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Channel: GRFのある部屋
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三月は実験機三号で

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二月の末に試験機として搬入された実験三号機は、一月経って音が安定して、ほぼ理想的な音が鳴り始めました。当初は、フィンランド・バーチの特徴である堅い音が勝っていましたが、一ヶ月間のエージングで、ネットワークのトランスの音が良くなり、足の調整も確立して、位置の調整が楽に出来るようになりました。その結果、絶好調だった"Consequence"の音を越える音が出て来ました。何よりも安定した定位が確保できたのが嬉しいですね。

しかし、新しいシステムを使いこなすのは難しく、今までの経験と、調整の技術が必要だと思い知らされました。最終的に鳴るポイントが如何に狭い範囲かと言う事も再認識させられました。私の目標はコンサートホールでの印象の再現ですから、そのポイントが見つかれば、スタジオ録音の方もそれなりに鳴ってくれるので、実況録音盤は、臨場感溢れる音が再現出来ていますが、電子楽器で合成された音は分かりません。最近のシンセサイザーを駆使したライブ盤を聞いても、デジタルエフェクトのアラが見えたりします。

この一月間の三号機の実験を振り返ってみますと、前期・中期・後期の三段階に分けられるようです。その前の二号機までは、40のシングルDDDでならしていましたが、三号機からは80を導入して新たな実験を開始しました。40と80では音圧も音の出方もまるで違います。ダブルスタックだから音圧は、1.5db上がりますが、音の出る場所も違います。

前期は、その為の位置探しからはじめました。そして、その晩には、最適と思える場所を見付けて、すぐに近くのOさんに来ていただきました。そして、二号機を使われているHさんも日曜なのに駆けつけてくれました。月曜日の夜も訪問は止まらず、開発者の大山さんが、チューバホーンさんと訪れてくれました。いつもは,辛口なチューバホーンさんも、"Consequence"の4倍の音だと褒めていただきました。この時のラインアップは、送り出しは、CD34改に工藤さんのプリですから、工藤サウンドですね。少し辛口ですが、音は正確です。

中期は、Bellwoodさんの訪問から始まりました。低域の考え方が、私の様に盛大に出すのではなく、控えめだけれど正確さを追われる方なので、その違いが、意見の差になって出てこられます。時として、そのご訪問に畏れてしまうのか、装置の調子が悪くなることが、何回か有りました。今回は、大丈夫だと思っていたのですが、当日、お向かいの外壁工事の日程が遅れて、土曜日の日も工事音が鳴り響いていました。時間を送らしてきて頂いたのですが、音出しした頃には、後片付けをまだされていて、その騒音が、歪みとなって聞こえたようです。

出発点が、少しでも狂うと安全飛行は出来ません。まさしく『負のオーラ』が出まくりで弱りました。普段なら、美味しいお酒を出して、寝技に引き込むのですが、その日は翌る日の早朝に会社のゴルフがあり、深酒は出来ないという緊張状態でした。

首をかしげられたまま、お帰りになる後ろ姿を見て、今までの幸せな気持ちが飛んでしまい、それから不振の原因の調査になりました。いまから考えると、工事の影響等で、位置のポイントが決まらず、その前までの音とは違った、少し緊張気味の音だったようです。結局、ご感想も書いて貰えないぐらいで、落ち込みました・・・
 
日曜日、不安定さの原因を考えました。一つには、やはり位置調整の自信の無さです。スイートスポットに入っていなかったのです。見た目には合っているのですが、音が歌わない、萎縮しているのです。Bellwoodさんのオーラに負けたのでしょうか(笑)。でも良い音がしていないのは事実なので、その原因を一つ一つ潰していきました。位置の再調整です。最初からやり直しました。そして、大きな音がなったときに異音が鳴っていた原因調査をして、スクリーン用のスタンドを部屋の外に出しました。これだけで、部屋の圧迫感、左右の違いが少なくなります。終日再調整をして、疲れ果てて、和室のユニコーンに癒されました。

月曜日は、所用があり、夕方から雨の秋葉原に出かけました。駐車場に車を入れ、久し振りに秋葉原の街を歩きました。10年振りぐらいでしょう。カツサンドでも買おうかと、万世橋のお肉のお店に行ったら、一階がすっかり模様替えになっているのも、秋葉原のお客の構成が変わったからだらと理解しました。雨がひどくなり、近くの名物おじいちゃんのお店で、大道将棋見たく実力のある音を聞きました。力業です。美味しいところだけを聞かせていて、デモで掛けられる曲は、直前に聞かせどころを説明されます。勢いその点ばかり聞かされることになります。

裁判だったら、『裁判長!異議あり!それは誘導尋問です!」と叫ぶところです。クラシックはほとんど無く、聞かされたのは、アンセルメの三角帽子でした。昔、良く聴いた懐かしい音がしましたね。これで、価格が適正だったら、オーディオファンではない音楽愛好家に勧められるのですが、そこが残念です。しかし、何十年もこの道で食べてきたおじいちゃん社長の迫力は満点で、落ち込んでいた自分も元気になりました。

それから、Hさんのお宅で、成熟してきた二号機の音を聴かせて頂き、微調整を行いました。それはピッタリと決まったようで、Hさんにも喜んで頂き、我ながら気持ち良かったです(爆)。Hさんの隠れ屋も、要らないSPの整理が進み、部屋の音も良くなって来ました。私の部屋も、まずは整理整頓だと、気持ちを新たにしました。

つづきます・・・

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