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Channel: GRFのある部屋
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静かな環境を求めて

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私の様なクラシックを主体に聞いているオーディオ装置で一番重要な事は、部屋の環境も含めた装置のS/N比だと思っています。大阪の都会の真ん中でもあれほど効果がある、二重窓の優位性についても言及しました。都会では、車の走行による暗騒音が常に響いていて、音楽の微妙な音を消しています。一流のオーケストラとそうでないオーケストラの差は、フォルテシモの差ではなく、ピアニシモの差だといわれます。ミューザ川崎のホールの音が良いと言われているのは、あの静けさから来ていると思います。あの静寂があって初めて、大オーケストラのダイナミズムが再現出来るのだと思います。

オーディオのコラムやブログの記事を見ると、昔はSPの性能やアンプの性能が多く語られていたのですが、最近はオーディオアクセサリーの事がメインに語られています。反射板や吸音板、そして拡散板や棒が、あたかもオーディオの使命を制するような書き方がされています。また、音を吸収しすぎると、音の勢いや艶が無くなるとも書かれていて、平行の壁が多い環境で、いかに音を分散、吸収して、周波数特性を合わせるかに腐心されています。

部屋のコーナーやSPの後ろに音の反射板や拡散板を入れないとまともの音にならないとさえ書かれているのを見ると、普通の部屋では音楽は聴けないのだと言われているようです。何ごともそうですが、自分でいろいろ検証しないで、雑誌やブログで書かれた事を信じるのは、判断を誤る元なのですが、権威有る専門誌の言うことを、人々は信じたいのでしょう。あるところで、自分は専門誌の表紙を飾らない機器は家には入れないと宣言している方に遭い、呆然としたことを覚えています。当然、表紙を飾る機器は各メーカーのフラッグシップですから高価です。とてつもなく高価です。自分の年収を超える機器を嬉々として揃えている人やそれに憧れている人を見ると、やはりどこか人生の優先順位が違っているのではと思わざるを得ません。バブル時代から抜けていない人が結構多いのです。

もちろん、世の中には桁違いのお金持ちもいます。節税対策で、備品として購入している人もおられるでしょう。自分が稼いだお金をどう使おうが、勝手だと言われる方ももちろんおられるでしょう。そのようなスーパーリッチの購買力と気まぐれで、成り立っている高級オーディオ店も知っています。骨董品屋と同じで、納品時と下取り時の両方で利益が得られます。骨董品屋では、最高級の品を作るために、良いものでもわざと壊すこともあるそうです。希少性を維持するためですね。私が集めているNagraのT-Audioも現存する物は世界中で数百台だそうです。TIは百台を切っているでしょう。ですから時間が経てば経つほど、希少性を増し価格は上昇します。円安もその傾向に拍車を掛けています。私のブログを見て価格があがり喜んでいるお店も多いのかもしれません。

でも、オーディオはお金の額ではないし、ましてアクセサリーがオーディオのすべではありません。今までも、SPの置き方や、その調整の方法を何度となく書いてきました。大体の合わせ方、具体的な方法、微調整の方法も書いてきたつもりです。昨日、Nagra T-Audioの4trackヘッドの換装から戻る途中のOさんが寄られたので、調整方法のアイデアをお話ししました。その時も確認したのは、やはり装置のS/N比の確保が一番大事だと言うことです。

昔、真空管のアンプを作っていたとき、特に無帰還のアンプや、電源を内装するアンプでのS/N比の確保には神経を使っていました。真空管でも、私の使用してるサウンドパーツさんや是枝さんのプロのレヴェルでは、全くS/N比は問題有りません。何十年前のマランツでも、ハムやノイズが無いのが当たり前です。よく、200vと100vの電源を併用しているお宅では、アースが浮いたり、ループを作って、ハムがでているお宅もあります。これは、電源の違いを勉強されればすぐに解る事ですが、いまだに、その手のハムは必要悪だと思われているマニアがおられるのには驚きます。況んや、音が良いからハムを我慢しているのには驚きます。

アンプのハムは、音楽のピアニシモを完全にスポイルします。ちょうど、真っ暗な筈の映画館のドアが開いて、外の明るさが侵入しているような状態です。レコードのアームのアースの浮きや、二点アースのハムの誘導、アンプのコンデンサーの不良。部品の配置や向きでも、もちろん変わりますが、CDの時代になって、30年以上も経っているのに、レコードの時代のS/N比以下では、CDの良さは分からないでしょう。

それと同じなのが、部屋の静けさです。私の部屋のガラスは、二重ガラスですが、大阪の結果を考えると、やはり二重窓にしようと思いました。また、同じ部屋の中に、二つのSPを置くと、音が共鳴・共振・吸収しあって、相当音を悪くしています。最低でも使っていないSPの端子をショートしておく配慮は必要だと思います。また、オーディオの部屋に、奥さまやお子さんのピアノを同居されている方も多いと思いますが、これは、音響には本当に良くありません。最低限、弦を押さえておく必要がありますが、お父さんの自主独立を目指して、家庭内独立戦争をされる必要があります。独立戦争は厳しい反抗に遭いますが、自立こそが自由を得る戦いなのです!

私は、家庭を持ち、お子さんを育てている人のオーディオを応援しています。私もそうでした。お子さんが大きくなったら、お父さんは子離れして、奥さんからも独立して自分の世界を持つことが必要なと思います。ゴルフや飲みにでるのも、その一つです。最近は自転車で、朝から走り回っている人も増えてきました。もっともそう人に限って専用の部屋はあったりするから、家庭内事情は一層複雑です(笑)。







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