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Channel: GRFのある部屋
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四年の月日を経て

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GRFさんから「コンシーケンスを鳴らし始めたんですよ」と連絡を頂いたのが11月中旬。それからコンシーケンスとの格闘の様子が何度か日記に掲載されていましたので、だいぶ進捗されたんだなあ、と思っていました。GRFさん、ここのところはお仕事で日本中を飛び回ってらっしゃるようで、一体いつ東京にいてコンシーケンスの調整をしているのかと不思議にも思っていました。

そんなおり、昨日の午後、ちょうど外出先から戻った時に、GRFさんからメールが届きました。「時間が取れたのでコンシーケンスを聴きますか?」なにせお忙しい方なので、タイミングが合わないと、またいつ聴かせていただけるかがわからないので、急ぎ用事を済ませてGRF邸に向かいました。
 
コンシーケンスを聞かせてもらったのは4年前ですが、あまりにも衝撃的すぎてかなりねじを巻かれたことを思えています。そんな当時の様子を、GRFさんが日記に掲げられてました。「チューバホーンさんの音」
 
さて、実際に4年前と比べて、コンシーケンスはどのように進化をとげたのだろうと、興味はその一点のみなんです。最初にかけていただいたのは、定番のクレンペラーのマーラー7番ですが、正直言いまして頭の中は、

「??????!」でいっぱいになりました。

しかしGRFさんは、3台のプレーヤーを使い「どう、3台のプレーヤーの違いは?」との問われますが、まだ頭の中は混乱していました。あれっ?たしか4年前より進化してるんじゃなかったっけ?と頭の中で自問自答していました。GRFさんにはプレーヤーの感想しか言えなかったんですが、本当は頭の中では、ハイ上がりで、音場は右側に傾いているし、いったいこれのどこが進化してるんだー!?と思ってました。

その内、GRFさんが急に立ち上がり「さて調整をしますか!」といわれて、いつもの、リタ・シュトライヒのモノラル盤をかけました。私はそのままソファーのセンターで聴かせてもらっていましたが、GRFさんはその前に立ち、音を聴きながら左右のスピーカーの調整を始めました。

そしてその一連の作業を行っていくにつれ、、最初のひどかった音(すみません)から、まるでからまった糸をほぐしたように、すっと眼前に広がる大きなステージが出現しました。

あー、これは完全に一本とられました。いや、音うんぬんもそうなんですが、この一連の作業を見れた、いや聴けただけでもおじゃましたかいがありました。特にモノラル盤を使った調整の奥深さは、大変勉強になりました。では今度は本当の意味で4年前とどう違うのかと思いながら、それから、多くの楽曲を聴かせていただいた上での感想になります。

使用機器は以前と異なるのが送り出しの機器ですね。パワーアンプ以降は同じだそうです。以前もそうでしたが、今回も楽器や歌声の質感がとてもリアルです。それっぽくとかそれらしくといった質感ではなく、そのものの質感といえばよいでしょうか?とても電気を使って発する音には思えません。

とここまで書くと、4年前と変わってないんじゃないかと、一度でもこのコンシーケンスを聴かれたほうは思われるでしょうね。そこで、先の話に戻るんですが、今回は以前のHD1というハードディスクプレーヤーから、同じCD規格ではあれど、CD34Z改、EMMのセパレートとかなりグレードが上がっています。

HD1の時も基本的にリアルな質感を感じる音は共通ですが、どの音源にもHD1特有のキャラクターというか、個性というか何か共通した音を感じてしまうのです。つまり、機器の素性の良さが最終的な音に反映されているのだろうと感じました。なので、どの音源をかけてもHD1は、いい音の音源も、そうでない音源も皆及第点で鳴らしてくれるような感じがしました。つまり100点満点は出ないけど、なんでも平均的にうまく鳴らすのがうまいプレーヤーではないかと思うのです。そういった意味では音源そのものが機器に支配されていて、本来のディスクに入っている情報が出きらなかったと思うのです。

とは言っても、HD1は通常のCDプレーヤーより、かなり精度の高い音を送り出しているがゆえ、コンシーケンスから不足感のない再生音を展開できる性能はあるのだと言えますが。

一方、今回のCD34Z改は、1枚1枚のディスクの情報を的確に送り出してくるというプレーヤーだと思いました。たとえば、3枚のCDを聴いたとします。HD1では、98点、95点、96点とすると、CD34Z改では100点、92点、96点といった風に、不足することもなく、かと言って下駄をはかせることもないのではないかと感じました。つまり、機器の個性ではなく。ディスクそのものの個性で聴かせるプレーヤーではないかと思いました。

その100点と98点の違いがコンシーケンスにおいてどれだけ違うのかと、これまた言葉で表現するのは難しいので、GRFさんをご存知の方で、4年前にも聴いたことがおありになる方は、その差をぜひ聴かれてほしいです。私の言葉であえて表現すると、リアル再生音がスーパーリアル再生音に変化したのだと思います。従前もステージ上で演奏される楽器の質感とか動きがリアルに見えるような再生音だったのですが、今回はステージのみならずホールの床や壁や天井までわかるほどの実在感があります。

