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Channel: GRFのある部屋
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Hさんの熟成してきた音

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今週は、変則的な秋の連休の週ですが、例年のごとく、また例年以上に雨が続きました。先々週の週末満員の北海道から帰ってきたら、チューバホーンさん、お墓まいり、雨の銀座ヤマハホールのタカーチ弦楽四重奏楽団、電車に乗っての夜香さんの訪問と予定が連日つづき、なかなか秋葉原のHさんのところにお邪魔できませんでした。前日、夜香さんからのお宅から帰り道、送って頂いたAionさんお車のなかで、酔っ払って寝ていると、大山さんから連絡があり、無事に特注ラックがHさんのお宅に入り、音が良くなったと連絡を受けました。

翌日の夕方もまた雨。週末の夕方の雨の電車は大変なので、車で向かいました。まだ仕事の時間帯ですから、打ち合わせをしながらいくと、いつの間にか秋葉原に着いていました。神楽坂から新しく出来た道で、後楽園を突っ切り、そのまますすむと秋葉原のHDXビルの横に出ていました。むかし、青果市場の跡地の駐車場時代はよく秋葉原に車で来ていました。その頃はここに車を停めていました。もう二十年以上前の話ですが・・・Hさんの隠れ家は、そこからほど近いマンションの中です。

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待ちわびていたHさんにすぐに案内されると、部屋の中央に昨日入った大きなラックが鎮座されていました。家の和室で使っているマグネフロートを組み込んだラックです。大きさはGRFの部屋の方の機器類が三台並ぶ大きさのラックに、フローティングボードを組み込みました。Hさんの要望で、ラックの板厚を倍の60ミリにしてあります。ラックの天板の形状は、薄く見えるように工夫をしてありますが、本当の厚さは、二段目に入っている厚い板の厚みです。凄いですね〜。Hさんは音がまったく変わったと興奮気味です。私も、その出来映えを見させていただき、このタイプにしないと行けないと思いました。

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早速音を聞かせて頂きました。ほう〜、これは変わりましたね。音の深みが増し、ステージの実在感が一気に増えています。やはり左側のラックに入れていたときは相当音が引っ張られていたのでしょう。床からのフィードバックが減って、音の精度が格段い上がりました。上部のフローティング部は見えている部分は薄いのですが、実際は30ミリ以上もあるしっかりとした合板です。それをネオジウムの強力な磁力で浮かしています。今回は30キロの負荷に耐えられるように磁石の数も増しているそうです。二段目の棚にもそのフローティングが入っています。詳しいお問い合わせはPSDの大山さんに聞いてください。私も作っていただかなければ!

この状態でしばらく聞かせていただくと、やはり中央にきたラックのおかげで、より正確な音場の再現が可能になってきました。いままでの左のラックに合わせていたSPの位置調整を見直さなければなりません。思い切って左側のSPを20mm程前に持って来ました。 大きな調整値です。そして、右側のSP都の位置を微調整します。それと、Hさんが用意してあったシャンパン用の高級なコルクを輪切りにして、トラバドールの下に敷いてみました。やはり、これが変わりました。再度微調整をして聞くと、驚きました。ほとんど私のところと同じ音が出て来たではありませんか!音量を上げると部屋の定在波の影響が出て来ますから、いままでより一時間ぐらい小さな音量設定で聞いてみました。

12時前後の音量でも音が浸透してきます。家で苦労して開発してきた同じ音が、そのまま再現されているのは、開発者としては最大の喜びですが、個人としてはとても複雑な思いです(涙)。50年間培ってきた全ての経験とノウハウが、寸分も違えず再現出来ているからです。Hさんの追い求め方は理想的です。自分がこれと決めたら迷わず、その通りにやってみる。弟子入りして師匠のやり方を学び・盗むことが最良の方法なのです。emmのCDプレーヤーとDAC。シンプルなSD05の採用。そして私と大山さんで一年がかりで開発してきたTW3。それらを迷わず模倣をして、一つずつ自分の身につけ、その中から自分の音を見付けていくという事を実践して短時間の間に、わたしの50年分のノウハウの結果を得たわけです。

