四月の末に、北海道から戻ってきた時に、札幌のMさんという方から、シルバーのオートグラフにマランツ2/7+ガラード301という組み合わせで、クラシックを中心に音楽をたのしまれているので、札幌に来たときには、是非寄って下さいというご連絡を頂きました。
あれから、月に二回以上札幌に行っているのですが、札幌は便利すぎて、何時もぎりぎりの時間で戻ってくるので、なかなか、お寄りする時間が取れませんでした。とくに先週は、空席待ちで五時間も空港で時間を潰しましたが、その折り、Mさんのお誘いを思い出しました。今週もイベントが札幌であり、その予定が早く終わりそうだったので、急でしたが、当日の朝に、ご連絡をさせていただきました。Mさんは、突然の連絡にもかかわらず、お待ちしていますと、ご快諾を頂きました。それでも、予定が押して、三時頃のご訪問予定が、四時半を回ってしまい、大変お待たせさせてしまいました。
Mさんは、開口一番、忙しくされているのですねと、言われました。ブログをご覧の方々は、私のことを日本中、いや世界中を旅して、残りの時間は、演奏会に出かけたり、好きなレコードやテープ三昧して優雅にくらしている趣味人だと思われているそうです。しかし、実際は、いい年してまだ仕事で飛び回っているワーカホリック人間ですね。だからこそ、移動している間や仕事の合間に、いろいろと趣味のことを考えていられるのでしょう。ある意味、恵まれているし、ある意味、考え方が貧しいのでしょうか。横浜のMさんご夫妻のように、還暦前に会社を後進に譲って、優雅に世界中旅している本当の趣味人にはなれません。まぐろやカツオのような回遊魚で、常に泳ぎ回っていないとダメなのでしょうか。
Mさんのお宅は、札幌郊外の北広島です。開拓時代に広島から来た人が移り住んだと言われています。千歳から札幌に向かう快速電車の停車駅で、時間的には、札幌と千歳の中間地点になります。冬に札幌に行くと分かりますが、札幌は日本海側の気候です。特に石狩湾にちかい街の北側は雪が多く降ります。南には丘陵地帯があり、それを越えた北広島まで来ると、気候は、苫小牧側の太平洋気候になるようで、札幌ほどは雪は降らないそうです。しかし、寒さは厳しく、都市でもある札幌より数度も寒くなるようです。駅から、タクシーでMさんのお宅に向かうと、見える景色は、軽井沢のような林が続く素晴らしい環境です。
初めてお会いするMさんは、去年70歳で退官されるまで、大学の学長さんをされていた教育者なのですが、仕事柄、やはり全国を飛び回っていたそうです。空港には近いので、東京から戻ってくるときも、着けばすぐにご自宅に戻れるのですが、冬場の悪天候のため、空港まで来て着陸できず、東京に戻されたことが三回もあったそうです。やはり冬の天候は厳しいところなのですね。そんな話を、奥さまの入れていただいた美味しい珈琲を頂きながら、お聴きしました。Mさんは、四年後輩の私よりずーっとお若く、ざっくばらんな方です。ほぼ同じ年代と言うこともあり、聴いている音楽がほとんど同じなのも、安心致しました。
収集されているレコードも、ほとんどがオリジナル盤です。その差をしっかりと分かっていらっしゃるからでしょう。私も使っているブラシで埃を払い、愛用のオリジナルSPUを3.8gで載せれば、あとは音楽の世界へと入れます。最初は、Autographから、箱は国産ですが、中はシルバーが入っています。シルバー特有の凝集感があり、安定した響きで音楽がなります。レッドのような高域の特徴有る音や、ゴールドの様な広帯域ではありませんが、その分安心して音楽に専念できます。
アンプは、プリがマランツ7でパワーアンプはマランツ2の黄金コンビです。家の近所のA氏のシルバーGRFと同じ組み合わせですね。SPケーブルは初期の細番手のウェスタンです。細部までしっかりと気配りが行き届いております。ヴィンテージのタンノイをならすとき、大事なのは、今時の太い番手のSPケーブルを使わないことです。
Mさんのシステムにはもう一つの特徴があります。それは、モノラルのLP再生専用のカートリッジです。この緑色のものは二台目だそうです。今一つ古いタイプもが愛用されていますが、現在針交換中です。オリジナルのカンチレバーがなかなか見つからず、時間が掛かっているそうです。でも、その待つ時間も楽しみの一つだと、泰然とされていました。ガラードの力強い音とあいまって、音楽が気持ち良く流れていきます。
