Quantcast
Channel: GRFのある部屋
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2210

土曜の午後はSさんが

$
0
0
土曜日の午前中は、iphone6のセッティングで明け暮れました。取説もついいていないので、アップルサイトからダウンロードから始めなくてはなりません。しかし、先日交換した普通の電話機の取扱説明書と違って、日本語では書かれているのですが、単語に説明が無く、まるで外国語を読むように難しいのは、年寄りの所為だけでしょうか?何遍読んでもほとんど理解できません。取説のあんちょこ本が必要です。

指紋認証をようやく終えた頃には、お昼を回っていました。今日の午後は、六月の続きで、Sさんが、GRFのある部屋の装置を聴きに来られる日だからです。iphoneの取説に格闘している家に、大整理をする時間が無くなり、案の定、散らかったままで聴いていただくことになりそうです。

一時半頃、車で来られるSさんの為に、駐車場の車を移動している時に、少し早めにSさんが到着されました。早速、上がっていただき、今日は、和室には寄らず、その「GRFのある部屋」に入っていただきました。部屋は相変わらず片付いていませんが、いつもよりはまあまあかなと思ったりしました。何しろ、私自身が、なかなか来れない部屋なので仕方がありません(苦笑)。

いつもながら、事前に電源を入れる等は何もしていません。座られてから、SD05とCDプレーヤーの電源を入れる始末です。一週間以上聴いていないので、自然にずれているかもしれないので、いつものリタ・シュトライヒで、定位のチェックです。幾分右側のSPが後ろに下がっていたようです。1mm以下の微調整でも、音はがらりと変わります。横で聴かれていたSさんは、デコラの後方から音が聞こえると言われました。私は、SPの間に定位したシュトライヒの像が、立体的になるように調整していました。

定番のシューベルトのグレートを少し小さめの音で開始。微調整したばかりなので、しっかりと後方に定位していました。今日聴いていただく順番は、まずT4、Decola、GRFで行こうと大体考えていました。実際には、下記の順番で掛かりました。

1.MS-1 + SD05/50w 改 + PSD T4
2.DECCA Decola
3.Analog record + SoundParts Pre+6550Main + GRF
4.2Tr/38→5.6MHz + Weiss DD Converter(96KHz) +SD05/50w 改 + PSD T4
5.2Tr/38→5.6MHz + Weiss DD Converter(96KHz) +SD05/50w 改 + GRF
6.MS-1 + SD05/50w 改 + GRF

Sさんはどの様に聴かれたのでしょう。前回のユニコーンほどは、驚かなかったようですが。私自身は、原点である、最後のMS-1 + SD05 + GRFの音には、また、感動しました。タンノイのおとがどうしてこのように緻密で、コンサートホールの響きを伝えられるか!ますます、不思議な感覚でした。



GRF様

ご出張からお帰りの直後でお疲れにも関わらず「GRFのある部屋」へお招き頂き、本当に有難うございました。

3ヶ月前にユニコーンをお聴かせ頂いた時の衝撃がまるで昨日のように蘇ってきますが、今回はいよいよ真打登場ですから、それ以上の驚きを覚悟しながらお伺いさせて頂きました。

T-4から聴かせた頂きましたが、この段階でもちょっと信じられない出来事に遭遇しました。私は、ニアフィールドリスニングもやってみましたので、スピーカーが消えて後ろに広大な音場の広がりができるのは分かっていましたが、自分が位置を移動してもステージは動かず、見事に安定したままであることには一瞬我が耳を疑いました。勿論ステージの感じはコンサート会場を彷彿させるものですが、先般のユニコーンや後で聴かせて頂いたGRFと比べた場合、やや室内楽的な感じもしました。

次に登場したのが驚愕のデコラです。最初にフランク永井、越路吹雪を聴かせて頂いた時点では、レコードならではの、リアルでありながらもなんと柔らかく深みのある音だろうと聴き入りましたが、デッカのレコードにした途端様相は激変し、オーケストラの演奏を非常に密度の高い音質で余すところなく克明に描写するような音に変わりました。

それはあたかも「当社のレコードにはこれだけの情報を入れてある。もしこのように再生できないのであれば、それはあなたの装置か腕が悪い」と大見得を切っているが如くです。半世紀以上前にこれを出したデッカの底力を見せつけられた思いがしました。

そして真打のGRFですが、私とタンノイの接点は40年くらい遡ります。当時知人から、完全な防音の処理をしたリスニングルームを造りたいと思っているので、再生装置を選んで欲しい、と依頼を受けました。30畳以上の広さがあり、ステレオだけのへやを新たに作る訳ですから、制約を受けず好きなようにスピーカーを選べるわけです。

そこで、コーナー型にすることに決め、タンノイのオートグラフとヴァイタヴォックスCN191に絞って検討しました。クラッシックもジャズも半々位で聴きたいと言うオーナーの希望に合わせるには、断然ヴァイタヴォックスが合っているとその当時判断しました。

私にとりましてはタンノイはその時以来です。しかしこの部屋の主役?であるGRFは私の記憶にあるタンノイとは全く違います。当時選んだヴァイタヴォックスをも遥かに超越しています。でも、GRFさんの手にかかればヴァイタヴォックスもこのGRFを超えるかも、いや超えるに違いない、が私の率直な印象です。

ユニコーンからGRF迄お聴かせ頂いて確信を持ちました。(ユニコーンの時にすでに確信はありましたが)それは、それぞれの装置が凄くて勝手にいい音を出しているわけではなく、GRFさんの超がつくほどの達人の技で装置を自在に使いこなしていらっしゃるので、どの装置を鳴らしても装置の個性を残しながらも、最終的にはGRFさんの意図されている「演奏」に行き着く、が私の率直な感想です。

一口でオーディオと言っても、オーディオにおいて人はそれぞれ求めるものが異なるものだと私は理解しています。その中で私の場合、求めている演奏のあり方はGRFさんと殆ど同じと言えるほど近いものです。SD05のご縁でご指導いただくに至り、お陰様で拙宅の音もかなりの改善を見ることが出来ました。
今後とも引き続きご指導を賜りますようお願い致します。

S 拝

Sさんから過分なお褒めのお言葉を頂き、少しこそばゆい感じです。自分が聞きたい音を追求していたら、ある日、ポット出て来たというのが本当のところです。その音が偶然でもでたと言うことが、一連の調整の始まりです。何度も書きましたが、NFBとクロストークの無いSD05だから、出てきた音だったのです。音が濃い、薄いという次元の事は簡単に調整できます。しかし、クラシック本来のソースには言っている、ホールの残響の音や、会場の空気感のピントを合わせると、いままで打ち消されていた音が、出てくるのです。音を追求すると言うより、その音の背景のピントを合わせることが、早道のようです。 




Viewing all articles
Browse latest Browse all 2210

Trending Articles