定番のCDをいろいろと掛けてみました。あまりにも家の音と同じなので、Hさんは喜び、わたしは複雑な気持ちでした。良い面もあります。うちより部屋が反射するので、小さな音量でも朗朗と鳴ります。反面、音量を上げすぎると部屋の定在波が鳴り始めます。とくに地下ピットの共鳴振動が聞こえてしまいます。でも、家でなっているSD05より良い音がしています。SD05のファンは一度聴いて欲しいほどです。

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GRF様

本日は、本当にお忙しい中、わざわざ秋葉原まで、来て頂きありがとうございました。

昨日、SD05用のテーブルが大山さんに作っていただいたものが出来上がってきました。写真のように、スピーカーの前にやっと設置することが出来ました。天板は6cm厚、天板上にリラクサのようなマグネットのフローティングしている3cm厚のものが組み込まれています。完全なオーダーメイドです。下の段には同様のフローティングセットが2個設置してあります。それぞれ、SD05、emmのCDプレーヤー、LINNのKlimax 、IOデーターのハードディスク、下段には、emmのDAC、PCオーディオの電源を配置しました。

以前、左のスピーカー側のオーディオラックに全て設置していたのですが、スピーカーの前に持って来たことで、まず、音が変わりました。当たり前といえば、当たり前何でしょうか。それから、天板厚6cmの完全オーダーメイドのテーブルに機器を設置したことで、まず、音の安定感が得られました。さすがに、天板厚6cmの威力はすごいです。特筆すべきは、ピレスのモーツァルトが、今まで、ピアノの弦がむき出しの音のように聞こえていました。それは、それなりに、生々しいピアノの音でした。しかし、このテーブルの上に設置したことで、ピアノの響板や側板などのピアノ全体の響きが出て来ました。実在感が違います。

私としては、これで完璧と思っておりましたが、GRFさんに本日来て頂いて聞いていただくと、開口一番、左が、奥に入っている、少し調節しましょうと、いつものように、スピーカーの調律をやって頂きました。到底、私には、そのような現象すら掴めていませんでした。何とのんびりした聴き方をしていたものかと、反省致しました。

GRFさんが来てくれたこのチャンスを待っていた私は、すかさず、シャンパンのコルクを差し出しました。トロバドールの下にコルクを敷くためです。約2mmにカットしていただいた物を、トロバドールとウーファーの間に敷きました。それは、GRFさん宅の音は、このコルクによって、凄まじく音の改善がなされたとの事であったためです。そのため、この日の来るのを待っておりました

そして、この時、トロバドールがなっている時に触って、いろんなところが振動している事に気付きました。そんな単純な事が今まで、なぜ、分からなかったのか。その制動が、音の改善に繋がることは当たり前ではないか。その事に考えが至った時、自分がいかに、漫然と音楽を聴いていたか、思い知らされました。

もう一度、ピレスのモーツァルトを聞きました。今までも、生々しい音でしたが、よく考えてみれば、色彩で言えば、モノトーンの白黒の映像を見ていたようでした。なぜなら、このコルク敷く事で、色彩の鮮やかな画像に変化したからです。こんな綺麗な画像がくっきりと映し出される音を聞いたのは、初めてでした。いや、今、最高のピレスを聞けております。

次に、シュライヤーの冬の旅をを聞きました。もう、そこには、等身大の彼が、我が家に来て歌っているではありませんか!音楽を聞くのにこれ以上の何が必要と言うのでしょうか。

思えば、私は超ラッキーでした。GRFさんを、Sさんに紹介して頂き、GRFさん宅の音楽に驚嘆し、その音楽への情熱、努力を垣間見て、その音楽の世界に近づきたい一心でここまで来ました。今のこの家の音は、GRFさんも認めてくれました、GRFさん宅の音がしていると。私は、GRFさんの弟子として言われることをほぼ実行して、多大なご指導、ご協力を得ながらから、ここまで来ることが出来ました。GRFさんの長いオーディオ人生の究極の結果を共にさせて頂けて、オーディオ人生を堪能させて頂いております。この場をお借りして、GRFさん、Sさんありがとうございました。今後とも、よろしくお願い致します。

H

私もとても嬉しいですね。同じ音が別のお宅でも再現されていることは、再現性があると言う事ですから、普遍性を証明していただきました。しかし、同じ機器を揃えても、そのままでは同じ音は再現しません。最後の調整をどの様にするかを考えています。

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