読響の正指揮者を卒業する下野竜也さんの最終公演を池袋の東京芸術劇場に見に行きました。月曜日の公演が評判よく、水曜日の公演の切符がまだ手に入ると聞いたので、WEBページを開いて空席を確認しながら、ベルウッドさんに連絡をして席を確保しました。先日、同じように席を確保してデニス・コジュヒンを一緒に聞いてからそんなには経っていないのですが。その前は、横浜での都響のインバル3番をご一緒しました。インバルといえば、この東京芸術劇場で、マーラーの第5番を聞いたばかりです。その時のマーラーではステージに溢れんばかりの大編成でしたが、今日のブルックナーは、16型(16・14・12・10・8人)の弦に対して、ホルン5、トランペット4の他は二管編成なので、ステージはがらがらの感じです。
先日のインバルと違って、オルガンを隠しているステージなので、オーケストラの響きに専念出来る感じで好感が持てました。都響のマーラーでは打楽器群が、オルガンの下に入る感じで、大太鼓やシンバルの響きがいまいちでしたが、今回の読響の打楽器、もっともティンパニーだけでしたが、のびのびと鳴らしていました。読響のティンパニストは上手いです。
下野竜也の指揮と演奏は見事でした。演奏前、十秒ほど会場の音が静まるのを待ってから、弱音のコントラバスのピチカートがスタートしました。ブルックナーは、オーケストラの全奏のあとの、休止符の美しさが際立ちます。左手を大きく横に振ってオーケストラを制御する指揮振りには感心ました。オーケストラも気合いが入っていて気持ちが良いです。私は出だしの第一楽章に一番感銘しました。二楽章も緊張感があり素敵でした。とても爽やかな、荘厳できれいな山の空気を感じます。よく練習された見事な演奏ですね。オーケストラの一体感が気持ちいいです。弦楽器は音は揃って清浄感はあるのだけれど、時としてシベリウス的に音が薄くなるのが気になりました。
緊張感を持続した名演で、終楽章のクライマックスのところがすこし、混濁しただけで一気に80分演奏しきりました。最後の音が消えない前にブラボーおばさんの声が響いたのは残念でしたが、名演でした。下野の棒は、常にオケをリードして、大変解りやすい指揮です。キャンバスの大きさも大きく、それを目一杯使って音楽を描いていく構成力にも驚きました。昨年聞いた、田部京子さんとのモーツァルトのピアノ協奏曲でも感じましたが、完璧な演奏です。弱音の部分の低音の支えが、コントラバスやトロンボーンでは無く、ティンパニーだったのも印象的でした。音量的には、チェロ、とコントラバスがあと二人づつ多ければバランスが合ったようにも思います。木管のソリスト達は、音色も演奏も見事でした。特に終楽章のフルートの安定感と素晴らしい音質。オーボエの柔らかさ、気合いの入ったクラリネットは素晴らしかったです。ホルンも完璧でした。下野氏の演奏は、読響だけではなくいろいろなオケとの組み合わせも聴けるので、これからも目が離せませんね。
苦言を少しいうと、トランペットソロの音色と弱音の演奏に緊張感が無く、リズムが崩れます。それと気になったのは、トロンボーンの1番の音の遅れです。音程が少し低く出るような感じで最後まで気になりました。それと、都響に比べると弦楽器の音に覇気がない、音程は合って破綻はないのだけれど、優等生的な弦楽器には少し残念です。オーディオ的にいうと、スーパーツイターが無い様な曇りがちな音色です。音量感が薄いのは、ひょっとしたら、このホールの音なのかも知れませんね。私的には、ブルックナーは東京文化会館で聞きたい感じもするのですが。
例によって、終了後は、近くの寿司屋で熱燗を重ねながら遅くまで感想戦を拡げました。ベルウッドさんは、生のブルックナーは初めてだそうです。中々演奏会でやらないし、曲目も地味ですからね。ベルウッドさんとの観賞はこの感想戦が楽しいですね。ん! お酒が沢山飲めるからだろうって・・・(爆)
先日のインバルと違って、オルガンを隠しているステージなので、オーケストラの響きに専念出来る感じで好感が持てました。都響のマーラーでは打楽器群が、オルガンの下に入る感じで、大太鼓やシンバルの響きがいまいちでしたが、今回の読響の打楽器、もっともティンパニーだけでしたが、のびのびと鳴らしていました。読響のティンパニストは上手いです。
下野竜也の指揮と演奏は見事でした。演奏前、十秒ほど会場の音が静まるのを待ってから、弱音のコントラバスのピチカートがスタートしました。ブルックナーは、オーケストラの全奏のあとの、休止符の美しさが際立ちます。左手を大きく横に振ってオーケストラを制御する指揮振りには感心ました。オーケストラも気合いが入っていて気持ちが良いです。私は出だしの第一楽章に一番感銘しました。二楽章も緊張感があり素敵でした。とても爽やかな、荘厳できれいな山の空気を感じます。よく練習された見事な演奏ですね。オーケストラの一体感が気持ちいいです。弦楽器は音は揃って清浄感はあるのだけれど、時としてシベリウス的に音が薄くなるのが気になりました。
緊張感を持続した名演で、終楽章のクライマックスのところがすこし、混濁しただけで一気に80分演奏しきりました。最後の音が消えない前にブラボーおばさんの声が響いたのは残念でしたが、名演でした。下野の棒は、常にオケをリードして、大変解りやすい指揮です。キャンバスの大きさも大きく、それを目一杯使って音楽を描いていく構成力にも驚きました。昨年聞いた、田部京子さんとのモーツァルトのピアノ協奏曲でも感じましたが、完璧な演奏です。弱音の部分の低音の支えが、コントラバスやトロンボーンでは無く、ティンパニーだったのも印象的でした。音量的には、チェロ、とコントラバスがあと二人づつ多ければバランスが合ったようにも思います。木管のソリスト達は、音色も演奏も見事でした。特に終楽章のフルートの安定感と素晴らしい音質。オーボエの柔らかさ、気合いの入ったクラリネットは素晴らしかったです。ホルンも完璧でした。下野氏の演奏は、読響だけではなくいろいろなオケとの組み合わせも聴けるので、これからも目が離せませんね。
苦言を少しいうと、トランペットソロの音色と弱音の演奏に緊張感が無く、リズムが崩れます。それと気になったのは、トロンボーンの1番の音の遅れです。音程が少し低く出るような感じで最後まで気になりました。それと、都響に比べると弦楽器の音に覇気がない、音程は合って破綻はないのだけれど、優等生的な弦楽器には少し残念です。オーディオ的にいうと、スーパーツイターが無い様な曇りがちな音色です。音量感が薄いのは、ひょっとしたら、このホールの音なのかも知れませんね。私的には、ブルックナーは東京文化会館で聞きたい感じもするのですが。
例によって、終了後は、近くの寿司屋で熱燗を重ねながら遅くまで感想戦を拡げました。ベルウッドさんは、生のブルックナーは初めてだそうです。中々演奏会でやらないし、曲目も地味ですからね。ベルウッドさんとの観賞はこの感想戦が楽しいですね。ん! お酒が沢山飲めるからだろうって・・・(爆)