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Channel: GRFのある部屋
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しばらく聴かないと

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結局、Oさんは、4トラック用ヘッドに換装をしたばかりのT-Audioを積んだまま車を家の駐車場にいれて、私と赤ワインを飲んでしまったので、翌る日の午後、その車を引き取りに来られました。私は昨日は風邪気味だったので早く寝たのが良かったのか、今朝は大分回復していました。朝早く、少し過激な記事を書いて、少しばかり溜飲を下げたので、その勢いを買って、和室の方の部屋の整頓と掃除をしました。隅々まで掃除機を掛けると、気持ちも晴れてきます。久しぶりに和室のアンプの火を入れてCDを聴き始めました。

でも、何だか音が眠い!どこかピントが合っていない感じです。入力系を入れ替えてもやはり同じ様に、ピントが合いません。ジュリーニ特有の音の冴えが感じられないのです。しばらく鳴らしていない所為もあるでしょう。季節が移り、気温も10度ぐらい下がり、湿度も安定してきました。いよいよオーディオの季節を迎える準備期間に入ってきたのですが・・・。

SPの位置を確かめ、ネジの緩みも少しだけ締め直して、やれることはやりなおしました。しかし、まだ音のバランスがとれませんし、全体にぎこちないのです。emmは音が優しすぎるし、CD34改は、切れ味が出て来ません。う〜ん。しばらく鳴らすしかないのかもしれません。無難だけど、音の深みがイマイチなく、おとなしいけど、すこし平板な音なのです。

しばらく鳴らしていると、だんだんまとまっては来たようです。そんなこんなで、聞き込んでいるところに、Oさんがやってきました。今日は、掃除をした和室で聴いていただけますが、昨日の、T4とGRFは良い音でまとまっていたのですが、今日のユニコーンはまだ、少しちぐはぐです。

CD34改に切り替えたとき、気がつきました。隣の部屋に常用のケーブルを持って行っていることを。それで、早速、持ち帰り繋ぎ直しました。それで、ようやく納得できる音になりました。大きな違いです。夏の間はそれほど変わらなかったのですが、季節がすすみ、空気が乾いてくると音も変わるからでしょう。以前の音が出て来て急速に音がまとまり始めました。面白いのは、触っていないemmの方の音も当たりがでてきたのか、Oさんが、帰られた後もジュリーニのブラームスを出して聴き直しました。

第一ヴァイオリンのボーイングが揃って、切れ込んでいく様な、これぞ、ウィーンフィルの音という演奏を聴かせてくれます。木管や低弦は悠揚迫らざる音で、切ない時間が過ぎていくのが、ブラームス的です。このところ、テープのファイル化した音ばかり聴いていた所為か、CDの音に少し戸惑いましたが、だんだん良い音になり始めました。先程のウィーンフィルの音も、上に抜け始めようやく秋の音が鳴り出しました。それから、いろいろなCDを出してきて、いろいろと聞き比べをしました。同じケーブルで揃えたせいか、emmもCD34も同じ傾向の音になって来たのが、やはり不思議ですね。

充実した音は部屋一杯に鳴り響き、壁が消えて、この六畳の部屋が、演奏会場になっていきます。コントラバスの深々とした響きがでてくるのです。何度体験しても、このワープ感は不思議です。この様な音が出てくるのに、何故、オーディオマニアは、いろいろな物を足して、音を難しくするのでしょう。いじればいじるほど、音は濃くなっていき、自然な感じから離れていきます。あるがままの音がする、Feeling of Beingの「FOB」が、SD05を作ったときの石田さんの気持ちでした。その音に感動して、自分も随分と遠い所まで歩いてきたと思いました。

ほとんどCさんにお願いしている、4トラックテープのワンビット化された音を聞いていて、このテープが作られた50年前の音を考えていました。本当に、この50年間に音は進歩したのだろうかと。デコラで、4トラックの音を聞くと、つくづくと考えさせられるのです・・・。




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