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Channel: GRFのある部屋
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翌る日曜日は?ミューザ川崎で準・メルクル/東響

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前日夜寝るとき見たら、パンダ目は、大分円環が完成していましたが、翌朝開かない目をこじ開けて鏡の中をおそるおそる覗くと、上まぶたまでしっかりと紫色になっていました。こうなるとパンダ目というよりも、スターウオーズのなかの鬼の形相して、両方にライトセーバーが付いた槍を振り回すダース・モール見たくなってきました。思わず、角も生えていないか見たぐらいです。

昨日と違うのは、節々の痛みです。やはり身体全体に相当ダメージが来ているのでしょう。右腕、右肘、お尻、膝、両手とやはり右側の側頭部がすこしボーとしています。暖かくすると血液の循環が良くなり、また内出血を促します。消毒をするように早めにシャワーを浴びて、横になりました。

今日は、川崎のミューザに行かなくてはなりません。こんなことになるとは思わず、UNICORNさんを誘って、準・メルクル指揮の東京交響楽団を聞きに行く事になっています。川崎の月曜はデュダメルのウィーンフィルですが、昨年、ガッカリしたので食指が湧きません。前日に川崎に行くのも乙なモノです。今年の川崎のハイライトは、11月のヤンソン・バイエルンですね。

家から川崎へは、地下鉄で丸ノ内線・銀座線と乗り換えて、新橋で東海道線に乗ると、品川の次はもう川崎です。あっという間に着きます。川崎駅は相変わらずの圧倒的な人の流れです。あれだけの人がどこで食事をするのだろうと言うぐらい、食べるところが余りありません。モールの中には沢山あるのですが、値段が高いし、味はいまいちのところが多いのです。それにお昼頃は、どこも満員です。

ミューザの下のチャンポン屋に滑り込み、皿うどんを頼んだけど、野菜たっぷりというわりには、期待外れです。チェーン店はこんなモノでしょうか。約束の時間に行くと、サングラスをしている小生にもすぐ気がつかれたようです。サングラスを掛けている理由とパンダ目を見せると、UNICORNさんにすぐ笑いの種にされました。とほほ・・・

今日の演奏は、四回目になる準・メルクルの指揮で、お得意のメンデルスゾーンの四番をメインに据えた名曲演奏会です。前半の第一曲目は生誕百年を迎えた早坂文雄の「左方の舞いと右肩の舞い」という曲で、左肩を中国に由来する音楽、右側を朝鮮半島系の音楽というユニークな曲でした。映画音楽の名人ですから、訊いていていろいろな場面を想像できる曲でした。しかし、正直言って何でこの曲を聴かなければと言う感じは最後までしましたが(笑)。

二曲目は、リヒャルト・シュトラウスの『ティルオイゲンシュピーゲルの愉快ないたずら」です。沢山の演奏者が入ってきて、お馴染みの曲を良いテンポで演奏していきます。去年聴いた、コンセルトヘボウやベルリンフィルと比べると、音のボリューム感は半分程度ですが、破綻はなくそれなりに楽しめます。テンポは、本当にピッタリで、金曜のナヌートみたいな違和感はありません。オーケストラも若手中心なのですが、弦楽器はまとまっているし、木管のセクションは、明るい音を出す名手ばかりです。フルートの一人を除いて、八人の内、七人が若い女性で、皆とても上手いです。

ティルでは、打楽器がちょっとタイミングが合わずに苦労していました。とくにティンパニーは音の切れ味を保つために、すこし性急に音を切っていると感じました。左側の去年のベルリンフィルとほぼ同じ席でしたが、打楽器のバランスが少し早い気がしました。後半のメンデルスゾーンは友人と替わって、反対側の右側のステージ横の席で聴きましたが、こちらは弦楽器のまとまりが良かったです。オーディオ的には、左側の方が分析的に聞こえます。

後半は、UNICORNさんと席を替わり、ちょうど対面の右側に。この席では今まで聴いたことはありませんでしたが、左側が、オーディオファンにピッタリだとすると、右側のこのあたりの席は、音楽ファンにピッタリです。コントラバスからチェロの音が沸き上がり、ドイツ風なメルクルの演奏スタイルともあって、バランス良く聴けました。ウィーフィルもこちら側で聴けば印象が違うのかもしれません。でも、ティーレマンは二度と聞きたくないのですが。

交響曲「イタリア」の演奏は、テンポもカンタービレの歌い方も、私好みで嬉しくなりました。オーケストラも若いメンバーが多い所為かはつらつとしていて、尚かつ木管群の柔らかさには脱帽です。ティルでは、少しちぐはぐだったオーケストラのバランスやテンポのづれもなく、楽しめました。

第一楽章の後半で、尋常ではないいびきの音が聞こえました。係員がすぐに駆けつけましたが、脳梗塞では無いかと気がかりで、後半のところ一分ぐらい集中が切れましたが、オーケストラは、破綻も見せず、演奏し終わりました。

その後の、第二楽章のヴィオラが甘い旋律を歌うところは、トスカニーニやカンテルリの禁欲されているけど、だからこそ甘美なカンタービレに酔いました。

メンデルスゾーンはメルクルの感性とピッタリです。イタリアを聞きながら、最初の曲が早坂文雄の曲でなく、「フィンガルの洞窟から」だったら、どんなにこのコンサートが気持ち良かっただろうと思っていました。それほど、メンデルスゾーンの曲は、合っているからです。東響の若いメンバー達の技量の良さには、感心しました。弦のアンサンブルの合い方は理想的で、このバランスならコントラバスは5本でも充分と思わせます。先日の紀尾井と反対で、もう1プルト小さい編成で聴きたかったと思ったほどです。ティルではすこしタイミングが合わなかったティンパニーもピッタリで、大満足でした。金管も翌揃い、私の中の在京の交響楽団の評価で、都響の次にランクアップしてきました。

満面の笑みを浮かべて、メルクルがステージに戻ってくると、アンコールの曲目を告げました。それは何と「フィンガルの洞窟から」だったのです。嬉しくなりました。細かいさざ波が打ち寄せる静な旋律が、だんだんうねりをあげていく様は、イタリアとは違う意味で、メンデルスゾーンの真骨頂です。三番の交響曲『スコッティッシュ」と同じ様な雰囲気の曲で、大満足しました。

今この記事を書いている自分に、新潟のリュートピアで同じプログラムを演奏しています。ちょうど、アンコールの演奏されている時間だと思うと、オーケストラと演奏を重ねた、今日の演奏の方がより息が合っているのではと、想像されます。

紹介者がいたので、演奏後、楽屋まで押しかけ、いろいろと聴きました。フィンガルの洞窟は、アンコール曲としては長いのですが、後半のメインがイタリア交響曲なので、時間的には、逆にお客さんに満足していただけたのではと、はにかみながら話してくれました。次回は、来年の初めの読響との演奏会です。それも押しかけようと思いました。水戸ばかりではなく紀尾井でも彼の演奏を聴きたいですね。
 
UNICORNさんがご一緒ですから、当然、感想戦を行いました。四人で一階の焼き鳥屋さんで行いました。例によって85%はUNICORNさんの独壇場でした(爆)。とても楽しい午後になりました。

新橋から、地下鉄に乗り換えて、新宿までご一緒した方は、まだ六時過ぎなので、これから、レコード屋さんに寄っていかれるそうです。皆さん音楽が好きなんだな〜と思いました。






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