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Oさんと6336Aを聴く

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暑くなってきましたね、最近は、気持ちの良い五月晴れという言葉が、無くなってきました、桜が終わると即、夏がはじまります。花粉症でぐずぐずして、最後にこじらして風邪を引くというのが、最近の春のシーズンの終わり方です。気がつくと、夏になっているのです。アンプが、新しくなって困るのが、真空管からの発熱です。今度の6336Bは、もともと安定化電源用なので、発熱も半端ではありません。クーラー無しでは、到底聴けない夏になりそうです。

三号機がきたO君が、実験用に6336Aを持って遊びに来ました。6336Aは勿論Bの前のタイプですから互換性はあります。球の大きさは、背が低く、横には少し大きいようです。ガラスの厚さも頑丈ですね。6336Bの大きさは、KT88ぐらいですが、6336Aの方はその意味では、KT66ぐらいの大きさですね。差し替えて聴いてみました。音も同じ印象で、最低音の出方が少しこじんまりしています。全体に真面目な音がします。6L6見たいな印象と言えば解るでしょうか?アンプに刺さっている方が、6336Aです。

元に戻すと、スケール感が一回り大きくなります。勿論、このアンプは6336Bを前提に作ってありますから、Bの方が楽に音が出るのは、当たり前なのですが、球が無いときには、充分代用に使えます。構造も殆ど同じですが、プレートとガラスの支えの数や、ベースの材質が違う様です。ガラスの形状や厚さも微妙な違いを生んでいるのが確認でき面白いですね。

実験の後は、DACのソフトが変わった音や、バイアス電流の調整範囲を変えた音の違いなどを聞いていただきました。同じアンプを持っているからこそ、交わせるディープな会話です。このアンプは、Oさんの情熱が無ければ生産は、難しかったのです。是枝さんに製作して貰うと決めてからも、幾多の困難があったのを乗り越えてきて、今日のこの音があるのです。

Oさんから送られてきた内部の写真です。是枝さんのアンプ独特の部品の選択、配線の妙、独創的な回路構成どれ一つ取ってみても、特別なアンプですね。

定点観測をされているOさんの今回のEMMのソフト変更の音を聴いていただきました。やはり細かい音の再現性や、スケール大きさが、二回りぐらい大きくなっていると、私と同じ感想です。いま聴いているCDの音は、とてもCDの音とは信じられないと思います。でも、ここまで、CDが鳴るのだということが証明出来て、1982年のCD誕生以来、この様な音の実現を目指してきた身には感無量ですね。その最初に発売されたCDを今再生すると、どれほどの音が最初から入っていたかに驚き、感動します。

この音に乾杯だ!と言うことになり、まだ少し若かったけれど、とっておいたワインを開けて、楽しい晩になりました。





連休後半訪問記 青葉台の i さん邸

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連休の楽しみは、お花が満開の i さんのお宅を訪ねることです。最初の訪問記は2008年の5月でした。二回目は、2010年の5月にも、写真を撮りに伺いました。そして、去年もお邪魔しました。今年は、桜もそうでしたが、二週間ほど花の時期が早いようです。例年なら、満開の白いハナミズキも機能の風で散ったそうです。

いつもは、庭一杯に咲いている花も、散ってしまい,今朝はその掃除をされていたそうです。

去年、大幅に音が改善されてから、一年間で、大分音が熟成しました。去年は、二回程検査入院をされていましたが、今年に入っては、順調で、お年を全く感じさせない精力的な活動と、ますます旺盛な食欲は私どもも見習わなければなりません。今日も、朝は軽井沢におられて、午前中に戻ってこられたそうです。


お部屋の中のお花は満開でした。今日は、掛けていただいた曲は、ケルテスのシューベルトの交響曲、カラヤンの最後の四つの歌、シュライヤーのシューベルト歌曲、などです。モニターレッドのR.GRFからは、実在感のある低弦と管楽器が歌手の歌を支えて、リードしていきます。


二時頃、行きつけのお蕎麦屋さんに出かけるとき、空を見上げたら、今朝から押し寄せてきた湿度を含んだ、南風が夏がはじまったことを告げています。

行きつけのお蕎麦屋さんは、音楽家です。お蕎麦を頂いてからの演奏家談義の話は尽きません。

ようやく、お店を出て、path_mthny7205さんの運転で、彼の家へと向かいます。途中、明日お邪魔する横浜のvafanさんのお宅の側を通りました。明日も天気が良ければいいのですが・・・。

連休後半訪問記 pat_mthny7205さん邸 前編

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青葉台の i さん邸行きつけのお蕎麦屋さんで腹ごしらえをして、pat_mthnyさんの運転でお宅へ向かいます。位置的には、ちょうど真南で、12キロぐらいでしょうか?連休で混雑する幹線道路を避けて、裏道を伝って向かいます。お二人とも地元の方なので、渋滞無く到着しました。pat_mthnyさんのお宅にお伺いするのは、四年ぶりぐらいになります。

連休恒例の i さん邸の美しいお花を撮りがてら、この頃は全国区でご活躍する横浜のvafanさんのお宅と、pat_mthnyさんのお宅を梯子して、この四年間の進歩を確かめるつもりでした。ところが、お三方のご都合が合わず、結局4日の日に、 i さんとpat_mthnyさん。翌る5日の日には、横浜のvafanさんの訪問となりました。

お二方に、 i さんをご紹介してから、ご近所と言うこともあり、ときどき i さんを訪れて、レコードや音楽ばかりではなく、さまざまな芸術のお話しを伺っているそうです。i さんほど、芸術全般に掛けて詳しい方はそうはおられませんから、とても良い勉強になると思います。

pat_mthnyさんのお宅は、見晴らしの良い高台にあります。横浜の夜景やランドマークタワーが見れる事が出来ます。反面、大きなSPはどうして上げたのだろうか訝るぐらいです。そのお部屋に入ると、4年前とは随分と様変わりしていました。

四年前は、ウーハーがテクニクスの既成箱を利用して中をJBLのLE-14A、中低音がYLのM55Bにエール音響のEX-150Cのホーン、中高音がJBLの2426Jに2370Aホーン、その上にテクニクスのリーフツイーターを使用されていました。

それが、今回は、ウーハーが二回り大きくなって46センチ口径の2245Hと専用箱。中低音だけは、YLのM55Bにエール音響のEX-150Cのホーンは変わらず。中高音がダイアフラムが倍の100ミリ口径でネオジウム磁石の2450Jにホーンも一回り大きな2380Aに変わり、最高音がELACの360度指向性の4PI PLUS2を採用しています。大幅な変更ですね。

入力も、CDプレーヤーが、SONYのCDP-X5000だったのが、SACDも掛かるSCD-1に変わっています。これは今年に入ってからの変更だと思われます。プリアンプは、マッキントッシュのC-33が壊れたとき、私の愛用していたA&MのプリATC-2をお譲りしました。チャンネルデバイダーはSONYのTA-D88からアキュフェーズのDF-35へに変更されています。その変更時に部品が足らず困っていたときに、私の元にゴローさんから連絡がありました。

2012年03月26日
差出人 ゴロー

GRFさん こんにちは。
伝言のお願いで恐縮ですが 横浜方面で エールのホーンSPをお使いの方
アキュフェーズのデジタル・チャンデバを購入したようですが
3WAYでの使用ですので 余分なデバイディング・ユニットを
はずして使うように お伝えください。

DF35は、ユニットをF25を継承してスロット形式にした結果
電源部のスペースがきわめて切迫してしまい、
4WAYでフルにスロットを使用し かつ入力用のオプション・ボードをさすと
若干余裕がなくて 動作が不安定になることがあります。
次の世代のDF-45からは 基板を1枚にして改善されました。

2012年03月27日
差出人ゴロー

GRFさん
お騒がせしています。ユニオンお茶の水店で購入したと思われるのですが
吉祥寺ユニオンに 一台AI2-U1が刺さっているDF-35が中古で出ていますので それをはずして まわしてもらうのがよろしいかと思うのですが・・・

この後、直接ゴローさんに連絡するように伝言しました。というのは、ゴローさんは、ご自分と似たシステムを使って苦戦しているpat_mthnyさんのことを、私のブログで知って、以前からメールを貰っていたからです。

差出人ゴロー

GRFさん こんにちは。
GRFさんの日記を拝読して知ったのですが 下記ブログの方。
http://shigy65.exblog.jp/
自分の自作スピーカーと良く似たコンストラクションでとても興味深いです。
特に中音に使用されているカール・ホーンは、我が家で中低音に使用しておりますYLのホーンに近い大型のもののようで  私がこれまで耳にしたことのないものです。
よろしければ GRFさんにご仲介いただいて 一度聴かせていただけたらと思い、メッセージを差し上げました。 なにとぞ よろしくお願いいたします。

少し前にこの様な要請を頂いておりました。なかなかご紹介のタイミングが合わなかったところへ、上記の状況になったので、直接連絡取り合っていただく様にしました。しばらくして、ゴローさんが、pat_mthnyさんのお宅にお伺いして、聴けるように調整していただいたのです。ゴトーのユニットやYLのホーンを使っていらっしゃったゴローさんから見ると、同じ様なユニットを使って、自力で高い山を登っているpat_mthnyさんを弟分のように思われたのでしょう。

そのような経過があり、私としても、ゴローさんのアドヴァイスがどの様に活かされているか、興味がありました。昨年に、大病が発見され一月間入院をされたあと、あれほど、飲まれていたお酒を止められたので、私としては、少しさびしいのですが、体調はスッカリ戻られたようで良かったです。




連休後半訪問記 pat_mthny7205さん邸 後編

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そのような、ゴローさんとの深い思い入れもあり、その後、ご自分で調整されてきた音が、どの様になっているかが、今回の聴きたかったポイントです。最初は、フィッシャー・ディスカウ・ブレンデルのシューマン歌曲集でした。

スッキリと音像が立ち、フィッシャー・ディスカウ特有の声が、上に抜ける感じも見事です。ピアノは、少し瘠せていますが、これは音量のバランスだけですから、調整は難しくありません。良い音です。最近導入されたSONYのSCD-1の繊細な音も聴いていますね。しかし、ATC-2の柔らかな音が少ししません。

SP群は、以前の内振りから平行配置になっていて、音の位相もほぼ合っています。後は、各ユニット間の左右と上下のバランスを整えていけば、どうにかなると思いました。またSPの置いて有る位置も部屋の一番奥まで下がり、バランスも良くなっています。

まず、最初は、少し鳴りすぎているELACのスーパーツィーターのレベルを少し落としました。クロスは反対に15KHzから12KHzに下げて、音像を濃くしました。殆ど聞こえるか聞こえないかの音量です。ユニットに耳をつけても、このあたりのレベルは殆ど聞こえないぐらいなのですが、全体できくと音色が変わります。最もクロスオーバーのポイントは、12.5KHzだそうですから、15KHZから12KHzに落としても、ほんの少しの音量調整にしかなりません。その僅かな差が、全体の雰囲気をかえるのが面白いですね。

