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Channel: GRFのある部屋
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楽しみ、それとも・・

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ようやく、GRFのある部屋に帰ってくると、コンシーケンスとの格闘技が待っています。気位の高い貴婦人は、二三日放っておくと途端にご機嫌を損ねます。そこで、登場するのがウィーンの貴婦人?リタ・シュトライヒです。彼女が中央にすくっと立ち、微笑みかけてくるか、硬い表情で歌っているか、どのあたりに立ってくれるか、このモノラルの彼女と向かい合わなければなりません。彼女が、表れてくると、コンシーケンスが、途端に艶然として、ゆったりとした表情を浮かべるのです。
 下の写真で、左側のSPが少しだけ、中央に寄っているのが解ります?

その美女に抱きつき、両方のSPを3mmぐらい前へ、左側のSPを中央に平行移動を2mmほど、そして久しぶりに右側のSPを気持ち、外側に向けて、微妙に内向きだったのを解消しました。左右のSPの間隔は、大変微妙で、ほんの少しでも離れると、左右がバラバラになり始めます。あたかも、アーチ型の橋が、掛け渡されるように左右が融合すると、低域も充実して、音楽が鳴り始めるのです。

何回となく繰り返してきた、この手順をその都度して、音のバランスを整えます。出張中に地震があった場合は、必ずこの儀式を行わないと、あのコンサートホールの豊かな響きが出て来ません。それほど、微妙な調整だとも言えましょう。大体あっているのと、ピッタリ合っているの差は、すべてが違って聞こえるほどです。合っていない双眼鏡は、ただ拡大して見えるだけですが、すべてあったときには、対象物が、活き活きと空間に浮かび上がります。自分の脳のなかでピントが合うのですね。それと同じだといつもお話ししているのですが、見ようとしなければ、見れない、偶然では表れない世界なのです。
 
後ろのデコラには、お布団を被って寝て頂きました。あの質量と優雅なカーブが音の反射に影響しているようです。高域の反射で、音が縞模様になります。反対側にでも動かせればいいのですが、これが大変な作業になります。ピアノと同じ200キロ有りますから、相当な覚悟が無いと動かせません。今週前半に、極めて神経を使うSPの運搬もしているので、今週は重いものを動かしたくないのです。最後に、左右とも、2mmほど前に来てもらいました。この差で音場が、ひらけるから、楽しいです。

調整が佳境に入ってくると深夜です。羽田からヨーロッパ行きの深夜便が真上を通っていきます。滑走路が増えてから、このあたりをとおる飛行機が、格段と増え、昼間は途切れることはありません。ソウル、福岡、出雲方面行きです。その意味でも、家も二重窓にしなければと思っています。

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