昨年の暮れは、いつもにも増して年末まで飛び回っていました。ようやく落ち着いてきたのは、年賀状も送り終えて、大掃除も行った28日の夕方になってからです。夜になって、久しぶりにebayのTANNOYのコーナーを眺めていました。といって、もう購入するものはないのですが、数年来片割れとなっている、コーナーランカスターを探しています。この数年の間にシングルのコーナーランカスターが二度ほど出品されたのですが、一度は、競り負け、一度は、海外出張中で回線が繋がらず見送ったことがあったからです。自分で使うつもりはないのですが、シングルのまま、玄関のオブジェになっているだけでは、可哀想ですから。
仕事が終わった開放感から、夕方にはお正月用に取り寄せたワインの味見?をはじめていました。少し気持ちよくなった目に飛び込んできたのが、Tannoy rectangular GRF Loudspeakers fitted with mint 15" goldsという出品でした。少し前に比べて対ポンドは10円近く値下がりしています。Buy it Nowですから、クリックすれば即落札です。それを見たとき、もうワインを半分以上開けていました。年末の開放感もあり、気がつけばクリックして、数分後には、決済もしていました。ランカスターのペアーが3900ポンドもする時代に、信じられない価格なのですが、やはりコーナー型と違ってレクタンギュラーは人気がないのかもしれません。
翌日の忘年会が終了するとき、こらえきれずに昨日購入したと興味のある人に告げました。どこに置くの、という至極まっとうな問いにも、4本目のワインに手が着いてハッピーな私には、人生何とかなるさという気落ちでした。正月明けてからは、仕事もオーディオ訪問も一段と忙しくなり、文字通り忙殺されていてGRFのことは忘れていました。年末の話だから早くても一月末だろうと思っていたからです。輸送会社から連絡があったのは、今週の月曜日、通関したのが火曜日で、水曜日の朝には配達されていました。元払いで運ばれてきた荷物は、輸入諸費用と輸入消費税を支払ったら、車庫の中に黒のビニールパックされた現物がありました。慎重にその梱包をほどいて行くと、中から表れたのは、昨日つくられたようなレクタンギュラーGRFです。 一つ一つ、慎重に運び入れて、何はともあれ置くところがあるか、並べてみました。
何とかDecolaとGRFの間に収まることは収まりました。しかし、こうして並べてみると、我ながら壮観ですね。
しかし、肝心なのは音です。Monitor-Gold がつくられていたのは、1967年から1974年の7年間でした。少なくとも40年以上は経っていることになります。まして、長い間使われなかったのであろうし、この寒さの中、運ばれてきたのです。しばらくは、馴染まさなければいけません。小さな音で音楽を掛けて置きました。
夕方、仕事が終わってから、今度は少しボリュームを上げて聴いてみると、少しずつ目覚めてきたようです。柔らかな音です。内部を見てみると、Monitor-RedのようにSPは偏芯しては居らず。中央に配置されています。なぜ、Redの時代は左に偏芯して着いていたのか解りません。ネットワークは、ホーンの中に取り付けられています。
このGRFの構造は、キャビネット中に今ひとつホーンが入っているという二重の構造で、一見薄く見えるキャビネットの厚さは、合計では35mmも有ることになります。見かけより遥かにしっかりしているのです。
夜になって、知らせをうけたA氏さんが、お祝いの白ワインを持って駆けつけてくれました。二人でちびちびやりながら、早速試聴です。Monitor-SilverのGRFをお持ちのA氏も満足そうな顔になりました。盛んに頷いています。Tannoyはこうでなくては、とつぶやいています。非常にきれいで柔らか響きです。最初は、ただ置いただけで慣らしていたのですが、音がほぐれてくるとやはりピントを合わせようと言うことになり、簡単ですが合わせてみると、奥行きが出て音が立体的になります。
気がつけば、ワインは空き、夜も10時をすぎていました。調整をしながら、下にカーボンを敷いたり敷かなかったりの実験もしていたので、ドタン・バタンと家中に音を響かせていたらしく、家族からクレームが入りました。もっともなので、移動は止めて音楽に専念しました。レコードとテープが中心です。最初の日としては、上々です。A氏もご機嫌にかえられました。
明けて今日の夕方には、psdの大山君が早くも駆けつけてくれました。別のプロジェクトの打ち合わせに来てくれたのですが、そっちのけで、新しいGRFと少しだけDecolaも聴いていただきました。昨日は、レコードとテープだったので、今日は、HD1からのデジタル入力で、タンノイにはめっぽう強いSD05で鳴らしてみました。途端に凄い音場が出現。そこで位置も"Consequence"の位置に移動すると、後ろに広大な音場が展開します。それには大山君もビックリ。散々長岡式バックロードホーンを作ってきた彼も聞いたことの無い音に驚いていました。私も同じです。この位置はこの部屋のベストポジションですから、良い音がして当たり前なのですが、音色もHartleyの見通しのよい音になり、実在感が今までのTANNOYとは違うコンシーケンスやハートレーの音色が出てきたのです。
久しぶりに聴く、HD1とSD05の組み合わせもこの音場構成には一役も二役も担っていますが、しっかりとしたバックロードホーンの凄さを改めて認識しました。二人で話し合ったのは、DecolaもこのGRFの50年間も前の製品です。音楽を聴くのには、何の過不足もありません。どうして今のような方向に走ったのか。何故、音楽観賞用ではなく、モニターSPの方向に向かっていったのか?その大きな疑問を投げかけてきます。日本のオーディオシーン、そしてそれを世界に輸出していった方向が、どうやら間違っていたようにこの音を聴くと思うのです。