やる気になって来ました。

次は、中音の500Hz以上をそのまま受け持っている、JBLの強力ドライバー2450J+ラジアルホーンの2380Aのバランスです。実質上、このシステムを鳴らしているのは、500Hz以下を受け持っている46センチ口径の2245Hとこの中音ホーンの2ウェイだからです。この時点では、左側に音像が寄っています。小型のSPなら、大きい左側のSPを少し後ろに下げたり、右側のSPを気持ち内振りにして音像を中央に持ってくるのですが、大型SPを地震対策も兼ねてしっかり固定してあるので、ユニットは微動だにしません。そこで、チャンネルデバイダーのアッティネッターを利用して微調整してみました。

アキュフェーズのDF-35は、クロスオーバーやスロープ、ユニットのずれを調整できるデジタルリレーもできるマルチアンプ派には夢のようなデバイダーです。現在はより細かい調整が出来るDF-55まで進化していますが、実質上は、このDF-35で充分でしょう。それに、イコライザーのDF-48でもしっかりとバランスを整えているので、以前の音とは比べものにならないほど進化しています。

ですから、今回触ったのは、0.1dbづつ調整できるレヴェルコントロールだけです。0.1dbの音の差は、トントンコツコツで言うと、1mmぐらいの動きの変化でしょうか、それが足を痛くしないで行えるのですから、堪りません(爆)。

結果は、0.8dbも左右で違うレベルになりました。ここで、その下をそっと支える、YLのホーン側も調整していました。こちらは、大口径のウーハーと広い帯域をカバーするツイーターの間を保管するように使われています。オン・オフでは雰囲気が豊かになったり、瘠せたりする効果として現れます。そのレベルは、0.1dbの差で左を少しだけ絞りました。

これでかなり、音像は中央よりになりました。そこで、実際は難しいウーハーの調整を試みました。しっかりと12dbでクロスされているウーハーからは本当の低音だけで、レベル合わせが難しくなります。そこでスーパーツィーターをならしていただき、見えないウーハーの音像をあぶり出します。ここは問題有りませんでした。

でも、全体に元気が無い音なのです。それが不思議でした。見ると、音量の変化に伴いプリアンプの下に置かれているKORGのDSD用のADコンバーターのレヴェルメーターが光ります。繋がっているのですが、問題は、REC端子から繋がっているのか、プリとチャンネルデバイダーの間に繋がっているのかを聴いてみましたが、はっきりとした返事が、かえらなかったのです。ご本人は、イコライザーも繋がっているのだから、余り影響は無いと思われていたようです。

再度、聴きながらスーパーツイーターを元のレベルに戻しました。左側のツイーターの前に、CD棚の上のラジオに影響されているような感じなので、ラジオをツイーターから少し離して貰いました。

しかし、どうしても、音が活き活きとしていないのです。

今一度、KORGのADコンバーターがどの様に繋がっているかを聴き、それをバイパスして貰いました。

その途驚くべきことがおきました
音に力がみなぎり全体的に解放感が生まれたのです
これまでの音がどれほど押さえつけられていたかがはっきりわかりました 
by pat_mthnyさん

折角ののびのびとした、A&Mのプリの音が、KORGのアナログ経由で、チャンネルデバイダーヘ送られていたので、音に枠が科せられていたのです。それが無くなり本来のダイナミックレンジが復活しました。驚くほど良い音です。のびのびと、SP側全体が歌い始めました。ご本人もさぞ驚かれたことでしょう。そうなると気になるのは、左右の絵画です。特に右側のパネルは、丁度一時反射のところにあります。それを外して貰いました。一遍に音が大人の音になりました。柔らかな響きになっていきます。

そこで、再度、ツィーターとYLのスコーカーのレベル調整です。結果、ツイーターは左右同じに、スコーカーは僅か0.1dbの差まであってきました。またしばらく聴いた後に、左側の小さいけど立体的な絵画の額縁も外していただきました。これで、バランスは完全に整い、ヴォリュームを上げても違和感は無くなりました。

マーラーの第三番の第1楽章をリクエストしました。私がいつも聴いている音楽です。すごいスケールになりました。家のユニコーンを大きな部屋に持って来た音です。横浜のMさんのお宅で鳴るTroubadour 80と46センチダブルウーハーの大迫力に肉薄します。さすがに、JBLの46センチを大きな箱に入れ、マッキントッシュのアンプで鳴らしている甲斐があります。

調整の一部始終を聴かれていた i さんのご感想も、素晴らしいの一言です。壁一面にひろがる大オーケストラのダイナミックレンジが見事に再現されました。チャンネルデバイダーの使い方のご指導、この方向で間違いないから進みなさいと進言し、後押ししてくれたゴローさんの情熱が実を結んだと感じました。

私が、今日触ったのは、レヴェル調整だけです。その他のユニットの選定、配置、イコライザーのセッティング、各機器へのグレードアップそれらの効果が実を結び、今日のこの音に結集しました。今鳴っている音を、天国のゴローさんにも聞かせてあげたいと思いました。同時に、すこし、肩の荷も降ろせたかなと、安堵することが出来ました。

少し、日が翳り車の台数も減ってきた裏道を戻りながら、美しい谷間の緑を眺めて、病気から帰還されたお二人とこの様な素晴らしい音を聴けた良い日に成りました。pat_mthnyさんのご感想はどうだったのでしょうか?





連休後半訪問記 横浜のvafanさん邸

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翌日の子供の日は、またもや、東急田園都市線の下り電車に乗っていました。地下鉄半蔵門線からの4分間お遅れで、二子玉川で大井町から来る急行に待ち合わせできないので、約束の時間に遅れそうだと、焦っていました。結局、鷺沼であとから来る急行に乗り換え、目的地の長津田には、約束の時間の二分遅れで済みました。駅の構内では、vafanさんと、今日ご一緒されるお近くのWさんがお待ちでした。そこからvafanさんの車で、ご自宅まで走り、新緑に覆われた住宅街の真ん中のお宅に到着しました。

ご挨拶もそこそこに、早速聴かせていただくことにしました。一聴すると、ほぼあっているのです。これでも良いのではと思われますが、今日は、前に来られたチューバホーンさんや、Bellwoodさんから、ぴっちり調整してきてくれとプレッシャーが掛かっていますので、このまま帰るわけには行きません。

部屋は、実質7畳半ぐらいの大きさです。右側のSP側が、アコーディオンカーテンで、行き来が出来るようになっています。四年前に貰ったレイアウトと実質上はほとんど変わっていません。アコーディオンカーテンが、こちら側についたぐらいでしょうか?そのアコーディオンカーテンで、部屋の見た目は右左とも同じ様な感じなのですが、音響的には左右は随分と異なった響きになります。どうしても、右側の方が音響的な容量は大きいので、逆に左側の方が密度が濃くなり音が、左に寄り気味になります。今日も中央でお聞きすると左側に寄っています。

一緒に来られたWさんにも確認していただき、まず,中央に来るように調整を始めました。この様な場合、うしろの壁から何センチと言うことは、余り意味をなしません。部屋全体での音の密度を揃えることが大事です。とりあえず、おなじような音量感がするところまで、左側のSPを下げてみました。数ミリの単位ではなく、数センチ違います。さすがにこの位置までは、普通は下げれないと思います。位置的には、随分と違っているからです。しかし、そのあたりで左右の密度があい音離れがよく、楽に空気が動き始めます。窓を少しでも開けていればそのあたりの差は緩和されるのですが、お隣さんと近いので、そのあたりは気にされているそうです。

真ん中には来ましたが、左右の間隔が狭く少し、中央部が厚ぼったくなります。板目一枚分ほど、拡げて見ました。左右の間隔はステレオ効果には敏感に聴きます。音が繋がったり、離れたりするのです。具体的には、音が濃くなったり、薄くなったりを繰り返します。音が屈託無くなったところで一旦止めて、いろいろと音楽を聞いてみます。

このぐらいの狭さの部屋では、SPの位置は大変微妙です。大体があったら、こんどは精密に調整して行きます。右側を気持ち内側にして焦点を合わしていきます。どこか全体にソフトフォーカスなので、SPのカバーを外して貰いました。すると、今まで霞の中に隠れていた繊細で微妙な音が聞こえてきます。Wさんもこれは良い音だと言って下さいました。

このSPはトールボーイ型なので、本来は二アーフィールドの聴き方は向かないのですが、このSPは無理に低音を強調しているわけではないので、それほど、前にあっても気になりません。クラシックの音場の入っているCDには今の配置は効果的ですが、スタジオ録音で、人工的な響きを作っているのにはどうでしょうか。デジタル系には、グラフィックイコライザーが入っているので、一旦、外して貰いました。人工的な響きが消えて、自然になります。部屋の特性をそれでスムーズにしようという試みですが、そこにはどうしてもフィードバックする時間のずれが有ります。部屋が狭い場合はかえって不自然の感じがする場合があります。

今回の調整では、イコライザーは外して、スッピンで勝負して貰う事にしました。

調整を重ねていくと、すこしづつ音は合ってきて、細かい音が聞こえてきます。ボリュームを上げてもうるさくないし、大きくしても飽和しなくなります。何を掛けても、今までとは違った落ち着いた響きがでてくれば、調整も一段落です。

後は、レコードを出してきて、歌謡曲を楽しみました。レコードの調整も良くされており、ほんの少しだけ、インサイドフォーズをつよめてバランスを取ってみました。左右のバランスが取れると、音は陰影をまし、少しだけ低い音の再現性が良くなります。それを確認して、試聴会を終わることにしました。気がつけば、もう四時間近く経っています。


長津田で感想戦を行いますので、近くの子供の国の駅まで歩きました。新緑が本当にきれいな時期です。近くにこんな素敵な公園があるのですね。郊外だけれど、だからこその素晴らしい自然も残っていました。子供の日だから子供の国の盲腸線は一杯です。若い、お父さんお母さんが一人っ子を大事にしているすがたをみて自分達の頃と随分と違う環境を感じました。

長津田駅の行きつけの居酒屋さんで、今日の調整のコツをお話ししたり、vafanさんの最近の行動力を話したりしました。暗くならない内に、おいとましました。

その帰りの電車の中で考えていました。部屋を反対に使い、交差法で使うのがあの部屋ではベストではないかと思いました。今日はそこまで大変換することは出来ませんでしたが、トールボーイの3ウェイをいまひとつスケールアップされて聴かれるのには、そのほうがより効果的だと思います。コーナーに置く交差法は部屋を広く有効に使えますし、窓への動線も確保できるのではないでしょうか?問題は書棚の置き場所だけです。家のGRFのように、クラシックレコードと歌謡曲路線との融合も計れます。

