと調整したので、後方のGRFから聞こえてくるような錯覚を与えます。奥でホルンが鳴っている音は、全くどちらが鳴っているかは分かりません。仕掛けている私自身が分からなくなるほどですから、来られた人が、間違えるのも無理はありません。通常のRCAとXLRでの接続の僅かな違いも聴いていただきました。チューバホーンさんの耳のよさは定評があります。

その音の不思議さを、聴いていただいてからは、いよいよデコラです。最初にGRFの音を聞くと、音色と音量の違いで、幾分デコラの音がこじんまりと聞こえるからです。それは無理もありません。GRFは部屋のコーナーに置かれ、ほぼ5mの間隔で展開しています。それがコーナーの音の反射を使って、豊かな音を作り上げているのです。かたや、デコラは、高音こそ、9個のユニットがそれぞれ買って方向に向いて、低音部は小さな密閉箱に入れられた、EMIの楕円スピーカーだけです。

ところが、今回の真空管の交換で、、、

その、チューバホーンさんから、早速のご感想が届きました。

連休の恒例行事のごとく、お盆休みには、GRFさん宅を訪問させていただいてるのですが、ここ数年は部屋の主である「GRF」の出番に当たることが少なく、タンノイファンとしては少々寂しい思いをしてたのですが、今回はGRFの出番もありますよとの情報をいただき、急ぎ訪問させていただきました。

久しぶりのGRFのある部屋は、以前の縦長使いのレイアウトに戻されていて、よそ様のお宅なんですが、なんかほっとしてしまいました。
 
昨晩も残暑厳しい蒸し暑い夜でしたが、まずはきりっと冷えた日本酒で乾杯。ほてった身体に染み渡る辛口の吟醸酒はとても爽快な気分になりました。

ソファーの前に置かれたSD05とMS1からは、GRFさん定番のシューベルトが流れ始めました。深く広く静かに広がっていくウィーンフィルの響きで部屋が満たされていく感覚は何度聴いても快感ですね。CDの潜在能力を、忠実に再現するT4とSD05の組み合わせは、未知なる世界ではなく現実の世界なんですが、何度聴いてもその度に新鮮な驚きを与えてくれるシステムですね。
 
次は、前方に鎮座するデコラです。このデコラも、GRFさんのお宅に登場してから3年以上になるのでしょうか?レストアを続ける過程で、何度か聴かせていただいて来ましたが、今回はレストアも一段落とのことで、GRFさんも自信満々のご様子です。

まず、針をレコードに落とした瞬間に聴こえる針音が違います。いや以前のデコラと違うということではなく、通常のレコード再生時に聴こえる針音と違うんです。それは針音の音質もそうなんですが、一番違うと感じたのは、針音がど真ん中にびしっと定位して聴こえてきます。

音楽が始まるまでは、モノラルカートリッジ?と錯覚するくらいの針音だったのですが、音が流れ始めるとパーんとはじけたように音が広がりこちらに飛んでくるようです。

今までのデコラは、天板の上がまるでステージになり、そこで楽団が演奏している、例えるなら精巧なジオラマのような鳴り方だったと記憶してたんですが、今回はまるで別物というくらいの変貌です。
 
先のT4が後方に深く広がっていくと表現するなら、デコラは中心から前方や左右に大きく広がっていくと言えば良いのでしょうか?いずれにしてもこれもまた部屋が音で満たされるのです。

そして、驚きはその音場の広さだけでなく、レコード特有のエネルギー感も損なわれないことです。オーディオファンならおわかりになると思うんですが、広いのに濃いんです。そしてそして、その上レコード特有のゴロもないですし、最内周部でも危なっかしさもなく、びしっとトレースしている様はテープに通じる安定感を感じる音質です。

今回のデコラですが、レストアの途中の音を知っているがゆえの驚きもありますが、これを始めて聴いてもレコードに対する概念が変わってしまうくらいの驚きがきっとあります。
 
美味しいお酒が五臓六腑にしみわたるがごとく、デコラのすべての部分が「気」で満たされているのでしょうね。真夏の大事件です。
 
さて、デコラの健闘で、ほろ酔い気分も飛んでしまったのですが、まだ本日の本命であるGRFが控えています。

最初はCD、次はレコードでしたので、ここでGRFにあてがわれたソースは、GRFさん秘蔵の2トラ38のテープでした。

デコラのレコードで満腹満足ですが、GRFからは別腹をも満腹にしてしまう前者とは異なる異次元の音楽が流れてきます。かれこれ60年近く前の音源とは到底思えない鮮度の高い音です。そして何よりGRFのある部屋の大きさが冗談ではなく倍になったくらいの錯覚をしてしまうくらいの圧倒的な迫力に、完全に酔いが吹き飛びました。

今夜は3種のデバイスの聴き比べの会でしたが、各々の長所を生かすシステムとその使いこなしというほど簡単ではないんですが、単純に驚きという言葉では表現できない世界を知ることが出来ました。
 
帰宅後、まるで1学期の終了式にたくさんの宿題を出された子供のような心境になりました。夏はもうすぐ終わろうとしているのに・・・・・

GRFさん、今回も貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。

チューバホーンさん、ありがとうございました。いつも聴いていただいている方に驚いていただいたので、お呼びした甲斐がありました。この分なら、これから開くQuad愛好会の会長さんと副会長さんをお呼びした「デコラを聞く会」も大丈夫だと思います。久しぶりに長丁場になる様な気がします(笑)。






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