私は、その道にいく前の音を追い求めているのかもしれません。そして、その方向に今でも向かっているのが、和室で愛用しているUNICORNなのでしょう。部屋を選ばないという大きな利点があるのですが、通常のオーディオ店ではその真価が見いだせないのかもしれません。
大山君が帰られたあとも、次々といろいろな音楽を掛けて見ました。とはどんどん繊細に柔らかく展開していきます。HD1のハードディスクに入っている様々な分野の音楽を掛けましたが、すべてが聴いたことの無いような音であるのです。分野を選ばないのが凄いです。ケーブルもこの時代の線に変えて、位置も微調整すれば、もっともっとよくなっていくでしょう。当分、実験は続きます。
いやいよ、英国スピーカー博物館見たくなってきましたね。しかし、コーナー型を聴くときには、どこに片付ければ良いのでしょうか(笑)。
仕事が終わった開放感から、夕方にはお正月用に取り寄せたワインの味見?をはじめていました。少し気持ちよくなった目に飛び込んできたのが、Tannoy rectangular GRF Loudspeakers fitted with mint 15" goldsという出品でした。少し前に比べて対ポンドは10円近く値下がりしています。Buy it Nowですから、クリックすれば即落札です。それを見たとき、もうワインを半分以上開けていました。年末の開放感もあり、気がつけばクリックして、数分後には、決済もしていました。ランカスターのペアーが3900ポンドもする時代に、信じられない価格なのですが、やはりコーナー型と違ってレクタンギュラーは人気がないのかもしれません。
翌日の忘年会が終了するとき、こらえきれずに昨日購入したと興味のある人に告げました。どこに置くの、という至極まっとうな問いにも、4本目のワインに手が着いてハッピーな私には、人生何とかなるさという気落ちでした。正月明けてからは、仕事もオーディオ訪問も一段と忙しくなり、文字通り忙殺されていてGRFのことは忘れていました。年末の話だから早くても一月末だろうと思っていたからです。輸送会社から連絡があったのは、今週の月曜日、通関したのが火曜日で、水曜日の朝には配達されていました。元払いで運ばれてきた荷物は、輸入諸費用と輸入消費税を支払ったら、車庫の中に黒のビニールパックされた現物がありました。慎重にその梱包をほどいて行くと、中から表れたのは、昨日つくられたようなレクタンギュラーGRFです。
しかし、肝心なのは音です。Monitor-Gold がつくられていたのは、1967年から1974年の7年間でした。少なくとも40年以上は経っていることになります。まして、長い間使われなかったのであろうし、この寒さの中、運ばれてきたのです。しばらくは、馴染まさなければいけません。小さな音で音楽を掛けて置きました。
夕方、仕事が終わってから、今度は少しボリュームを上げて聴いてみると、少しずつ目覚めてきたようです。柔らかな音です。内部を見てみると、Monitor-RedのようにSPは偏芯しては居らず。中央に配置されています。なぜ、Redの時代は左に偏芯して着いていたのか解りません。ネットワークは、ホーンの中に取り付けられています。
このGRFの構造は、キャビネット中に今ひとつホーンが入っているという二重の構造で、一見薄く見えるキャビネットの厚さは、合計では35mmも有ることになります。見かけより遥かにしっかりしているのです。
夜になって、知らせをうけたA氏さんが、お祝いの白ワインを持って駆けつけてくれました。二人でちびちびやりながら、早速試聴です。Monitor-SilverのGRFをお持ちのA氏も満足そうな顔になりました。盛んに頷いています。Tannoyはこうでなくては、とつぶやいています。非常にきれいで柔らか響きです。最初は、ただ置いただけで慣らしていたのですが、音がほぐれてくるとやはりピントを合わせようと言うことになり、簡単ですが合わせてみると、奥行きが出て音が立体的になります。
気がつけば、ワインは空き、夜も10時をすぎていました。調整をしながら、下にカーボンを敷いたり敷かなかったりの実験もしていたので、ドタン・バタンと家中に音を響かせていたらしく、家族からクレームが入りました。もっともなので、移動は止めて音楽に専念しました。レコードとテープが中心です。最初の日としては、上々です。A氏もご機嫌にかえられました。
明けて今日の夕方には、psdの大山君が早くも駆けつけてくれました。別のプロジェクトの打ち合わせに来てくれたのですが、そっちのけで、新しいGRFと少しだけDecolaも聴いていただきました。昨日は、レコードとテープだったので、今日は、HD1からのデジタル入力で、タンノイにはめっぽう強いSD05で鳴らしてみました。途端に凄い音場が出現。そこで位置も"Consequence"の位置に移動すると、後ろに広大な音場が展開します。それには大山君もビックリ。散々長岡式バックロードホーンを作ってきた彼も聞いたことの無い音に驚いていました。私も同じです。この位置はこの部屋のベストポジションですから、良い音がして当たり前なのですが、音色もHartleyの見通しのよい音になり、実在感が今までのTANNOYとは違うコンシーケンスやハートレーの音色が出てきたのです。
私は、その道にいく前の音を追い求めているのかもしれません。そして、その方向に今でも向かっているのが、和室で愛用しているUNICORNなのでしょう。部屋を選ばないという大きな利点があるのですが、通常のオーディオ店ではその真価が見いだせないのかもしれません。
大山君が帰られたあとも、次々といろいろな音楽を掛けて見ました。とはどんどん繊細に柔らかく展開していきます。HD1のハードディスクに入っている様々な分野の音楽を掛けましたが、すべてが聴いたことの無いような音であるのです。分野を選ばないのが凄いです。ケーブルもこの時代の線に変えて、位置も微調整すれば、もっともっとよくなっていくでしょう。当分、実験は続きます。
いやいよ、英国スピーカー博物館見たくなってきましたね。しかし、コーナー型を聴くときには、どこに片付ければ良いのでしょうか(笑)。