早すぎる車窓から、暗くなりかけた田園都市線の風景をみてその可能性を追っていました。週末に来られる2Hくんの感想も楽しみですね。





五月の原村にて

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連休中は、混んでいてとても中央道を下る勇気はありませんが、平日の午後を縫って茅野まで荷物を運んできました。高速道路はガラガラでした。気温は暖かく、甲府盆地では30度近くまでありました。原村に下りたときでも、25度もありました。前回来たのは、三月の末でした。日陰にはまだ雪が残っていました。冬を越した家の中はまだ冷え切っていました。今でも朝は10度ぐらいですから、夜に入るとまだこのあたりではセーターが必要になります。

八ヶ岳の上の方にはまだ少し雪が残っていますが、裾野の方は新緑に覆われて柔らかな感じが素敵です。雲の影が、山肌に明暗を作っています。畑では耕作の準備が進んでいました。

反対側の南アルプスです。駒ヶ岳の周りの雪も無くなってきて、だんだん黒くなってきました。いろいろな花も咲いています。

こちらは、その反対側の北アルプス方面です。うっすらと槍ヶ岳の穂も見えていました。原村からの景色はいつ見ても素晴らしいですね。このあたりも、この十年で、原村から茅野に向かっての道が整備され、新しい住宅が随分増えていました。大学や大型病院が出来て、人口が増えてきたのでしょう。新しい道沿いにコンビニやレストランが出来てくると、だんだん街の形になってきます。

今日は、Cさんにお願いしていた4トラックテープのファイル化が済んで、大阪から戻ってきた大量のテープを運んできました。それを二階に運ぶとき、このあたりの標高を感じます。何回も階段を往復すると息が切れて苦しいです。レコードもテープも本当に重いですね。この辺はまだ、住宅地で1000メートル以下ですが、別荘地は1400メートルぐらいですから、歳を取ってくると苦しくなる人も多いようです。

明日は、朝からテープの整理です。もっとも朝は雨が降っているかも知れません。掃除だけしたら時間切れかも知れませんね。雨が降っていると早めに出なければなりません。午後になれば、連休の帰りの影響が出てくるかも知れませんし、最近は、夜や雨の中を二時間も運転すると目が疲れます。かえってから昼寝をする必要があります。目が疲れると言う事は、脳が疲れると言う事です。老人力が付いてくると時間に余裕が必要になって来ます。ふー!

2H君 来たる!

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寒いところで悪戦苦闘をしている夢で目が覚めました。昨日は、テレビを見ながら寝てしまったようです。その時は、寒くは無かったのですが、さすがに標高1000m近くの高原の朝は冷え込んできます。時計をみると午前三時でした。二階に上がり、寝ぼけ眼で布団を引き、厚い羽毛布団の中に潜り込みました。次ぎに気がつくと、7時半でした。

朝、元気な内に重いテープを運び上げ、次回ファイル化するテープを選び、箱詰めをして、また降ろします。気がつけば、もう11時です。ブログの続きを書き上げ、急ぎシャワーを浴びて、部屋の掃除や後始末をしていると、お昼を回りました。諏訪インターの側でお土産の釜飯を買うと、そのまま高速へ。高速から下りた環八は混んでいましたが、夕方のラッシュ前には戻れたようです。

高速を二時間以上運転してくると、しばらくは耳は元に戻りません。夕方来られる2H君の為にも、音の調整は必要なのですが、今日は電源を入れただけでぶっつけ本番です。予定より、1時間早く来られると言う連絡が、メールに入っていました。そのメールに気がついたのは、到着予定時刻の15分ほど前でした。


大変充実した経験をさせていただきました


GRF様、昨日は誠にありがとう御座いました。想定外のお土産まで頂いてしまい、恐縮です。これは今回いただいた宝の一つです。大事に楽しませていただきます。お聞かせいただいた音源についても、可能な限り探索してみようと思います。

昨日の感想を送らせて頂きます。

まず最初にT4でした。思ったよりも大きなSPで、どっしりとかなり重そうな印象でした。このような床置きの音を聴くのは初めてです。早速の第一音。

床から50cm以上上の空間で姿が出来上がります。その浮かびように驚きました。普段聴いているフロアスタンディングの高さと同様なのです。視覚と聴覚との齟齬で最初は若干戸惑いました。興味深かったのは、これだけユニットが床に近い位置にあると低域がモコモコに増強されてしまったバランスになりやすいのではにかと思っていたのですが、流石にそんな状態であるはずもなく、全く低域の肥大などありませんでした。何も考えずに床置きすればモコモコになるのかもしれませんが、それも含めて設置しての、このT4のサウンドだったのではないでしょうか。

当初、空間がちょっぴり濁っている印象がありました。リタ・シュトライヒをかけると手前右に向かって歌っているように聞こえます。右SPを触るくらい奥に移動してスッと合いました。この「合う瞬間」を初めて試聴位置で体験できたことも本日の大事なイベントでありました(笑)

合ってしまえばあとは、そこから出てくる音は軽く軽く。なんでもござれの世界です。リハ音源などが存在するとは初めて知りましたが、そのホールの感覚そのままの再現性には心底感心しました。長らく音楽会に行けていないのですが、ホール独特の高音が上へ立ち上っていくような感覚までも録音、再生は可能なのでした!

ただ素晴らしい再現性である一方、入ってるものは出すけど、入ってなかったら出ないよと、ある意味とてもシビアなサウンドでもあります。だからこその音源選びなのですね。

続いてのユニコーンは岡山の是枝さんのところで聴いて以来です。改めて至近距離で拝見しましたが、大変美しいSPでした。そして流れてくる音は、……驚くなかれの聴き馴染んだ家の音の感覚を呼び起こしていたのです!似ているのは6畳の部屋の隅に設置していることくらいではないでしょうか?あとは機材も何もかもが異なります。SPの方式にしても、方や密閉型、方やバックロードホーンなのですから、絶対に出る音は違うはずなのです。

しかし、得られる感覚はやはりいつもと同じもの。またまたこんな理解と聴覚との齟齬で戸惑いを覚える事となりました。

音量については、やはり拙宅よりも大きいようで、MAX91dBほどありました。しかし全く煩くないのは、調節の力なのでしょうね。拙宅はあまり音量を上げると少しずつ飽和し始めるので、まだ合わせ切れていない部分もあるのでしょうね。

ひとしきり聴かせていただいた後は、近所の洋食屋さんでお腹を満タンにして、ひょっとするとこの日一番の驚きはGRFさんの健啖家振りだったかもしれません(笑)、最後にレコードでした。

時折記事で出てくるインサイドフォースとは如何なるものか、どんな影響をするのか実際に目の当たりにできました。お姿で見えませんでしたが、恐らくされていたのであろう針先の掃除も大変な効果があるようですね。

アナログは手がかかる。しかし、その過程も愛でることが出来るというところにデータやCD再生では得難い魅力がありそうな気がしました。

そして、最後のデコラ、流石のサウンドでした。あの広い部屋一杯に満ちるエネルギー。本当に希少な機材をお聞かせ頂きました。

僕は以前から平行法、交差法、果てはユニコーン自体も聴いた経験があるため、他の初めてGRFさん宅を訪問される方々よりも受けた衝撃は、ひょっとすると少なかったかも知れません。それでも大変な刺激をいただきましたし、何より自分が音楽にアプローチしようとしている過程が間違いではないだろうと確認出来た事も大きな意味がありました。平行法、交差法が全てではありませんし、沢山の方にこれら手法以外で素晴らしいものをお聴かせ頂きました。感動に理屈は要りません。

しかしながら自分が求めるモノは今のところ、この先にありそうです。暫くはこのまま音楽へのアプローチが続きそうです。その重要な岐路となる1日でありました。自分のような突然の訪問者であったにも関わらず、大変暖かく迎えてくださり、ありがとうございました。

カタチの無いものも含め、沢山のものを頂きました。全てが今後の財産です。本当に有難うございました。また是非、今度はテープなども触れたいですね。こちらに来られることがありましたら、いつでもご連絡下さい。「似てない!」と一蹴されぬよう、頑張ってお待ちしております。

2H

今朝送られてきた、メールでも、


満たされた気持ちで帰りました

おはようございます。昨日は遅くまでありがとうございました。

感想記にも記しましたが、僕はデコラ以外のものは多少ながら触れたことがあるという珍しいオーディオファンだと思います。そういう点では、昨夜の音世界に免疫があったと言えます。

しかしながら、もともと実際の平行法、交差法、いずれの音も聴いたことはなく、僕自身が出しているアプローチが本当に合っているのかどうかは常に不安でありました。幸いにして、岡山のスイートサウンドさんが小型SPで平行法を実践されておられ、それを聞いて出てくるイメージが似ていることが確認できました。徳島では交差法で全く動かないサウンドステージも体験できました。

こういった経験から徐々に確信に変わってきて、それで最後にGRF様のお宅で、その情報の発信源の確認に至りました。今まで答え合わせができない課題に取り組んでいた状態だったのが、やっと答えを垣間見たというところではないでしょうか。ですからやはり昨夜は大きな転換点になったことは間違いありません。

何を間違ったのか、拙宅には分不相応な素晴らしい機材が既に集まってくれました。自分で言うのもおかしいですが、そう思うくらい自分の機材を信じています。この機材とともにトントンゴソゴソと精進を積めば、必ずもっと素晴らしい音世界が開けるものと確信しています。

あとは経験だけです。音源は勿論ですが、実際の公演にもっと行かなければ!
是非またお会いさせて頂ければと存じます。こちらの方面にお立ち寄りの際には、是非お声掛けください。

2H

嬉しいですね。家の音をお聞かせしても、それほど驚かれなかったのは、この様な音を常に聴かれているからだと思います。また、岡山の是枝さんのところで、ユニコーンの音を、当然是枝アンプで聴かれているからでもありましょう。また同じ岡山のお仲間のお宅でも平行法の音を聴かれているそうです。

大変、研究熱心な方で、家でも最新兵器?を取りだして、音量とか曲目とかを調査されていました。いまでは、いろいろ便利なツールがあるのですね。私も早速曲目と演奏者を探し出すソフトをインストールしました。便利になった反面、調べる楽しみは少なくなるのではとも思いましたが。

そして、コメントが大変的確です。少し聴いていなかったT4の音の濁りを言い当て、音場がどの様にずれているかを言い当てたのには、驚くと同時にようやく、こういう若い人に会えたという嬉しさもありましたね。行く末が楽しみです。嬉しくなって、ワンポイント録音で作ったBIG BANDのCDをプレゼントしました。

「しかしながら自分が求めるモノは今のところ、この先にありそうです。」

好いですね〜。

こう言っていただくと、わたしもやる気が出て来ます。私自身も求める音はまだまだ先にあります。次回は、私が探求中の"Consequence"の音も聴いていただき、一緒に前進して行きたいです。また是非、上京の折には遊びに来てください。


