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Channel: GRFのある部屋
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デコラは魔術師、オイラはピエロ

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先日、来られたチューバホーンさんからのご連絡で、Shanshanさんにも、デコラの評判は伝わっていたようです。また先週来られたA氏と同じシルバーのGRFを導入されている、Taoさんからも、デコラの試聴のリクエストがございました。土曜日の午後一番で、Shansahnさん、3時過ぎにはTaoさんも合流するスケジュールで、デコラ劇場の再演となりました。

デコラでは、Mark-IのモノがSP用とLP用の二種類とステレオ用があります。これらは針圧3〜5gでの使用します。Mark-IIはステレオ用、2.8g~3.5gの間です。Mark-IIIのステレオはオリジナルでデコラについていました。それに、あとから購入した今一つの未使用品だったカートリッジを二つ交互に聴いています。音は、未使用品の方は、まだ堅さが残っていますが、使用しなければ何時までも同じです。

先週、A氏が来られたときは、その未使用のカートリッジを鳴らし始めました。やはりおとがほぐれません。そのまま取り付けてあるので、その幾分堅さが残る方のカートリッジの針圧を調整して聴き比べて見ることから始めました。やはり、音が拡がりませんね。Mark-IIIでは、軽針圧でも音が拡がるはずなのですが、Mark-1のような音がしました。

針の掃除をしたり、針圧を簿妙に変化させて行くと、だんだんとほぐれてくるのが分かります。そうこうしているうちに、時間より早めにTaoさんも到着されました。冒頭は、フランク永井の大阪のホテルでのライブです。同じプログラムになるのは、Shanshanさんには、二度聴きに鳴りますが、時間の経過での音の差も分かり、かえって面白かったかもしれません。デコラは、モノのレコードでも、不思議な広がりがあります。モノ信号に含まれている、時間差を特有の配置をしているツイーターが再現しているからでしょう。真ん中に固まった音ではなく、装置全体に音が拡がるのです。

それは、ステレオレコードになると、いっそうの広がりを見せて、GRFの外側まで音が拡がって聞こえます。これは本当に不思議な事です。Taoさんは、マジックを見ているみたいだと言われました。いまから50年前の人達も、この音と同じ音を聞いていたのですから、半世紀の間、オーディオはどこが進歩したのかと訝ります。8D8を使用し始めて、はじめて壁全体に拡がる音を聞くことが出来ました。

途中、4トラックのテープの出力を、デコラに入れて見ました。これは素晴らしい音がしました。デコラ特有の音は、独特のカートリッジが生み出すと思ってもいましたが、4トラックテープでは、一段と来も細やかな、広い音場も再現しました。素晴らしい音です。カートリッジの性能で決まるレコードとは違って、テープの歪みがない広大な音場を聴くと、50年の時空を越えて、いま出来たような驚きに出会えます。このような音場を形成する、パラゴンやデコラの様なステレオ電蓄が、なぜ、いま存在しないのか?それも不思議ですね。

早めに来られたShanshanさんが帰られた後、Taoさんのリクエストで、ベートーヴェンのクロイツェルソナタ、チャイコフスキーの交響曲第六番第一楽章を聴きました。だんだん暮れていく夏の夕方、ますます音が活き活きとしてくる、デコラの魔術に二人とも酔いしれていきました。デコラでレコードをを聴くコツは、カートリッジのこまめな清掃があげられます。60倍のルーペで見ると、針の汚れがはっきりと解ります。カンチレバーを持たないデッカのカートリッジには清掃は欠かせない儀式ですね。手品の仕込みのように。


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