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Channel: GRFのある部屋
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クラシックとポピュラー

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夏休みにGRFの部屋に来られたS.Yさんからお便りが来ました。じっくりと、デコラとGRFを聴いていただき、その差にも納得していただいたようです。

GRFさま

ワインの師からこんなことを聞きました。「四大シャトーに代表されるようなクラシック・ワインと日常的なテーブルワインに代表されるポピュラーワインの違いは、飲んですぐに美味いか不味いかが分かるのがポピュラー。教えられないと価値がわからないのがクラシック」とのことでした。

だから、ワインのなんたるかを知らない初心者は、すっきりした喉越しの一万五千円のブルゴーニュよりも重厚な五千円のボルドーのほうが美味しい、などということになったりするのです。後で「こっちのほうが高いんだよ」、などと言われて赤っ恥をかく羽目に陥るのでした。

音楽のほうでも、ごく普通にクラシック、ポピュラーといいますね。どちらかといえば、こちらの区別のほうが本家本元でしょうか。誰が聴いても上手いか下手か、好きか嫌いかがわかるのが大衆音楽、ポピュラーでしょう。

やはり、クラシック音楽はきちんとした方に聞き方や勘どころを教えてもらってから、はじめて鑑賞できるものなのではないでしょうか。あるいは文化的とか文学的な背景を知らなくては理解できない、とか。

それでは、自宅で聴くオーディオ装置ではどうでしょうか。やはりポピュラーとクラシックの違いがあるように思えます。

ロック向きとかジャズ向きとか、古楽向きなどと音楽嗜好を指定している商品は、スピーカーにしろアンプにしろ、やはり「大衆的/ ポピュラー」ということになるでしょうか。

ではオーディオにおけるクラシックとはどんなことでしょうか。僕はせんだって再訪できた「GRF のある部屋」にそれを見ました。

GRF さんが「今、音が変わりましたね」とおっしゃるのを聞いて、あっなるほどと気がついたのです。

GRF さんがレコードプレーヤーのどこかを触ると音が変わりました。何処を触ったのか、僕にはわかりません。そして、その変化はGRF さんに言われて、はじめて気がつくのです。言われればわかります。しかし、言われなければわからなかったでしょう。

高級なクラシックワインを飲んだとき、師から「カシスの香りの奥にかすかなナッツの香りがあるでしょ」と言われて初めて気がつくのに似てますね。

テープデッキの再生ヘッドをGRF さんが、サッと一拭きします。「ねっ、音が変わったでしょう」言われなければ、わからないことはないような、かすかな微妙な変化です。しかし、指摘されれば、あ、もしかしたら変わったかも、と気がつくのです。

拙宅にお越しいただいたときに、スピーカーを例のトントンで調節していただきました。

音は変わりました。

この変化には歴然たるものがあり、すぐにわかりました。しかし、もしも目の前で指導していただけなかったら、一生わからなかったでしょうし、理解できなかったでしょう。目の前で手取り足取りのように指導していただけて、はじめて納得し、その後では自分でも違いがわかるようになるのです。

これはワインにおけるクラシックとポピュラーの違いと同じことだなと思います。そして、一度教えてもらうと、その理解の仕方というか、繊細な感覚を自分のものにすることができるようです。自宅のオーディオを聴いても違いが分かってくる、ということです。もっとも「本当の音はこんなじゃない。音場がでてない!」と気がついてしまうということですが。( 爆)

「GRF のある部屋」の音を聴いた後では、もう後戻りはできません。( 笑) クラシックワインの本当の美味しさを知ったあとに似てますね。

しかし、銘醸ワインを知ったあとでは、安ワインの中にも、今まで気がつかなかった素晴らしいワインの片鱗をきくこともできるのですよね。

同様にして、「GRF のある部屋」の音場を聴いた後では、自宅の「なんちゃって平行法」のオーディオでも、今まで気がつかなかった音場を聞き取ることができるのです。(たぶん)

S.Y.


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