SPの調整

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昨日、来ていただいた2Hさんはまだ二十代の若者です。恐らく私の部屋に来られた一番若い方かも知れません。お子さんも二人おられるお父さんですので、子育てにも頑張っている最中ですが、同時にオーディオも熱心にされています。お父様もオーディオをされているので、小さいときからの教育もあるのかも知れません。環境が大事ですね。その彼が、私のブログをよく読んでいただいていて、平行法や交差法を実践されています。大変調整法にも詳しく、昨日はその意味では調整不足で、少しずれていたのが、その調整法をみるには有意義だったかも知れませんが、折角、完璧に調整された音を聴きに来られた彼には、若干の失望も与えたかも知れないので、こちらも反省しました。

お客様を迎えるにあたって、前日から徹夜で調整される方もおられて、そういう方と比べると、我ながら適当な性格で困った物です。でも、ありのままをお見せして、それを調整する方が結果的には良かったとも思ってもいます。

その意味で、1mmにも充たないずれでしたが、T4は直ぐに合ったのですが、肝心なユニコーンがずれたままで、長時間お聞かせしたことになります。このところ、アンプのバイアスの調整に依る音の変化に気を取られていて、位置調整が少しおろそかになっていたのは否めません。また、次回に合っている音を聴いていただくしかないのですが、きょうはその調整に徹して行ってみました。

同心円状に音が拡散してく360度放射型のGerman PhysiksのSPの調整は、指向性がないのですから、前面も、後面も平行法も交差法も無いのです。しかし、バックロードホーンを構成しているキャビネットの方は、明らかに音の影響はあります。標準の縦型に比べて、横置きの配置の方が、低音の繋がりが良いように思えるからです。横置きに置かれている今の配置での調整の基本は、後ろの壁との距離です。そして、左右のSPの間の間隔ですね。これが音の密度に大きな影響を及ぼします。一般に間隔を狭めれば音の密度は濃くなり低音が良く出てきます。

今日は、何時も使うリタ・シュトライヒのモーツァルトのリート曲を使って行いました。オーケストラものですと、会場での残響が入っていて、モノラルの調整には余り向きません。なるべくシンプルな構成の演奏が良いのです。そのモノラルの音源を使って、頭をアンプの真上に入れて、ヘッドフォンの様にSPからの音のバランスを合わせていきます。今までは360度の音源と言うこともあり、T4のような0.5mmを揃えるような厳密な意味での調整まで追い込んでいませんでした。

今日は徹底して追い込んでみようと思いました。まずは、壁から均一に離したところを基準点として置いて見ました。その状態では、音はすこし左に寄り、前後関係もすこしずれが感じら得ます。そのずれを試行錯誤しながら、前後を基本に音が中央にまとまるように合わせていきました。

この部屋は、関東間の大きさですと、6畳+板の間半間幅がありますから、7.5畳ぐらいの大きさになります。京間ならちょうど6畳間の大きさです。その中で、定在波を出さず、なるべく広帯域で音楽を再生するために苦労をしてきましたが、現在の位置でほぼあっているのですが、ぴったりとはあっていませんでした。その為音が少し甘くなっていたのでしょう。2Hさんにそこを指摘されたのです。これでは、師匠の面目が立ちませんね(笑)。

ユニコーンは位置が合ったからと言って、平行法のように後ろ側に音場が展開するわけではありません。音のエネルギーは高まり、しっかりと低域から高域まで音が揃い、音楽のダイナミックスが広くなるのです。そして聴いていて音が濁ることがありません。昨日までは確かに音が濁り気味だったのです。また、今日は、アンプを1号機が戻って来たので、どのくらい音が変わったかを調べるつもりでした。その意味でも厳密に合わせてみたのです。

モノラルの音源で位置を調整していくと、だんだんアンプの頭上付近に音像が現れはじめます。その像をSPの大きさぐらいにまとめるよう位置を微調整していきました。合わせてくると、左右で平行や位置が少しずつずれていきます。右側が幾分強かったのも、直ってきました。昨日は左側の音像が拡がり、右側は少し窮屈だったのです。そして低音楽器の動きが幾分曖昧だったと気がつきました。

だんだんあってきました。最後にSPの間隔を左側を幾分中央に寄せて、最終的にバランスを合わせました。そこで、ステレオのCDを掛けてみます。広がりがはっきりとして、コントラバスの動きや、打楽器のダイナミクスが拡大しました。良く聴いていくと、弦楽器の微妙な音の差も聞こえてくる様になりました。

その段階で、1時間ほど、いろいろなCDを聞き込み、アンプを1号機に変えてみました。回路的には全く同じにしたのですが、1号機の方が幾分音は地味なのは、以前と変わりません。同じ部品・同じ回路を使っていても、一台一台、性格が違うのは面白いモノです。人の性格と同じですね。だから面白いのでしょうね。

アンプを交換してからも、位置調整は、触って微妙な差を追い込んでいきます。するとある時点から音が透明になり、コンサートホールの見通しが良くなります。ピッタリと合ってきたのでしょう。どの位置から聴いても同じところにその楽器がしっかりと定位して動きません。音楽が楽々と鳴り始めます。クラシックの良い録音だと、スピーカの回りにステージが出来て、それを上から俯瞰しているような音になります。おとが楽々と鳴り、音量も大きく変化します。

2Hさんにはこの音を聴いて貰えば良かったと思いました。でも、彼の訪問が無ければ、ここまでピッタリとは調整しなかったでしょうから、今となっては大変感謝しています。

若い感性で、装置を追い込み、熱心にソフトを揃えていかれているので、早晩我々のレベルは軽々と追い越していくでしょう。その意味でも、その調整のあやを教えられる内に、伝えようと思いました。テープの音源と同じで、若い世代のひとが受け継いでいただかないと困るからです。




様々な場所で

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原村に行った時、バックミラーに甲斐駒ヶ岳が映っていました。いつみても格好いい山です。登るのは大変ですが、、、。

花や葉っぱが大きいのがツツジ、小振りで品が有るのが、さつきぐらいしか違いは解りません。これは街路に咲いているツツジですね。

日本庭園は、手入れが大変です。美術館の入園料も大半はお庭の手入れに使われているのでしょう。

白い、ツツジは品が有りますね。

冬の間は大荒れに荒れている日本海も、初夏になればなぎの日も出て来ます。このひは釣り客がいわばという岩場に点在して、それでも大きな魚を釣り上げていました。



今年の冬が去っていく四月の中旬の寒い日です。

T4で交差法を

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先日、2Hくんが来たとき、彼は交差法で聴かれていて、それでも、奥の方に音が展開しているという話を聞きました。平行法では、奥の方に音が拡がりますが、交差法でも、奥の音も聞こえるのですが、それが、何メートールも向こうに展開すると言われて驚きました。私の家では、交差法で聴いているのは、GRFだけだからです。GRFの音は、前に飛び出してきます。コーナーに置かれているから、後ろ側には、残響としては聞こえますが、音場が、後方に展開する音は聴いたことが無いからです。

オーディオで平行法、交差法という呼び方を使い始めたのは、恐らく私が最初かと思いますが、用語そのものは、ステレオ写真の見方から来ています。右の目で右の写真を見るのが、平行法です。それとは違い、右の目で左の写真を見る方法が交差法と呼ばれています。平行法は、後方に立体化します。交差法は、前に飛び出してきます。耳の場合は、右の耳でひだりのSPを聴くというような器用なことは出来ません(笑い)。でも、音が前に飛び出して来るのです。GRFのような同軸のホーン型だから、しっかりと前に音が飛び出してくるのでしょうか?そこで、T4のようなSP自身から音がでにくい形状のSPを交差法できいたらどうなるのか、実験をしてみました。

まずは、いままで平行法で聴いていた場所で、交差法にしてみました。同じ場所で、45度交差させただけなのに、全く音の出方が異なります。今までは、GRFの方まで拡がっていた後方の音場は無くなり、その代わり、SPの置かれているあたりを中心に、音がまとまります。帯域が拡がり、低音の迫力が増します。オーディオ的には、密度の濃い音になりました。

リタ・シュトライヒのリートで、音の中心を合わせます。音が浮き出して聞こえます。今まで見たく、後方には展開しません。SPを周りも、上方にも音は満ちます。シューベルトの九番冒頭のホルンは、左右一杯に拡がり、その向こう側に厚みを持って聞こえますが、平行法のようにそれがGRFの方から聞こえることはないのです。しかし魅力的な音です。続いて、ハーディングのマーラーの第10番です。第五楽章のティンパニーの強打を聴いてみます。左側SPの直ぐ後方に分厚く展開して、オーケストラの迫力が聞こえます。密度の高い音になります。

そのままの形で、今度は後方に移動しました。いつもコンシーケンスを設置する場所あたりです。一階席後方の感じが出て来ました。分厚い音が前方にも展開して、SPの回りを音が包んでいます。これは今までは、聴いたことの無いような音です。しっかりとした音で良いですね〜。

この部屋では、GRFがもともと交差法です。そして、QUAD ESL57も、ハートレーも、"Consequence"も、R.GRFも、ユニコーンさえも、すべて交差法でならして実験をしました。しかし、最初から平行法で、奇跡のような音場を出していたT4だけは、交差法で鳴らした覚えが無いのです。実験をしてた頃に、ならしたことは有るような気もするのですが、全く覚えていないのですから、それほど大きな印象を受けなかったのでしょう。

気をつけていただきたいのは、交差法は45度で内振りにするときです。30度では、音場の出方が異なります。15度や30度で交差している場合と、45度では、でてくる世界がまったく違います。ここが不思議なところです。

この追試を、同じT4を持っているBellwoodさんにもお願いしました。Bellwoodさんは、前方床置き平行法は実験はされていますが、録音によっては、音が飛びすぎて、不自然なので止めているのですが、交差法はどの様に聞こえるでしょうか?棚の上に置かれている今の置き方で45度が出来るなら、その音場がどう変化したか、おききしたいです。






ベートーヴェンピアノ協奏曲 ピアノ指揮アンスネス・MCO

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新宿のオペラシティで、レイフ・オヴェ・アンスネスの指揮・マーラー・チェンバー・オーケストラと彼自身のピアノ演奏でベートーヴェンのピアノ協奏曲第二番、第三番、第四番を聴いてきました。2012年からベートーヴェン・ジャーニーと銘打って、世界中で演奏してきた三年間、60回にも及ぶ大プロジェクトの一環で、東京は54回と55回目にあたります。

