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Channel: GRFのある部屋
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ABBADOのBeethoven

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最初にABBADOを聴いたのは、かれのウィーンフィルのデビュー盤のベートーヴェンの交響曲第7番でした。1967年頃だったと思います。実にはつらつとした演奏で、時代が変わったと思える彼にとっても記念碑的なデビュー盤になりました。ウィーンフィル特有の切れ味のよい音で、小気味良いテンポで進んでいきます。オーボエやフルートの鳴らし方が斬新でした。その手法は今も変わりません。彼の音楽の特徴はかれの棒の降り方一つでもはっきりと解ります。開放的で、ジャケットのバッカスが踊っているのがピッタリな演奏でした。
このレコードは、昔西銀座デパートの中に有った輸入盤専門店でカラヤンの「惑星」と一緒に買ったような覚えがあります。同じ頃ショルティの「バルトークの管弦楽のための協奏曲」も買ったように思うのです。英デッカの輸入盤は国産とはまったく違った良い音がしました。赤坂にあったFRの試聴室で、SONYのTA-1120でも聴いた覚えがあります。その頃デビューしたソリッドステートアンプは、数寄屋橋のSONYのショールームでは、カンカンの音がしていましたが、FRではしっかりとした良い音で鳴っていました。

Abbadoの演奏はとても特徴的です。はつらつとして音が透明で、常に前向きな音がします。イタリア的というのがピッタリと来る演奏ですね。その彼が、2001年にベルリンの常任を辞めるときに出したのBeethoven交響曲全集を昨晩は出してきて聴いてみました。以前掛けたときは、演奏が早いのと、音が軽くて敬遠していた盤です。少し後にでた、同じベルリンフィルでの全集とはまったく違う演奏なので、おもしろいのです。
Abbadoが指揮するベルリンもウィーンもピッチが高いように感じます。その音の高さも活き活きと聞こえる原因の一つかもしれません。

2001年の録音は、良い音がします。ケーブルも整えた、ユニコーンのシステムで聴くと、本当に低い音がしっかりと入っていて、ベルリンフィルの躍動感を感じることが出来ます。この頃は、24Bit/96KHzの仕様が確立した頃です。問題はそれをしっかりと再生できるかに掛かってきます。その意味で、このベートーヴェンが、しっかりと聞こえてこない内は、まだまだ調整の余地があると言えましょう。Abbadoの録音は、ほとんどが優秀録音です。指揮者の意志がはっきりと出ているからでしょう。いつでも若々しい音がしますが、今年で彼も80歳です。


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