本当に表現が難しいのですが、以前が部屋の中におけるホールトーンの再現とすれば、今回はホールそのものの再現でしょうか?また、以前は楽団や演奏者の違いを感じることが出来たのが、今回はどのホールにおいてどこで聞きながら楽団や演奏者の音楽を聴いているのかがわかるくらいの違いがあります。

前回から引き続き、今回もGRFさんのアプローチと再生音、そしてCDに刻まれた真実を知ることが出来た一日になりました。どうもありがとうございました。 チューバホーン


チューバホーンさんに、コンシーケンスまた鳴らし出しましたと、ご連絡したのは、11月の中旬でした。入力系が変わったので、四年前とは同じポジションにしても、同じ機器を使っても、あの「神が舞い降りた」という音は、すぐには再現されませんでした。低域が薄く、高音がきつい音しかでなかったのです。でも、試行錯誤をして音が変化する度に、Oさんに来ていただき、検証をお願いしました。一回目は、左右のSPからバラバラに音がでていると言われました。その通りです。その間の音が、なかなか埋まらないのです。床に残した以前のマークに頼りすぎていたのかもしれません。使う機材も、四年前にはなかった、新しいCD34Z改やemmではなく、HD1やMS-1を使って行いました。

また、同じ機材を使っても、部屋の条件が変わっています。最大の違いは、デコラの存在です。部屋に吸音材が入っているのと同じだからです。GRFもT4も端子間はショートして、コーン紙が余分な振動(吸収)をしないようにしていますが、GRFの間に大きく存在しているDECOLAの影響を無かったわけにはできないのです。

それらの条件は、コンシーケンスの位置調整に大変デリケートな影響を及ぼしました。ほんの少しの差が、大きな違いとなるからです。毎日、聴くときに微妙な位置のずれを修正しなければならないからです。

こんばんは。今頃はすすきのあたりでしょうか?コンシーケンス、楽しみに待っています。ちょっとOさんばかりじゃずるいですよ!!!!さて、コンシーケンスのような超絶技巧のようなもんじゃないんですが、家のランカスターも至上最高の音がして来ました。この部屋で聞くのが最後のシーズンかも知れないので、やはり最後はSD05とMS1で勝負します。

声を掛けておきながら、Oさんばかりを呼んで、私を呼ばないのはけしからん!というお叱りのメールを頂きました。呼ばないのではではなく、まだお呼びできないのです。チューバホーンさんにこの段階の音を聞かせたら、絶対、どこが進化したのだと言われるからです。Oさんは、共同製作している関係者さんなのです。絶対耳をお持ちのチューバホーンさんにお聴かせするには、まだ早いと、思っていたからです。いわば通し稽古が終わっていない段階で、通のお客さんを呼べないからです。チューバホーンさんをご存じの方は、お判りいただけるでしょうが、彼ほど、微細な音の変化を指摘できる人は少ないですね。

私自身が、試行錯誤をしている段階で、一番怖いお客様を呼ぶことは出来ません。それが、彼のお叱りの言葉となって表れたのです。北海道から戻ってきた日は、耳がダメなので、そのまま寝たのですが、明くる朝、SPの前で、またやり残したことに気がつきました。これも、恐らく正解手ではないのでしょうが、検証して、潰しておかなければならなりません。それは、SPを細かく動かして調整しているばかりではなく、大きく動かして検証することです。

「SPに位置について」と「SPのセッティング平行法」にも書きましたが、その他の位置での検証です。思い切って、SPを部屋の真ん中まで持って来て、聴いてみました。当然音も前に来て奥行きが出て来ます。そして、その音を確認して、前の音と比較します。そこから少しずつ下げていったのです。前後の違いにより、一律に変化するのではなく、良い点と面白くない点が交互に現れます。左右の間隔と同じですね。

そうして、少しずつ戻していき、最後は、以前の位置より、2ミリ程前に来たところで好みの音になって来ました。細かい調整はしていないけれど、大体はあっています。ここから先の微調整は、チューバーホーンさんの前でやってみようと思ったのです。そこで、最後の追い込みをしないけど、まあまあのところまでは、合わしたつもりでしたが、その音では?と、はっきりとチューバーホーンさんのお顔に表われていました(笑)。毎日このレヴェルで、神経を行き届かせて生活をされているからでしょう。気配を感じる能力が、やはり飛び抜けています。

そこで、最後にやり残した、微調整=左のSPを2mmほど後ろに下げ、右のSPを2mm程全体に内側に寄せ、しっかり平行を確認して、最後にほんの少し、0.5mm程、左側のSPを内向きにしました。この最後のほんのひとさわりで、音がぴたりとまとまったようです。さっきまで、きつい音を出していた装置が、0.5ミリの調整で、がらりと展開したように舞台が変わるのです。それを、後ろで聴かれていたチューバーホーンさんも、テスト盤のマーラーを掛ける前から、納得されていました。

この最後の調整を、チューバーホーンさんの前で行い、その差が、本当に僅少差だと言うことを理解して貰て良かったです。そして、いよいよ音楽が鳴り始めました。私も、チューバホーンさんの明るくなった顔を拝見して、ホットしていました。




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