マーラー・チェンバー・オーケストラは、ご存じの通り、クラウディオアバドが若手の教育機関として創設した若手の楽団のメンバーが集まって設立した45名程度のオーケストラです。アバドとルツェルンフェスティバルで活躍してきました。アバドの後、ダニエル・ハーディングがオーケストラを育て、現在は桂冠指揮者として活躍しています。今回のアンスネスはArtistic Partnerとして活動を最も共にしている演奏者でしょう。その他にも、コンセルトヘボウの常任指揮者になったダニエレ・ガッティやボストンのアンドリス・ネルソンスも振っています。

レイフ・オヴェ・アンスネスの名前は知っていましたが、一度もその演奏を聴いたことがありませんでした。曲目がベートーヴェンのピアノ協奏曲第二番、第三番、第四番の中身の濃いプログラムなので、それで引かれて行ったというのが正直なところです。そのピアノ協奏曲を世界中で演奏してきて完璧に出来上がった演奏を今日聴くことになります。

プロの演奏家は本当にすごい人達で、60回も集中して演奏する気力と根性に驚きます。「飽きない」のが「商い」の基本だとよく言われますが、良く集中が続く物だと感心しています。今までの演奏記録を見てみると、毎年、5月と11月に演奏旅行を行っているのが解ります。世界中の名だたるフェスティバルで演奏してきたことも、素晴らしい記録ですね。その間に熟成を重ねてきたようです。


オペラシティは久しぶりです。チョン・ミョンフンの演奏会とか、年一回やってくる山形管弦楽団とか、コジュヒンの素晴らしい演奏会もここでした。そういえばここでBellwoodさんにベイさんを紹介していただいたのです。最寄りの初台駅は、実際には都営地下鉄で、新宿駅では乗り換えが難しいのです。お上りさんで困ったことが何回もあったのです。実際には、新宿三丁目から乗り換えるのですね。

念のためインターネットで調べてみると、家からは、そばのバス停から渋谷駅のバスに乗るのが、時間も費用も手間もないことが解りました。渋滞に巻き込まれることもあるでしょうが、最近の環七は空いていますので、試して見ることにしました。家から最寄りのバス停は150メートルほどです。すると、すいすいと来てドアツウドアで30分以内で着きました。これは便利です!

この演奏会のことは、ベイさんの今月の演奏会の予定を拝見していて、良さそうだと思い、まだ売れ残っていた席を買い求めたのは一週間ほど前でした。偶然ですがそのベイさんは同じ列の五人ほど中央よりの席でした。Bellwoodさんは、二階席にいて、いつもと違う幾分よそ行きの表情をしています。理由は後から判明しました。

さて、ピアノ協奏曲の一曲目は第二番からです。五曲の中では、一番聴くことが少ない曲です。二番という番号になっていますが、この曲が実際は第一番ですね。ピアノ、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦五部の構成で、室内楽の規模です。モーツァルトやハイドンの作曲と言われても納得する端正な曲です。演奏がはじまって驚きました。弦楽器の音が柔らかくとても豊かなのです。一階席の前の方からは、オーケストラ全員は見えません。

10.8.6.5.3の編成だと思われますが、ヴィオラとチェロ、そしてコントラバスの響きが、日本の室内オーケストラとはまったく違った豊かな響きなのです。いつも聴いている紀尾井や水戸の編成だと、8.6.4.4.2ですから、一回り大きな編成です。ヴィオラとチェロ、そしてコントラバスの暗い音もとてもバランスがよく、良く伸びた低音楽器の気持ちの良い響きがしてきます。弦楽器のボーイングが違うのか、力のかけ方が異なるのか、音が大きく、太く鳴りとても魅力的な響きです。

そして、アンスネスのピアノの音の柔らかく、透き通った響きにも驚きました。フタが無いので、音は天井に上がっていきます。オペラシティの天井は、教会の天井のように高く、徐々に減衰していきます。その会場とピアノの音がマッチして、素晴らしい音が出ていました。幾分線は細いのですが、余り聴いたことの無いピアノの音色です。女性的なタッチとでも言うのでしょうか、現代的な響きがします。柔らかく品が有ってとても良い演奏です。

曲が終わり大きな拍手に包まれている間に、フルート、クラリネット、トランペットそしてティンパニストが入場してきました。二曲目は、大好きな3番です。前回聴いたベートーヴェンの三番の協奏曲は、一昨年のコンセルトヘボウの演奏会でした。その時のヤンソンスの指揮での一糸乱れぬ演奏は、とても感心したことを覚えてきます。今日はどうだろうかと聴き始めたら、今参加してきた、トランペットとティンパニーの効果は目覚ましく、迫力の有るティンパニーの音が聞こえてきました。マレットは、堅い棒のタイプですが、革の厚みが違うのか、革の種類が違うのか、叩き方が迫力が有るのか、紀尾井シンフォニエッタの欲求不満のひ弱な音とは異なり、納得の迫力です。ティンパニーはトランペットとリズムを合わせて、アッチェランドしなければならないと感じました。そのトランペットも、ファンファーレで使うような幾分太いストレートなタイプでした。

ピアノも冴え渡っていきます。音がホールの上の方に昇華して立ち上っていきます。これと同じ経験をしたのは、もう、25年ぐらい前になりますが、ロンドンのフェスティバルホールで、ポリーニのショパンを聴いた時以来です。オーケストラは敬虔な祈りの様な柔らかな響きで、ピアノを支えていきます。二楽章のピアニシモの美しさには、会場全体が息をのむように聴いていました。ピアノ協奏曲の経験の中では、一番の演奏でしょう。オーケストラを熟成を重ねていき、ここまでの呼吸まで同じに出来る演奏は、そう有るものではありません。

聴いているとき、練習を重ねて自分の物にした、ツィーメルマンのショパンのコンチェルトを思い出しました。しかし、ショパンには無い、ベートーヴェンのオーケストレーションの凄さを感じました。オーケストラとピアノが対話を交わすのではなく、一体になっている演奏です。

この三番の演奏には、とても感動しました。終わった後の万雷の拍手には、演奏者にも伝わったことでしょう。今回の演奏ツアーは、香港、台湾、上海、ソウルと演奏を重ねてきました。しかし、東京の聴衆からこれだけの拍手を貰える演奏はそう有るものではありません。

休憩時間にこの感動を伝えたくて、いつものBellwoodさんを待っていましたが、二階の方のラウンジで飲まれていたそうです。いつもの様に二人分を、それも、めずらしくビールとワインを、一番多く次いでくれる係りを見付けて購入したのですが、当然来られなかったので、最後にワインは一気に飲みほしました。おかげで、第四番の低弦の音が少しだけ後退したように聞こえました(苦笑)。

その酔いの所為か、演奏の所為か、4番の一楽章は3番ほどの完成度では無かったように思いました。しかし、二楽章からぴたりとあって最後は、大きな感動の渦の中にいました。この演奏会に参加できて本当に良かったです。

終演後、感想戦で感動を分けあおうと期待していたのですが、今日は奥さまと同伴だそうで、いそいそ?と帰られました。今年の夏は、お二人でバイロイトの方までいかれるそうです。うらやましいです。

一人、甲州街道の横断歩道を渡って、暗いバス停で最終一つ前のバスを待っていたら、同じ演奏会から戻る方と乗り合わせました。その方は、途中の方南町あたりで下りられました。終点の少し前の下りる停留所まで乗っていたのは、数名でしたが、その内、四名ほど同じ停留所で降りられたのには、ビックリ。考えてみると、駅と駅の間の停留所で、このバスが便利なのかも知れません。帰りも30分ほどでした。

バスを降りてから、二つコーナーを曲がるとそこはもう家です。その短い間にも、今日の演奏の凄さ、ベートーヴェンの音楽の充実度、構成力、オーケストレーション、ピアノのスケールを目一杯使ったコストラックション、何よりも、音楽の純粋性を思い出していました。素晴らしい演奏会でした。


家に帰って調べると、60回にもおよぶ今回の公演の記録が、マーラー・チェンバー・オーケストラのホームページに乗っていました。

The Beethoven Journey

1. 15 May 2012 Bresia It. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
2. 16 May 2012 Lugano It. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
3. 17 May 2012 Torino It. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
4. 18 May 2012 Bergamo It. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
5. 20 May 2012 Dresden de. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
6. 22 May 2012 Prague cz. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
7. 23 May 2012 Prague cz. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
8. 25 May 2012 Bergen no. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
9. 14 Nov 2012 Regio Emilia Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
10. 15 Nov 2012 Perugia It. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
11. 18 Nov 2012 Cologne de. Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
12. 19 nov 2012 St. Poelten Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
13. 20 Nov 2012 Birmingham Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
14. 21 Nov 2012 Brussels be Beethoven Piano Concert no.1 & no.3
15. 24 May 2013 Bergen no. Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
16. 16 Nov 2013 Neumarkt de. Beethoven Piano Concert no.3 & no.4
17. 17 Nov 2013 Landshut de. Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
18. 18 Nov 2013 Brussels be. Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
19. 20 Nov 2013 Edinburgh Beethoven Piano Concert no.2 & no.3
20. 21 Nov 2013 London uk Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
21. 23 nov 2013 Basingstoke Beethoven Piano Concert no.2 & no.3
22. 24 Nov 2013 Dublin ie. Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
23.16 May 2014 Regio Emilia Beethoven Piano Concert no.5 & others
24.18 May 2014 Turin it. Beethoven Piano Concert no.5 & others
25.19 May 2014 Lugano ch Beethoven Piano Concert no.5 & others
26.20 May 2014 Prague cz. Beethoven Piano Concert no.5 & others
27.23 May 2014 Bergen no Beethoven Piano Concert no.5 & others
28.24 Sep 2014 Hamburg de Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
29.25 Sep 2014 Bonn de Beethoven Piano Concert no.2 & no.4
30.27 Sep 2014 Bonn de Beethoven Piano Concert no.3 & others
31.28 Sep 2014 Bonn de Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
32.30 Sep 2014 Hamburg de Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
33.24 Nov 2014 Lucerne ch Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
34.26 Nov 2014 Lucerne ch Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
35.01 Dec 2014 Vienna at Beethoven Piano Concert no.3 & others
36.02 Dec 2014 Vienna at Beethoven Piano Concert no.2 & no.5
37.04 Dec 2014 Brussels be. Beethoven Piano Concert no.5 & others
38.26 Jan 2015 Ferrara it Beethoven Piano Concert no.1, no.2 & no.5
39.27 Jan 2015 Turin it Beethoven Piano Concert no.1, no.2 & no.5
40.28 jan 2015 Pavia it Beethoven Piano Concert no.1, no.2 & no.5
41.29 Jan 2015 Cremona it Beethoven Piano Concert no.1, no.2 & no.5
42.17 Feb 2015 Paris fr Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
43.19 Feb 2015 Paris fr Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
44.22 Feb 2015 Boston usa Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
45.23 Feb 2015 NewYork usa Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
46.24 Feb 2015 NewYork usa Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
47.03 May 2015 Hong Kong Beethoven Piano Concert no.1 & no.4
48.05 May 2015 Taipei tw Beethoven Piano Concert no.3 & no.4
49.06 May 2015 Tainan tw Beethoven Piano Concert no.3 & no.5
50.08 May 2015 Shanghai Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
51.10 May 2015 Shanghai Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
52.12 May 2015 Goyang kr. Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
53.14 May 2015 Shizuoka Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
54.15 May 2015 Tokyo Beethoven Piano Concert no.2, no.3 & no.4
55.17 May 2015 Tokyo Beethoven Piano Concert no.1 & no.5
56.18 July 2015 Bodø no Beethoven Piano Concert no.1 & no.4
57.19 July 2015 Bodø no Beethoven Piano Concert no.2 & no.5
58.21 July 2015 Bodø no Beethoven Piano Concert no.3 & fantasia
59.23 july 2015 London uk Beethoven Piano Concert no.1 & no.4
60.24 July 2015 London uk Beethoven Piano Concert no.3 & Coral fantasy
61.26 July 2015 London uk Beethoven Piano Concert no.2 & no.5

出張の役得?

