Quantcast
Channel: GRFのある部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2210

秋の音楽シーズン開幕?

$
0
0
金曜日の夜は、久しぶりに音楽会に行ってきました。定期会員になっている紀尾井シンフォニエッタの14〜15年のシーズンが始まったからです。何時もは、土曜日の午後の方の公演に行くのですが、土曜日は、前からの約束で、リウーさん宅を訪ねることになっているので、前日の夜の演奏に変えていただきました。最後の一枚だったのですが、いつもの指定席の一列後ろ、三席隣でほぼいつもの音の感じでい聴くことが出来ました。いつもの席は便利を考えて通路際なのですが、今回は、ほぼ中央の席で、微妙ですがバランスがよくあってきます。もっとも、家でも真ん中で聴くことは少なく、どちらかに(通常は右に)寄って聴いているので、真ん中の音は少し窮屈に聞こえるという変な習性を持っています。音のバランスを整えるときしか、真ん中で聴かない所為かもしれません。中央の席はだいたお客様に取っておく内にこの様な習性になって来たのでしょう。

今日の演奏会は、昨年の二月に聴いて感銘を受けた、アントン・ナヌートさんの指揮でシーズンが開けます。曲もオーソドックスなベートーヴェンのレオノーレ第三番、シューベルトの未完成、メインはベートーヴェンの第三番『英雄』です。前回の演奏会ではエグモントとブラームスの第四番を聞きました。編成も紀尾井シンフォニエッタとしてはめずらしい10型の編成で、いつもの8型(8・6・4・4・2)より一回り大きな編成で聴きましたが、今日はいつもの紀尾井の編成です。今シーズンから何名かの弦楽器のメンバーが入れ替わり、それらの新人の音を聞くのも楽しみですね。

シーズン最初の演奏が、レオノーレ第三番になりました。幾分遅めですがインテンポで進んでいくオーソドックスな演奏スタイルは、ナヌートさんのスタイルなのでしょう。慎重な演奏で、レオノーレとしては私には、すこし遅く感じました。この曲は1978年に始めてウィーンに行ったとき、国立歌劇場でのフィデリオの第二部の前奏曲として聴きました。日本でもお馴染みのホルスト・シュタインの演奏で、ウィーン国立歌劇場管弦楽団=ウィーン・フィルの演奏でした。十八番なのでしょう。後半のアッチェランドしてテンポが速まるところの迫力には驚き、感銘しました。その印象が強く残っているし、ワルターやクレンペラーのエネルギッシュな演奏が耳に焼き付いているので、今晩の演奏の終始インテンポには少しガッカリました。もう少し緩急の変化があっても良いのではと思いました。

管楽器はフルートが読響の首席から新日本の首席に替わったぐらいで、同じメンバーでしたが、クラリネットとオーボエのおとには魅了されました。二つの共鳴音が生み出す、倍音があたかもフルートがなっているような響きを生み出します。素晴らしい音でした。そのフルートの音は、少し暖色系で、以前の読響の首席の一戸さんのクールな音色とは違い、新日本の白尾さんの音色は、すこし深く暖色系なのに私が戸惑ったのかもしれません。クラリネットの鈴木さんとは何時も同じ新日本でならしているはずですから。オーボエの蠣崎さんは読響です。一戸さんとのコンビの時より良く聞こえたのは私だけでしょうか?

二曲目の『未完成』もインテンポで、レオノーレと違い早く感じました。もっと、歌い込む演奏を期待していたからかもしれません。破綻のない演奏ですが、名曲アルバムの可もなく不可も無いと言うだけの演奏です。折角の紀尾井の名手達を率いるには勿体ないとも思いました。去年の印象とは大分違い、やはり年齢から来る差なんかとさえ訝ったほどです。

休憩時に、ベルウッドさんの感想を述べたら、今日は過激ですねと笑われました。言われてみると今週もバタバタと仕事が忙しく、当日も四谷に来る前は、人とあって仕事の話をしてきたからかもしれません。その意味では、土曜日の午後の方が、ゆったりとした気分で聴けるから音楽を鑑賞するには向いているのではと、話しながら反省しました。

休憩後は、『英雄」です。こちらはうってかわって快調なテンポです。流れるようなリズムで進んでいきます。個人的には、前回聴いた10型の編成の方が、より迫力が出て良いなとさえ思いました。第二楽章の後半のフーガが表れ、不協和音が出てくる頃には、オーケストラがようやく暖まってきたと感じました。第三楽章に入ると、別のオーケストラの演奏を聴いているのかと思うほど、劇的によくなりました。響きが整い、弦楽器のボーイングも揃って、音楽が流れ始めました。第四楽章は、何時聴いても素晴らしい音楽です。交響曲はこうなでなければと感じさせられます。オーケストラもピッタリとあってきて、フルートの音色も研ぎ澄まされ、ホルンの響きも、日本のオーケストラではめずらしいほどあってきました。

終わり良ければすべてよしという、大円団で終わりました。シーズン最初の夜なので、明日の演奏の方が、その流れを汲んでほぐれた演奏になると思われますが、いかがでしょうか?

演奏会終了後、久しぶりにあったベルウッドさんと感想戦を交わして、気持ち良く四谷の街を後にしました。

この晩は・・・・


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2210

Trending Articles