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Channel: GRFのある部屋
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GRFの部屋にいる時間・・・

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仕事柄、出張が多いのは40年来の事ですから、すっかり慣れています。よく、枕が替わったら寝られないとか言われる方がおられますが、疲れていればどこでも寝られると思っています。確かに高すぎる枕や、柔らかすぎたり、硬すぎたりしたら寝にくいでしょうが、ホテルの一般的な枕は、寝られないと言うことは無いようです。もっとも、健康的に考えられたベッドや枕と標榜しているホテルに限って、変な枕が用意されています(苦笑)。

そうして、何泊も外泊してようやく戻ってくると、最近はもうクタクタで、なかなか、GRFのある部屋まで辿り着きません。ソファーに座って聴き始めたら、そく、寝てしまうからです。いつもは、和室の方のユニコーンでいろいろ聞いています。もっとも、原稿や仕事の書類を書いているときには、音楽は掛けません。ながら族は出来ないからです。レコードの場合は、針もレコードも減らしてしまいますね。CDもながら族で聴いていると音の良いところがだんだん消えていくような気がして、勿体ない感じがするのが面白いです。

GRFのある部屋では、主に、レコードとテープを聴いています。テープは、儀式が多く、気を入れないと絡まります。レコードも、初めて聴く中古のレコードはきれいに洗浄しながら聴かなければなりません。その面倒くさいのが楽しみでもありますが、一日中その作業に明け暮れるのは、くたびれます。レコードでもテープでも、かけ始めたら30分ぐらいはそのままですから、その間に寝てしまう危険性が多分にあります。最近は、デコラをかけることが多くなりましたので、いろいろとレコードを出してきて、すぐ片付ければ良いのに、ワインを飲みながら聴いている場合は、そのまま拡げたままになります。私の場合、部屋の掃除と言っても、その大部分は拡げたレコードやCD、テープの収納に費やされているのです。収納仕切れないとそれが、部屋の溢れ出すのですね。要するに、CDやテープが多すぎるのです。

なんやかんやで、三分の一ぐらいは、部屋にいないのですから、当然音楽は聴けません。家にいても、仕事をしているときは、聴けません。残りの時間のほとんどは、和室の方で聴いているので、結局「GRFのある部屋」での音楽を聴く時間は、週に一回あれば良い方です。考えてみると勿体ないですね。でも、趣味の時間は、なかなか時間が取れないときにこそ、その喜びが増す様です。

私の好きな鉄道作家の宮脇俊三さんも、全国の鉄道二万キロをのるとき、時間が限られていて、途中まで行けても、時間切れでローカル線に乗りきれず、その線路が別れていくとき、万感の思いでその線路を眺めていたときの方が、定年になって鉄道作家になり、専門に乗れるようになった時より、喜びは多かったと言われていました。

時間が無いときにこそ、また、自分の部屋から遠く離れているときほど、出張先にいるときの方が、帰ったら何をしようと妄想が膨らんでいくのです。一番楽しいときかもしれません。レコード収集も全部揃ったらお仕舞いです。あと、三枚、二枚となっていくと、終わってしまう不安の方が、完遂する喜びより大きくなったりします。人間の心理とは面白いですね。

GRFの部屋のSPは、夏に分散しましたから、大分スッキリしてきました。GRFとT4が、常用で、たまにデコラを鳴らします。相変わらず、"Consequence" は準備中です。でも着々と構想は進んでいますよ。この着々と、という瞬間こそが、一番楽しい時なのでしょう。

さて、今週末の土曜日は、前回は、和室のユニコーンだけで時間切れになってしまった、R.Sさんが、満を充たして来られます。どの様な音楽を、どの様にお聴かせするか、自分でもワクワクしますね。どんな普通の装置でも、置き方・鳴らし方次第であれほどまで姿を変わるのは不思議です。絵を描かれる人の構図の決め方、陰影の出し方、光の当て方で、作品を仕上げているのと同じなのかもしれません。見方を変えると、絵が浮かび上がってくる感じです。

水彩画で白は塗れません。白は紙の白さを残すわけです。白い雲は、回りの青空を書いていくと、白い雲が浮かび上がってきます。SPの調整のコツと通じますね。音をSPから出すのではなく、音の輪郭や背景を出すようにすると、コンサートホールが出現してくるようです。R.Sには、前回ユニコーンの音しか聴いていただいていないので、今回は「GRFのある部屋』の音を聞いて頂こうと思っています。






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