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出張が多い生活を40年も続けていると、枕が変わったら寝られないという事は勿論ありません。ほとんどはくたびれているし、だいいち酔っ払ってもいるので、寝付きは覚えていないほど早いのですが、歳を重ねるにつけ、一旦目を覚ましてからが大変になって来ました。それでも、まだ暗い内なら、また眠れることもあるのですが、朝が早く明るくなる今頃からは、一旦起きてしまうともう眠れず、結果として一日がとても長くなってしまいます。そんなときに、間違ってメールなど見てしまうと、その時点から仕事モードに入りますから、結局睡眠不足なり、肝心な打ち合わせ中に眠くなったりします(苦笑)。

北海道では、夏至が近づいてくると、朝がどんどん早くなります。朝から強い日差しが照りつけ、五時前から空は輝いているのです。まだ昨日のお酒が残っていますから、カーテンを閉め部屋を真っ暗にして再度眠りにつこうとします。札幌では週末や連休以外では、高級ホテルとビジネスホテルの価格差がほとんど無く、その意味でも、柔らかなベッドと遮光カーテンの部屋は大事です。

先週、東北に出張したときは、ベッドの硬いビジネスホテルだったのと、薄いカーテンで寝不足になり、疲れが腰に来て、そのご一週間ほど腰に来て往生しました。同じ姿勢で、長時間運転をしたのも一因でしょう。暖房も部屋の快適さには、欠かせない要素です。部屋ごとのエアコンだと、便利なようで、風の音がうるさかったり、喉が渇いたり、色々大変な事もあります。反対に、集中制御だと、暖房も冷房も効かない時期もあって、寒すぎたり暑すぎたり困惑することもありますね。旧いホテルに泊まるときは要注意です。

しかし、出張の良い点は、やはりその地方地方の美味しい物にありつけることです。これは、向こうからやってくる物ではありませんから、当然探すのですが、地元の人と一緒に連れて行って貰うのが、一番の早道なのかも知れません。今回の札幌では、北海道の味のフルコースと、地元の人達が行かれるお寿司屋さんでした。観光客目当てでは無く、地元の舌の肥えた人用ですから、味は最高です。こんな離れたところで、お客が来るのかと思う場所(北区新川)でしたが、夜は予約が取れないほど混むそうです。今回は、お昼、それも12時前に入りましたので、ほぼ独占状態で満喫致しました。これほど美味しいお寿司屋さんは久しぶりです。小振りのお寿司なので、お委せでも20巻以上出て来たのではないでしょうか?美味しくて覚えきれません(笑)。コストパフォーマンスは、最高ではないでしょうか?

お魚は、冬の日本海と瀬戸内が美味しいです。また、大分も豊後水道でもまれた身の締まった美味しいお魚があり言う事はありません。冬の金沢の雌のズワイガニの甲箱蟹も昨今の金沢ブームでどうなることでしょう?お寿司も、ほとんどは訪れる地元のお寿司屋さんで、新鮮なネタを頂くだけになりました。私は、ファミリーチェーンは入りません。どんなに小さくても地元の個人経営のお蕎麦屋さんや中華屋さんに入ります。

ラーメン専門店も余り入りません。簡単に言えば、炒飯やタンメンが出来ない店には入らないのです。地元の人に愛されているあっさり系のラーメンや餃子専門店には入りますが(笑)。意外と入るのが、うどんの専門店です。それも四国や関西のうどんではなく、腰の有る関東から東北のうどん専門店です。山梨、埼玉、群馬にもおいしい腰のしっかりしたうどんがあり好きですね。群馬県は、余り知られていないようですが、いろいろと美味しい食べ物があります。トンカツなどもそうですね。それと、お蕎麦が美味しいのも、水の所為でしょうか?お蕎麦が美味しい土地の冷やし中華が狙い目です。

どんどん、美味しい食べ物の話しになっていきますが、それに、地元のお酒ですね。冷酒でのむ吟醸や大吟醸も良いのですが、常温やぬるめのお燗で飲める普通のお酒の良いのにあたるのが難しくなってきました。震災や原発で被害を受けている福島には美味しいお酒が沢山あります。そういう面からも応援したいと思っています。



ホワイトアスパラの会

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昨日は、恒例のホワイトアスパラを食べる会に行ってきました。いつものメンバーが集まり、ドイツから空輸されたホワイトアスパラガスの料理を頂く会なのですが、初めてお伺いしたのが、2008年ですので、今年で8回目になりました。8年間の間には、大分メンバーも替わってきました。一年に一回しかお目に掛からない方もおられるのですが、8年間の時間の経過は、やはり大きく、自分も含めて歳を感じさせられます。もっとも,主催者のAさんはまったく変わりません。歯に衣を着せぬ豪快なところも絶好調です。この会には、ユニコーンの使い手が三名もいるというオーディオ的にも濃い会合ですが、次回は、もしかしたら五名になれるなと思いました。

こういう会合では、様々な方とお知り合いになれます。ドイツで食べたホワイトアスパラをルフトハンザで空輸してでも旬を味わおうという、ドイツ生活経験者や、海外での生活をされてきた方が、ご参加されるのです。いつもなら接点がない様々な業界の方々と、仕事以外でお会い出来る楽しい機会です。主催者のAさんご夫妻の長年にわたる広いご交友のたまものだといつも感謝しております。話がいろいろなところに飛び面白いのです。ただ、だんだん病気自慢になってくるのは、男性陣の弱さですね(笑)。女性陣は、そのあたりは超越されています。

アスパラも、今回の料理はアスパラ自身の剥き方、ゆで方も丁寧で、本当に美味しかったです。季節も、いつもは6月に開かれていたのですが、今年は、シーズン真っ最中ですから、アスパラの質も良く、久しぶりに堪能しました。お酒も時間掛けてゆっくりと味わったからか、いつもよりはワインの量が少なかった?のか、帰りも順調に戻って来れました(笑)。来年も是非参加したと思います。

5月の変化は

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やはり、5月の中旬になると途端に暑くなって、和室の6336Bアンプがとても暑くなりました。空調を入れないと、部屋はたちまち暖房機を入れたようになります。予想はしていたのですが、参りました。空調はいずれは入れなくてはならないのですが、出来るだけ入れたくないのがS/N比的にも人情です。まだ、湿気がないから救われていますが、これから梅雨に入ると、今少し、暑くないアンプを聴かなければと恐れています。

空調を入れたら、畳の良い匂いがすると、家族にいわれました。当人は、その部屋にずーっといるので、解らなくなっているのですが、久しぶりに来る人は、まだ青い畳の匂いがして気持ちいいと言われます。同じ場所に長くいると、だんだん、感覚が慣れていくのがさびしいですね。耳もそうして徐々に慣れていくのでしょうか。

そんな折り、是枝さんから、新しいアンプの電源に使うケーブルが送られてきました。是枝さんの持論で、普通の細いビニールコードを使う方が、音が良いとのことでした。アンプの中の線材やその引き回しかた、カーブの仕方までこだわって作られているのが是枝アンプですから、お薦めの線材を使わないわけにはいきません。普通のケーブルですから、とても安い投資ですが、変えてビックリしました。最初から付けてくれていたら良いのにと、思ったほどです。でもそれではその微妙な差が解らないかも知れませんね。

太いケーブルが必ずしも良いとは限りません。細いケーブルの方がバランスが良くなります。総合的に設計されているアンプでは、その効果が大きいのでしょう。不思議ですね。

空調をしっかり入れて、アンプを交換してみました。赤い二号機からグレーの一号機(改良型)です。音が幾分違うのですが、その差が縮まる感じです。フレッシュなワインを開けたときの爽やかな香りがします。あっという間に匂いやかおりは変わって柔らかく熟成していくのですが、その瞬間の変化が楽しいのですね。

音場の情報は

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よい音がした翌日、またアンプの火を入れる瞬間、期待と不安が交差します。昨日見たく良い音で聴きたいという気持ちと、昨日の良い音がしなかったらどうしようという躊躇にも似た感覚です。T4のような微妙な状態で置いてある場合は、地震があるとかならず位置がずれて、微妙なホログラムの様な音は消えています。

床に直置きしているT4は、QUADのESL57のような仰角を付けて鳴らしています。それにより音が床から離れて、天上に昇っていくのです。当初はカーボンを挟んでいたのですが、高さがありすぎて、上を向きすぎるので、使わなくなったインシュレーターを利用して仰角を付けました。上下のインシュレーター間で、角度が付くからです。問題は、金属なので、滑りやすいことです。だからといってジェルみたいな柔らかな物を挟みたくない気がして、ずれたときは音が変わるので、修正すればいいやと思ってそのまま使っています。

斜めになっているから、先日のような震度4の地震が有れば、必ずずり落ちています。床にはうすく基準の線を鉛筆で引いてあるから、真上から見ればどのくらいずれているかは、解ります。その1mmに充たない線の前か後ろかと言うぐらいのびみょうなズレですが、真っ暗な映画館のドアが少し開かれたような、希薄な感じになります。合っているときの音の密度が薄くなるのです。ご自分で調整する方なら音場の出る方向の差で、どのくらいずれているかはすぐに解ります。

ピッタリ合った時の音は、単純な前後に展開するような薄ぺらい音ではなく、その間も音が埋まります。マルチチャンネルシステムを使わなくても、前後や高さ方向に音が厚みを持って展開して、音で埋まります。勿論、そういう情報が入っているソースの場合ですが。最初からマルチチャンネルを前提で作られているソースの2チャンネルには、そのような情報が少なくて残念です。

その意味で、ポリグラム初期の400番台のCDは素直に情報が入っていて、自然な音場で出現します。CDのビット数は、高ければ良い音がすると単純に信じられていますが、ちゃんと再生されれば、16bitで充分です。私が聴かないCDは、グラモフォンのORIGINAL IMAGE BIT PROCESSING(OIBP)とEMIの「ABBEY ROAD TECHNOLOGY(ART)」です。いずれも、オリジナルの録音が持っていた、音場情報をいじくってダメにしています。