オートグラフの前にあるSPはローサーのオリジナルバックロードホーンです。この音には、シルバー以上に驚かされました。チェンバロやジャズを掛けるときなどは、このローサーを使われているそうです。アンプは、QUADで統一されています。パワーアンプは、ST管タイプのKT-66を使用したオリジナルです。私は初めて聴かせて貰いました。楽々とLowtherを駆動しています。
CDプレーヤーは、PHILIPSの2000とSTUDER A-730をお使いです。両方とも安定して音楽を伝えてくれるプレーヤーです。レコードがレコードらしく、CDもその伝統に則り悠然と音楽を奏でていきます。PHILIPSの2000は静岡の音楽人さんと同じだと思っていましたら、Mさんも音楽人さんとは交流があるそうです。音のならし方にも共通点がありますね。
一方、Mさんの装置には、PCオーディオも組み込まれ、iphoneから操作出来ます。Mさんの素晴らしいところは、古い音の良さを、味わいながら、新しい仕組みにも積極的に取り組んで行かれる姿勢です。DAコンバーターとQuadのプリの間に、リピーティングコイルを入れると、時代の差が無くなり、全体のバランスを保って、新しい音を聞くシステムになっていくと思われます。
短い時間でしたが、隅々まで目の行き届いた装置には、感服致しました。真実は細部に宿るといわれます。Mさんの装置は、長い経験に裏打ちされた、細部へのこだわりが、集まってこの音を奏でているのだと確信致しました。
お酒を飲まれないMさんに、美味しい珈琲をごちそうになりました。奥さまの入れた珈琲は、どこの喫茶店より美味しく、Mさん自ら豆を挽き、入れて下さった本当のエスプレッソも忘れられません。また、美味しいチーズの盛り合わせにも感心致しました。時間が無く、何も持たずに現場から直行したので、大変恐縮しながら美味しいおもてなしを受けました。
東京に来られたときは、ぜひお立ち寄り下さい。近所の同じ様な装置を使っている友人もご紹介したいと思います。
あれから、月に二回以上札幌に行っているのですが、札幌は便利すぎて、何時もぎりぎりの時間で戻ってくるので、なかなか、お寄りする時間が取れませんでした。とくに先週は、空席待ちで五時間も空港で時間を潰しましたが、その折り、Mさんのお誘いを思い出しました。今週もイベントが札幌であり、その予定が早く終わりそうだったので、急でしたが、当日の朝に、ご連絡をさせていただきました。Mさんは、突然の連絡にもかかわらず、お待ちしていますと、ご快諾を頂きました。それでも、予定が押して、三時頃のご訪問予定が、四時半を回ってしまい、大変お待たせさせてしまいました。
Mさんは、開口一番、忙しくされているのですねと、言われました。ブログをご覧の方々は、私のことを日本中、いや世界中を旅して、残りの時間は、演奏会に出かけたり、好きなレコードやテープ三昧して優雅にくらしている趣味人だと思われているそうです。しかし、実際は、いい年してまだ仕事で飛び回っているワーカホリック人間ですね。だからこそ、移動している間や仕事の合間に、いろいろと趣味のことを考えていられるのでしょう。ある意味、恵まれているし、ある意味、考え方が貧しいのでしょうか。横浜のMさんご夫妻のように、還暦前に会社を後進に譲って、優雅に世界中旅している本当の趣味人にはなれません。まぐろやカツオのような回遊魚で、常に泳ぎ回っていないとダメなのでしょうか。
Mさんのお宅は、札幌郊外の北広島です。開拓時代に広島から来た人が移り住んだと言われています。千歳から札幌に向かう快速電車の停車駅で、時間的には、札幌と千歳の中間地点になります。冬に札幌に行くと分かりますが、札幌は日本海側の気候です。特に石狩湾にちかい街の北側は雪が多く降ります。南には丘陵地帯があり、それを越えた北広島まで来ると、気候は、苫小牧側の太平洋気候になるようで、札幌ほどは雪は降らないそうです。しかし、寒さは厳しく、都市でもある札幌より数度も寒くなるようです。駅から、タクシーでMさんのお宅に向かうと、見える景色は、軽井沢のような林が続く素晴らしい環境です。
