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Channel: GRFのある部屋
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I.Kさんの ATC 礼讃

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神戸からお誘いが増えて、有り難い悲鳴です。そうしたら、I.Kさんからも、有り難いお誘いと新しく導入されたATCの大型システムのレポートが参りました。聴いてみたいですね。

神戸の近くの三田のI.Kです(笑)。

ご無沙汰しております。その後お元気でしょうか。
ブログは相変わらず快調のご様子何よりです。

港を眼下に見る、高層マンション、ひとつの理想型ですね。

さて我が家の書斎のスピーカーがATC SCM100Tsl に置き換わりました。ちょっと今回の ATC 礼讃を書いてみます。

銀座のお店で見ていたのと比較し、やはり自宅で見るとかなり立派というか大きいです。でも惚れ惚れとする仕上げ、Burr Magnolia のピアノフィニッシュは書斎のはりえんじゅの床とベージュ色の壁に何の違和感も無く溶け込みます。ちなみにこのエンクロージャーの美しさはそちらのユニコーンのそれに似通っています。いずれがアヤメかカキツバタ、でしょうか。

ホロビッツのかなり古い録音が味わい深く重量感を伴って聴こえてきました。背景の聴衆の興奮、ざわめきのリアリティーを持って伝わります。凄まじいほどの解像力とたっぷりとした重量感がやはりこのスピーカーの第一印象です。バレンボエムがバックを勤めるエルガーのチェロコンチェルト、ワイラーステインのチェロも実にたっぷりとしています。

ジャズでは確かにいいのですが、もう少しパワーがほしくなる ・・・ そこのところをどう解消しようかと思案してみました。こちらの書斎に別のパワーアンプを持ち込み、マルチ駆動は考えていません。

ここでできること、セオリーとしてはやはりスピーカーユニットの増し締め、それとこのスピーカーにはエンクロージャー木部とは別のバッフル部分もありますので、この部分の増し締めを実施しました。

予想通りというかかなりの効果がありました。是枝さんの6550プシュプルステレオパワーアンプアンプのパワーが不用意な振動でかなりロスされていたのでしょうか、増し締めの後はかなりしっかりとウーハーに伝わり駆動力が上がった感じです。もしくはパワーアンプの実際のパワーが質を上げながらも3倍になったよう、とも言えます。そして中高域も音の端のわずかにじみというか歪み感が減った気がします。

これは後になって解ることです、最初に聴いているときは充分美音でにじみなど感じていなかったのですが。ここがオーディオの面白いところと云うか、難しいところです。マイスキーのバッハの無伴奏旧盤はチェロが音像が浮き上がる感じ、スピーカーから遊離するというのでしょうか、音色はより優しくふっくらとしてきた気がします。星影のステラでキースジャレットの呟き・うなりがより盛大に聴こえてきます。でもうるさいのではなく、とても心地良くよりライブ感が高まります。パワーアンプのマルチ駆動ではなくてここまで呟きが盛大なのはやはり ATC ドライバーの優秀さでしょうか。

年甲斐もなく、やったね !!! こんな感じです。

いくつかスピーカーケーブルも変更してみました。ピアノの響きもより透明感が増します。更に中低域も伸びたようです。実に素直に反応してくれます。このすぐさまの反応の良さからするとやはり能力の相当高いスピーカーなのでしょう。音の純度の高さと解像力は特筆もの、でもひ弱さは一切なくもの凄くパワフル、たっぷりとした重量感をもたらしてくれます。しかも品位を保っているというか、表面的にはかなりの品位の高さですが、しかしエネルギー感をしっかりと秘めている、蓄えています。

例えていえば、素晴らしいシェイプを保っていた、バターフィールド8の頃のエリザベス・ティラーか、ブーベの恋人のクラウディア・カルディナーレ、羅生門の京マチ子 ・・・ 彼女たちの魅力そのものかもしれません。いずれの女優も高校生にもならない頃の記憶なのですが、子供の頃の記憶は強烈なものですね。

お若い頃の瀬川さんならば拒否されたようなグラマラスな音かもしれませんが、守備範囲が広いというか気の多いわたしにはもの凄く魅力的です。

あの阪神大震災の少し前にATC 200を鳴らしていました。わたしにとって初めての本格的マルチアンプ駆動のスピーカーでした。専用のチャンネルディバイダーが付属していていることがマルチに取り組む難しさを振り払ってくれました。パワーアンプはクラウト、わたしが当時認める唯一のリンのアンプでした。もの凄い解像力、情報量、それが記憶に残っています。かなりというかとても素晴らしい音でしたが、そこで大震災の発生となりました。

一月ほど前に銀座のお店で 極上に美しい ATC に出会ったとき、瞬時にそんな記憶が甦ったのだと思います。そしてできればあの頃を取り戻したい、絶望的で鬱屈した日々をリベンジしたい、そんな思いが巡ってきたのです。

GRFさん、少しは仕事も忘れゆっくりと神戸中心に数日を過ごす計画も立ててみてください。それとよろしければ本日ブログの神戸に移られた方に、こんな奴がいるとお伝え願えればうれしく思います。

長々と失礼しました。季節の変わり目、ご自愛ください。



あの未曾有の大震災で失った時間を取り戻したい。あれから、また再スタートを切られて、より大きな結果を残してこられたI.Kさんだからこその、情熱的なお便りに感動しました。ATCを聴かれる方、使いこなされている方は、皆さんバイタリティに溢れて、飽くなき追求を重ねて行かれる方が多いようです。愛用するスピーカーから、持ち主の生活が見えてくる、それが本物のオーディオ機器だと思います。機械に使われているだけでは、けっして良い音は出てきません。自らの夢をはっきりとした目標がみえ、それからぶれない日々を送れるからこそ、到達できる高く、遠い道だと思います。

神戸に行ったら、お寄りするとことが、ますます増えました。I.Kさんからも、「少しは仕事も忘れゆっくりと神戸中心に数日を過ごす計画も立ててみてください」と言われました。神戸は仕事ばっかりで、我ながら貧乏性だと呆れています。年に一度、淡路島などで、のんびり会合を開きたいと思いました。




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