平行法や交差法で音場を再生すると、一番大事な録音現場での微妙なズレから来る、本来のステレオ情報を、平面的な音にしてしまい、奥行き感は、マルチチャンネル方式に委ねている録音が一番残念です。NHKの5.1チャンネルを2チャンネルで聴けば、失われた情報の重大さに気がつく筈ですが、スタジオのモニター装置では、その差が全く解りません。

録音会場の自然な響きを利用した録音は、昔も今も良い音がします。ドイツグラモフォンが、いまだにイエスキリスト教会を使っているのはその良い例です。最近は、独立系のレーベルもこぞって使っています。ドイツグラモフォンも4Dの時代は、行きすぎた録音でしたが、最近は自然になってきました。残念なのはEMIで、クレンペラーの時代から、70年代のクリスファー・パーカー、クリストファー・ビショップの時代のキングスウェイホールの録音は本当に見事ですね。


新しい地平線

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金曜日の夜は、テープの館のHさんとご友人のSさんが、調整の終わったTroubador 80 + PSD TW2の音を聴きに横浜に来られました。昨年末に、Mさんのお宅を訪れたHさんとSさんは、Paragonの音を聴かれて驚かれたわけですが、そのときは、Troubadour 80 の組み合わせはセットされていなく、聴けませんでした。五月の連休の時、TW2の脚を変えて、微妙な位置調整が一人でも出来るようになりました。同時にemmのソフトの入れ替えを行い、最終的には、今まで聴けなかった領域の音楽再生が聴けるようなりました。

横浜のMさんのシステムは、Mさんの豊富な音楽とオーディオの経験から、従来の枠組みから素材の音を解き放し、全く次元の違う音にされる手腕とセンスには何時も驚かされます。Troubadour 80が最初に持ち込まれたときも、その音に触発されて、Paragonのアンプをすべて交換して、おどろくような純度の音にされたのです。二つのそうちが切磋琢磨して、更なる高みを目指しているのは、本当に驚くべき事です。

Troubadour 80 + TW2の導入は、ユニコーンが再現しているような一体感で、よりスケールの大きなクラシックのコンサートホールの音を再現するという、無謀にも思える目標を掲げてスタートしました。切っ掛けの一つは、Mさんが、菅野先生のお宅を訪問されたとき、JBLの075+375の替わりにトラバドールの80を使われているのを聴かれたからです。鳴らしている音の傾向は、Mさんとは違っても、そのユニットの可能性を知って、まだ見ぬ地平線の音を探し始めたわけです。

去年の六月にMさんのお宅に搬入されてから、二ヶ月後の八月には鳴らし方の方向が見えてきました。翌日訪れたBellwoodさんも驚かしたのは、記憶に新しいです。そこからは、またParagonの調整に励まれたのです。一旦、TW2を動かしてしまうと、一人では動かせません。その意味で、年末、HさんとSさんが来られた時も、Troubadour 80 の音は聴けなかったのです。

その脚を変えて、動かせる様にしたのが、五月の連休でした。その時は、EMMのDACのファームソフトを新しいヴァージョンをテスト導入してみました。そして、最終的には、素晴らしい音で鳴り始めたのです。その時、Mさんは、最低域の再現と、Troubadour 80との繋ぎの調整を、イコライザーで調整されると言われました。今日はその音の確認と、半年待って頂いた、HさんとSさんのお披露目も兼ねていました。

一足先に来ていた大山君が周波数のテストCDを掛けたところ、18Hzから部屋が振動して、棚の取り付け部などから震えが来たそうです。20Hz、30Hz、40Hzと全く問題なく再生して、この46センチダブルウーハーの威力を試されたそうです。フルデジタルアンプのSD05はこの様な再生には、本当に威力が発揮されます。プロ用のブライトンやクレルの100などよりも、遥かに深い真の低音が再生されるのです。これが、私も惚れ込んだSD05しか再現出来ない音です。

私が到着したときには、ほとんどの調整は終わっており、最後の微調整と言う段階でした。左右のSPの間隔の微調整が残っていましたが、それはあえて、お二人のゲストのために残して置こうと決めました。

お二人が到着して、早速試聴です。Hさんは初めてTroubadourを聴かれるのです。UNICORNとどの様にちがうか興味津々ですね。しかし、46センチのダブルウーハーとDDDのユニットをダブルでスタックした80の音は、一つのユニコーンや40とは違い、音のダイナミックの差が、二倍ではなく二乗で効いている感じで、奥行きや深さ、音のダイナミックがまったく違います。

Hさんのご意見で、左右の感覚を10センチぐらい狭めて聴きましたが、最終的には、Mさんの判断で、また3センチづつ、拡げたポイントに決めました。最初のポイントからは、少し狭まっています。ステレオの再生で一番重要なのは、このSPの間隔です。それが合ってくると、ホログラムの様に音場が出現してきます。上下の位置も微妙に調整すると、ピッタリと音場が確定しました。

家の床置き平行法のT4でもそうですが、ピッタリと位置が決まると、オーケストラの位置が定まり、どこから聴いても、またSPの間を歩いても、音の位置は変わりません。この感覚は、体験しないと分かりにくいかと思いますが、今回のTroubadour80での音は、長年慣れ親しんできた私でさえ、驚くほどの定位でした。

このTroubadour 80をどう鳴らそうかと、大山君と相談して、全くあたらしい試みを行ってきました。2012年にTroubadour 80 がこの部屋に持ち込まれてから、二年半掛かりましたが、その成果が、一年たってようやく結実し始めたようです。German Physiks DDD のユニットの可能性を信じてここまで来た甲斐がありました。お酒を飲まれない三方の前で、Mさんとワインを開けて乾杯しました。

照明も音には大きな影響を当てます。だんだん部屋の灯りを落として行き、定番のピリシュのモーツァルトを聴く頃には、後ろに置かれたparagonからピアノの音がしているようです。目の前に行ってもそこから音が出ているのです。 DDDのユニットは、後方の音場はでないと思っていた自分には大きな衝撃でした。また、開発中に大山君のところで、長時間鳴らしたユニットのエージングも好結果をもたらした原因でしょう。

私自身もTroubadour 80で挑戦して見たくなりました。




Dubravka Tomšič ピアノ演奏会

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ドゥブラフカ・トムシッチのピアノ・リサイタルを武蔵野市民文化会館小ホールに聴きに行きました。トムシッチの名前は、今回のリサイタルまで知りませんでしたが、東欧のCDのコレクター特に、廉価盤のリスナーにはよく知られています。アントン・ナヌートとも共演があります。Nagraのお師匠さんにお話ししたら、昔のテープも持っておられました。さすがです。

私は、ベイさんのブログで演奏会のことを知りましたが、ベイさんが行かれなかった聴くことは無かったと思います。武蔵野市民文化会館からの案内でも、知らなかったから購入しなかったのです。武蔵野は、破格の価格なので、常連のファンですぐ埋まってしまいます。この演奏会も会員価格なら1800円でした。しかし、とっくに完売で、一旦そうなるとなかなか券の購入は出来なくなります。

ダメ元で、オークションを探したら,何とでていました。私とは違って、外国でもその演奏会に行かれていたかたが、急な出張で行かれなくなるので、良い演奏なので、無駄にしては勿体ないと出していただいたのです。週末だったので、お振込が出来なかったのですが、支払いは郵便が到着してからで結構ですと、すぐに送って頂きました。

それで安心したのか、火曜日は仕事の資料作りで追われていました。夕方、ようやく目途が付き、まずは一杯と次いだところに、家人が来て、まだ行っていないの?と言われました。一日中仕事に追われ、演奏会のことが、全く頭の中から抜けていました。急ぎ、飛び出し、裏の五日市街道からタクシーを飛ばし、入場券より高いタクシー代で何とか間に合いました。老人力がひたひたと押し寄せ、とうとう追い越されたようです。
   写真は武蔵野市民文化会館のtwitter から

演奏は、驚くべきものでした。これほど、作曲家によって弾き方も、テンポも、解釈を変えるピアニストは初めての経験です。技術的には完璧で、今を弾いているのでは無く、曲全体を見通し、4小節ではなく32小節単位で構成を決めているのでしょう。切れ味のよいスカルラッティ、圧倒的なテンポで、飛ばしていくワルトシュタイン。それも並大抵のスピードではなく、ダートのスペシャルステージを、百数十キロの猛スピードで、小刻みにカウンターを切って浮いたように飛ばしていく、ラリーカーの運転のように、普通のピアニストでは不可能なスピードで弾ききります。細かな変化ではなく、大きなうねりのように音楽を捉えて、大きなスケールでクレッシェンドしていくのです。

後半の、ショパンは、ベートーヴェンとは正反対、透明な絵の具で音を積み重ね、重厚な油絵の様にダイナミックで重層する分厚い響きを作り上げていきます。作曲家ごとに、曲ごとに違うピアノがなっている様に弾き分けるのです。圧巻は、アンコールで弾かれたリストとバッハです。この短い二曲を聴くためだけに、来ても素晴らしかったです。吉祥寺までのバスの中、ベイさんと興奮気味に、演奏の素晴らしさを語りながら来ました。ベイさんありがとうございました。券を送って下さったIさん、本当に良かったです。

スカルラッティ:6つのソナタ
         ハ短調K.11/ハ長調K.159/ニ短調K.9/
         ト長調K.14/変ロ長調K.551/ト長調K.125

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番『ワルトシュタイン』op.53

休憩

ショパン:幻想曲 ヘ短調 op.49
     ノクターン第7番op.27-1、第8番op.27-2
     アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22

アンコール:リスト:軽やかさ
      バッハ(シロティ編曲):前奏曲 ト短調 BWV535。



Hさんの隠れ屋

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先週、横浜のMさんのところへご一緒したHさんから、前から購入されていたTroubadour 80をいよいよ開封して、アポジーのDIVAの低音部と一緒に鳴らし始めたとのご連絡がありました。Mさんの音を大変真剣に聴かれていましたから、新たの進展があるかなと期待していたのですが、翌週とは驚きました。

新しく用意された隠れ屋で、誰にも気兼ねせず、音楽を聴いておられます。今回はその隠れ屋にお邪魔してきました。前回訪れたときは、まだ倉庫状態で、わたしと同じ様な散らかりように内心ホッとしていたのですが、今週はだいぶ整理整理が進み、態勢が整ってきました。困ります(爆)。

Hさんは、テープレコーダーやテープの収集ばかりではなく、平面スピーカーの愛好家でもあります。ですから、QUADESL-57、マーチンローガン、アポジーと代表的な平面スピーカーも揃っています。とくにアポジーはカリパー・シグネチャーとDIVAもお使いで、今回はそのDIVAの低音ユニットを鳴らして、トラバドールの低域部を補完して鳴らされていました。

