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Channel: GRFのある部屋
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収納スペースの大問題

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部屋の整理をしている時、収納で一番嵩張るのが実はテープです。7½インチのテープの大きさは、45回転のEP盤と同じですが、厚さが⅔インチ・17mm有ります。10巻で幅が17センチになります。レコードは、厚さが平均3.5mmですから、幅が43センチぐらいの棚には、約120枚のレコードが並びます。その棚には4トラックのテープは25巻しかはいりません。高さが34センチ以上あれば、上下二段にして50巻です。もちろん奥行きは違いますが、前後に並べるわけにはいきませんので、レコードと比べると、幅・高さが同じ棚ならば、収納枚数は半分以下になります。

もっと困るのは、2tr/38用の10インチテープです。高さは27センチでほぼレコードと同じ高さになりますが、幅は5倍近く違いますので、それだけ収納スペースが必要となります。もっとも、38/2trのテープは生テープでも大変高価なので、それほどどんどん買うわけにはいきませんので、何とかみあっています。放送局で、デジタル時代になってどんどん、テープを処分したのは分かる気がします。

家のレコード棚は、部屋を作ったときに予算が無くなり、半年ぐらい遅れてようやく作ることが出来ました。作り付けの家具は大変高いので、清水の舞台から飛び降りる覚悟でした。その意味で、このレコード棚に入れるレコードは自ず限定され、その収容数が、レコード収集数の限度を決めてくれました。もっとも、その後からA氏からレコード棚を譲られて、倍ぐらい収納スペースが増えて、一時は危ない時期もありましたが、オリジナル盤が大変高価になったので、自動的に収集の範囲が限定されたのは幸運でした。

レコード収集家は自らの作った罠に自らが嵌ることが良くあります。収集欲はどんどんと深まり、300枚、1000枚、5000枚、10,000枚と終わることはありません。昔の秋葉原にあった量販店のストック棚見たくなっていきます。GRFの部屋の作り付けの棚は、柱の間隔と北側斜線の影響から上下方向は五段ですが、高さを34センチにすると、2,100の高さがあれば、棚板を入れても六段が可能です。幅は半間に二列とすると、43センチになります。そこに、びっしりと入れれば120枚のレコードが収納でき、五段なら600枚、六段なら720枚が収納可能です。一間幅の空間にはそれが四列並びますから、2400枚か2880枚が入ることが出来ます。

言い換えると、普通の一間半の幅の壁には、約4000枚のレコードしかはいらないのです。もちろんこれは裸のレコードの場合です。ボックス物はこの半分以下です。ゆえに一万枚を遥かに超しているレコード収集家の先輩のお宅の棚という棚は、レコードで埋め尽くされています。廊下の棚も洗面所の普通はトイレットペーパーが入っているような棚も、開けるレコードがぎっしり。寝室も、はたまた、子供が独立して使わなくなった押し入れも、すべてレコード棚です。

先の計算ですと、幅一間、高さ一間の押し入れには、びっしり入れてもで2400枚です。箱物も考慮して、一列500枚とすると、平均2000枚のレコード収納数ですね。もしあなたが、何十年もの間続いている真性のレコード収集家ならば、何時かは一万枚に達するでしょう。その場合は、幅一間の押し入れが、五個分すべてレコードに埋まることになります。

最近のマンションは、一つの部屋に一つの押し入れがあれば上々です。生活をしないマンションなら、すべての押し入れを使っても良いでしょうが、それでも、4LDKでも最大四つでしょうね。8000枚しか!収納できないのです。これは切実な悩みなのです(笑)。

でも一言で、一万枚のレコード収集と言っても、これは大変な努力が必要です。私も、高校生の頃から、クラシックレコードの購入は始まりました。当初から、日本盤と輸入盤の音質の差に気がつき、出来る限り輸入盤を購入してきましたが、もちろん学生の分際では限度があります。本格的なレコード収集が始まったのは、二十代後半からですから、それでも、クラシックの輸入盤は40年以上掛かって、数千枚というところです。

実は、Aさんから譲っていただいた、今一つの大きなレコード棚を、置き場所がないので、物置に収納しています。そちらには、貸しレコード屋さんが店仕舞いしたとき手に入れた、JPOPSや歌謡曲のレコードが、やはり二千枚位有ります。そちらには、EPレコードも数多くあるのです。整理用に厚手のビニール袋まで用意はしてあるのですが、いまだ手つかずです。好事家のもとへそのまま行く公算が高いですね。

CDの時代になって、レコードが比較的、安価で流通していた時代がありました。その頃、200円から500円ぐらいの価格で、まとめて購入することが出来ました。その頃、英国の中古レコード屋さんの店頭で、古本屋さんの店頭で、一冊100円で並んでいるような感覚で、一枚50ペンスのレコードを買い漁っていました。イギリスから、それらの中古品を持って帰るとき、ダンボールに詰めて、空港まで運んだときの重さを今でも思い出します。それから、現地の郵便局を探し出し、船便で別送品扱いで送り出しました。

そうやって、比較的安価な価格で、収集を拡げることが出来たのは僥倖と言うべきでしょう。90年代の後半には、また初期盤と同時に、それらの再発盤の初版物も値上がりをしたからです。45年掛かって数千枚のレコード言うことは、一年平均では、100枚少々です。一月あたり、10枚ぐらいをコツコツと取り寄せていた時代もありました。国内の中古屋さんで、高い価格で買っていた友人にも、海外からの通信販売のコツを教えたりして、小遣いの範囲内でできる収集を積み重ねていったのです。国内盤のレコードの価格は、昔からあまり変わらず、2000円前後、輸入盤は、2000円から3000円の間です。10枚買うと言うことは、毎月、2〜3万の出費でした。お小遣いのほとんどをレコード収集に費やしてきたと言うことです。でも、それがレコード愛好家の平均ではないでしょうか?

レコード全盛時代の70〜80年代に収集していた盤も多く、その後の異常な価格の高騰には、あまり影響されなかったのは幸いです。私より、ずーっと若い世代が、一枚数万円のレコードを購入しているのは、不自然だし、価値観の基準が、少し歪んでいるのではとも思いました。時代が違う人が、高騰したレコードを家庭を犠牲にしてまでも、購入してそれを自慢しているのを見ると、違和感を覚えます。

レコードの高騰は、私が、CDの再生に力を入れ初めた理由の一つです。CDが音が悪く、レコードの方が音が良いと、単純に言われることにも、違和感を感じたからです。確かに、CDをそれなりの音でならすには、努力がいりました。だからといって、レコードもそれなりの音で鳴らすには、それなりの苦労と費用が必要なのです。現在でも、アナログ系統の方が、費用が掛かかります。

限定された収納スペースが、レコード収集に歯止めを掛けることが出来ました。現在行っている、テープのファイル化も究極の目的は、スペースの確保と再生の安定化です。茅野や大阪の拠点に向かうとき、それらの変換済のテープを、何ケースもダンボールに詰めて、移動をしています。おかげで、だんだん「GRFのある部屋」は片付いてきましたが、一方で、拡散しているだけとも言えます。福島の汚染物質を日本中にばらまいている様な気にもなっていて、どこか心は落ち着かないのです・・・。


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