初めてお会いするMさんは、去年70歳で退官されるまで、大学の学長さんをされていた教育者なのですが、仕事柄、やはり全国を飛び回っていたそうです。空港には近いので、東京から戻ってくるときも、着けばすぐにご自宅に戻れるのですが、冬場の悪天候のため、空港まで来て着陸できず、東京に戻されたことが三回もあったそうです。やはり冬の天候は厳しいところなのですね。そんな話を、奥さまの入れていただいた美味しい珈琲を頂きながら、お聴きしました。Mさんは、四年後輩の私よりずーっとお若く、ざっくばらんな方です。ほぼ同じ年代と言うこともあり、聴いている音楽がほとんど同じなのも、安心致しました。
収集されているレコードも、ほとんどがオリジナル盤です。その差をしっかりと分かっていらっしゃるからでしょう。私も使っているブラシで埃を払い、愛用のオリジナルSPUを3.8gで載せれば、あとは音楽の世界へと入れます。最初は、Autographから、箱は国産ですが、中はシルバーが入っています。シルバー特有の凝集感があり、安定した響きで音楽がなります。レッドのような高域の特徴有る音や、ゴールドの様な広帯域ではありませんが、その分安心して音楽に専念できます。
アンプは、プリがマランツ7でパワーアンプはマランツ2の黄金コンビです。家の近所のA氏のシルバーGRFと同じ組み合わせですね。SPケーブルは初期の細番手のウェスタンです。細部までしっかりと気配りが行き届いております。ヴィンテージのタンノイをならすとき、大事なのは、今時の太い番手のSPケーブルを使わないことです。
Mさんのシステムにはもう一つの特徴があります。それは、モノラルのLP再生専用のカートリッジです。この緑色のものは二台目だそうです。今一つ古いタイプもが愛用されていますが、現在針交換中です。オリジナルのカンチレバーがなかなか見つからず、時間が掛かっているそうです。でも、その待つ時間も楽しみの一つだと、泰然とされていました。ガラードの力強い音とあいまって、音楽が気持ち良く流れていきます。
オートグラフの前にあるSPはローサーのオリジナルバックロードホーンです。この音には、シルバー以上に驚かされました。チェンバロやジャズを掛けるときなどは、このローサーを使われているそうです。アンプは、QUADで統一されています。パワーアンプは、ST管タイプのKT-66を使用したオリジナルです。私は初めて聴かせて貰いました。楽々とLowtherを駆動しています。
CDプレーヤーは、PHILIPSの2000とSTUDER A-730をお使いです。両方とも安定して音楽を伝えてくれるプレーヤーです。レコードがレコードらしく、CDもその伝統に則り悠然と音楽を奏でていきます。PHILIPSの2000は静岡の音楽人さんと同じだと思っていましたら、Mさんも音楽人さんとは交流があるそうです。音のならし方にも共通点がありますね。
一方、Mさんの装置には、PCオーディオも組み込まれ、iphoneから操作出来ます。Mさんの素晴らしいところは、古い音の良さを、味わいながら、新しい仕組みにも積極的に取り組んで行かれる姿勢です。DAコンバーターとQuadのプリの間に、リピーティングコイルを入れると、時代の差が無くなり、全体のバランスを保って、新しい音を聞くシステムになっていくと思われます。
短い時間でしたが、隅々まで目の行き届いた装置には、感服致しました。真実は細部に宿るといわれます。Mさんの装置は、長い経験に裏打ちされた、細部へのこだわりが、集まってこの音を奏でているのだと確信致しました。
お酒を飲まれないMさんに、美味しい珈琲をごちそうになりました。奥さまの入れた珈琲は、どこの喫茶店より美味しく、Mさん自ら豆を挽き、入れて下さった本当のエスプレッソも忘れられません。また、美味しいチーズの盛り合わせにも感心致しました。時間が無く、何も持たずに現場から直行したので、大変恐縮しながら美味しいおもてなしを受けました。
東京に来られたときは、ぜひお立ち寄り下さい。近所の同じ様な装置を使っている友人もご紹介したいと思います。