能率の差もありウーハーは音圧的には、まだ少し弱いのですが、今一つ、Spectralのアンプも用意されて、マルチアンプで展開される準備も整っていました。先週のMさんのお宅訪問が相当刺激になった様です。入力も通常はDSを中心に構成されていますが、DIVAにはdcsの組み合わせで鳴らされています。そこに新たに横浜のMさんのところで聴かれたEMMのセパレートが導入されました。勿論、DAC2Xのソフトウェアは、Mさんのところと同じヴァージョンにアップされています。

新品のEMMは、まだピカピカで輝いていました。新品を見るとうちのemmは二年もたったのだと、実感しました。emmはエージングに時間が掛かります。今週輸入されてきたばっかりの機械は、ディーラーで、ソフトのアップデートとエージングがされて、火を入れてから、三日たっているそうです。それでも一旦スイッチを落とすと、二、三時間必要なので、出張にいくとき以外は、電源を入れっぱなしにしています。

当初は、予想通りの音がしていました。それでも、透明な感じは、dcsとは時代の差を感じます。音が鳴り始めてから、SPの位置調整と、レヴェル調整を行いました。聞き込んでいくとだんだん眼が醒めてくるのが解ります。前のdcsとどの様に音が違うか、一旦戻してみました。こちらは、しっかりエージングが進んでいるので、低音のバランスが整っています。そこで、Mさんのところでは大変効果があった光ケーブルの接点を磨きました。すると、途端にバランスが整ってきます。新品のケーブルなのに不思議なくらいです。そこで、SPの位置を更に細かく追い込んでみました。途端にHさんのお顔が輝きます。ここまで調整してからの、1mmは大変大きな変化をもたらします。

先日もMさんのところで掛けたパトリシア・バーバーのアルバムがどんどん雰囲気が良くなって来ました。こうなると、何を掛けても良い音楽が鳴り始めます。Hさんのお宅では、音源の比較対象がマスターテープですから、普通のお宅とは比べものにならいほど、高いレヴェルが要求されます。EMMのセパレート型で再現されるCDの音は、CDとSACDの差がほとんど無くなります。ときにはCD用に製作されたマスターリングの方が自然に聞こえるぐらいです。

隣の部屋には、UNICORNも導入されて、バランスの良い音を楽しまれています。そちらも少し聴かせていただき、ほんの少し位置調整をさせていただきました。こちらは、聞き慣れた音です。随分と音の熟れてきたようです。次回はご友人のSさんも交えて、テープを聴く音楽会をしたいですね。


松本の蕎麦が・・・

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先日、茅野に寄ったときに、松本まで足を延ばし、サウンドパーツさんにアンプを持ち込み修理をお願いしました。恐らく、真空管の所為だとは思うのですが、球がショートして壊れたまま、半年ぐらい持ち込めませんでした。理由の一つは、中央道を通らず、新東名を通ることが増えたことも理由の一つです。120キロ以上の走行を前提に作られた新東名の道は、本当に走りやすいからです。山の中を切り開いて作られた道は、緑の中を走り、看板もない素晴らしい道です。それに加えて、厚木から中央道に圏央道が繋がり、時間帯によっては、いろいろと道が増えました。あとは、新東名が伊勢湾道に繋がるのを待つだけです。そういうわけで、中央道の回数が減っていました。

それと、アンプの重さが、40キロぐらい有るので、気持ちが入らないと腰に来ます。今年は、腰が痛く重いものを余り持ちたくなかったのも理由の一つです。ステレオアンプは、やはり重いです。モノラルなら半分とは言えませんが、確実に軽くなります。大型のトランスを使ったアンプは、ほとんど鉄の固まりと言ってもいいアンプは、やはり重いです。

そんなこんなで、松本行きが遅れました。夕方、到着してしばらく修理の様子を眺めていたのですが、時間が掛かりそうなので、インターに引き返しました。上高地から松本インターに戻ると交差点に昔からのお蕎麦屋さんがあります。松本としては、それほど美味しいわけではないのですが、みずみずしいお蕎麦が気持ち良いので、今日も寄ってみました。店が新しくなっていました。以前は、観光客相手ではなく、地元の普通のお蕎麦屋さんだったのですが、今回は入り口にメニューがありました。そのメニューが写真入りになっていました。一番のお薦めのミニカツ丼にお蕎麦のセットを頼んでみました。

お店は、前の通りなのですが、小ぎれいになっています。メニューが各テーブルにあるのが目新しいのです。お水とお茶がでてくるのが違っていました。出て来たお蕎麦は、何だか前と違います。お蕎麦はぼそぼそだし、つゆが寝ぼけています。松本全体に言えるのですが、お蕎麦はみずみずしく美味しいのですが、つゆが薄く、パンチがありません。でもここの蕎麦は、ぶつぶつなのです。何だか変だなと思っていました。ミニカツ丼が驚きました、ころもだけでお肉が薄いのです。普通、カツは縦に切られているのが、横に薄く切ってあり、小型のカツを薄く半分に切り表を見せて置いているのです。こんなやり方は、生まれて初めてでした。要するに、一口カツを薄く横に切り、半分の肉で一杯あるように見せているのです。カツの断面が無いのです。

余りのことに呆れて、会計しました。会計しながらリニューアルしたのと訊くと、二年ほど前にリニューアルして、前のお店の方が,高齢で止めたあと、経営者も変わったとのこと。私は、前のお店をそのまま使っているので、解らなかったのです。よく見ると店名も変わっていました。個人経営ではなくチェーン店のやり方です。店構えを変えず、同じ場所で変わったら、なかなか解りませんね。チェーン店に行かない自分としては、騙された感じがして、松本のイメージがだいぶ下がりました。茅野に戻ってくるまで気分が優れませんでした。

お蕎麦屋さんは、茅野にも沢山出来ました。それなりにレヴェルは高く、皆頑張っています。松本のお店は、上高地に向かう道と安曇野へ向かう道への交差点です。観光客も多く、ロケーションが良いので、居抜きで引き継いだのでしょう。長い間通っていたのに、変わってしまい残念です。やはりサウンドパーツさんお薦めの一見食堂みたいなお蕎麦屋さんに行けば良かったと後悔しました。インターとは反対の方向なので日和ったのが、敗因ですね。折角松本までいったので、美味しいお蕎麦を期待したのに・・・。

昨日の晩、書いた記事ですが、食べ物の恨みは大きいなと翌朝の自分は思いました(笑)。



今日は一日700キロでした。

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小雨が降る茅野の家を出たのが、朝の八時頃でした。三重まで往復して、先方にお昼から4時頃までいました。とって返してまた茅野の家に戻ってきたのは、八時過ぎ。12時間経っていました。帰りは雨も上がって楽でした。考えてみると、向こうにいた4時間を引くと、走っていた時間は、休憩も含めて8時間です。走った距離は、ちょうど700キロでした。平均すると90キロで走っていることになります。実際は、途中で休憩をしているのですから、平均するとかなりのスピードであることは間違い有りません。でも、雨の中ですから、無謀なスピードは出しません。同じ速度で、登りも下りを走るのが長距離を移動するコツです。安全を考えると登りは早く、下りは、エンジンブレーキを使って、押さえながら走ります。

1時間半か二時間に一度は、トイレ休憩も含めて休憩します。長く同じ姿勢をとっていると、身体が固まります。車を降りても、10歩ぐらいは固まっていて良く動けません。ですから、ときどき下りて身体を動かし、固まりを解さなければなりません。それで、また乗り込むと、ポジションが楽に取れます。車の性能によって、一番楽に走れる速度があります。同じ車が、アウトバーンでは、170キロぐらいで走っていますから、車自体は、100キロオーバーでも全く余裕があります。

問題は、道路の設計速度と、周りを走る車との速度差です。新東名や新名神が走りやすいのは、設計速度が高いからです。反対に二車線しか無く、道路幅も狭い従来からの道路では、設計速度が80キロというところも、かなりあります。そういうところでは、設計速度の15%増しぐらいが限度で、それ以上速度を上げると、途端に神経を使うようになります。狭軌のレールの速度と同じです。

行きはまだ元気だし、仕事に行くので緊張もしているのですが、問題は、疲れが出て来た帰り道です。同じ距離を走っても、長く感じます。以前は、少し遅くなっても東京まで帰ってきたのですが、最近は夜の視力が落ちてきていますので、なるべく、夜は走らないようにしています。ですから、昼の時間が長い六月は、運転時間が長くなるのです。でも、往復700キロは片道350キロです。東京からは名古屋か仙台ぐらいの距離ですね。一日で往復できるのは、このぐらいの距離でしょう。それも都会から都会ですと、行った先や帰って来たときに渋滞にあったりします。今日はそれがなかったから楽に走れたのでしょう。
 飯田に下りていくとき正面に南アルプスの赤石岳が赤くなっていました。

私の乗っている車は、もう20万キロを越えています。遠乗り専用です。近場は、今一台のゴルフの1400ccに乗っています。ツインターボ付きで充分すぎる早さですが、遠乗りになると、パサートの方が疲れません。ゴルフも10万キロ以上ですから、両方で30万キロ以上を走っています。毎年、地球を一周する距離を走っていることになります。そんな生活を三十年以上してきました。大阪の拠点にはさすがに新幹線ですが、京都や奈良までは、車の方が多いですね。仕事先が、駅の前にはないのが理由ですが、移動に時刻表に時間を縛られないのが、最大のメリットです。勿論荷物も運べます。

車の移動はヨーロッパでも行っています。スーツケースをはこばなければならない旅行中には車はとても重宝です。NAVIが普及してきた最近は、小型のNAVIがあればどこにでも行けます。無かった頃は、地図を片手に大変でした。アルファベットの看板を読みながら下りるべき高速道路の名前を読むのはかなり難しいことです。アイコン代わりに形を見れば解る漢字の優位性を何時も感じています。ヨーロッパでは、出口の番号をみて走るしかないからです。

反対に車の移動の制約は、勿論アルコールが飲めない事と、移動中は食事は大変限定されます。だから、前回の様に食べ物屋さんに外れると、ガッカリします。それと、電車と違って、移動中に本が読めないことですね。新幹線の速度が速くなって、その読書の時間も随分と少なくなってきました。

移動の多い仕事だから仕方がないのですが、車の運転の恩恵は、美しい景色と四季の移ろいです。特に新緑のときの山々の美しさは例えようにありません。トンネルを抜けるごとに緑一色でありながらどれほど緑の色が多いのを感じさせられます。

秋の紅葉も美しいのですが、田舎の地元の道を走ると、美しい景色にあえます。そういうとき、車で移動していて良かったと心から思います。

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