NHKの木曜時代劇は、家族も好きな番組で、毎週欠かさず見ているようです。もっとも、その間にも介護や野暮用もあり、観ながら同時進行で、録画もしています。私も休みの午後になると、最近は来客も無いので、それらの録画番組をまとめてみるようになりました。一週間分の自転車のこころ旅をざっと見てから、その木曜時代劇に移りました。主人公(狂言回し)がさえない同心の設定も良いのですが、見事に太った松坂慶子の役どころ、お徳さんには感心しました。キャスティングが上手いですね。随分前に、原作を見たことがあると思い、探して見ると宮部みゆきファンの家人は、どこからか、どっさりと本を出してきて、枕元に並べたのです。
ぼんくら・日暮らし・おまえさんの三話が、このぼんくらシリーズのようです。
読み始めたのは、連休初日の夕方。
はまりました。
翌る日の日曜も、丹沢まで出かけた月曜の電車の中でも、終わらず、火曜日は仕事の合間に夜まで掛かって、ようやく宮部ワールドから帰還することが出来ました。主人公は「ぼんくら」な同心だけど、描写は女性の視点・考え方・感じ方で書かれているので、こちとらは、ふむふむ、あらあら、ビックリ仰天の連続でした。主人公の台詞では無いけれど、「おんなは怖い」を感じた三連休でした(爆)。
一体に、宮部みゆきのストーリーの展開には定評があります。心理の移り変わりというか、まるでドキュメント映画のように、ワンカットが長く、心理の描写が自然で細密です。思いもしなかった方向に劇的に人生の舵を切っていく瞬間も、それが必然の如く展開していくのです。その描写力に驚き、引かれます。また、登場人物の設定が、きわめてユニークな視点から大胆かつ細描されています。心理のグラデーションの移り変わりの妙に引かれ、宮部ワールドに吸い込まれていくのです。
それは、時代劇ばかりではありませんが、現在進行形で進んでいく、現実の儚さ、こわさが、時代劇になると、フレームがしっかりするので、より色濃くまた鮮やかになっていきます。今回の舞台は、深川だけですが、作者自身がその深川に住んでおり、現在にも残る、運河や地名に、想像の輪を拡げて創作活動をされているのが、時代を超えて感じられます。勝手な思い込みによって、現実を見ない男の身勝手や、現実を引き込み、飲み込み、回りを操っていく女の底力を感ずるのは、時代劇ばかりではなく、宮部ワールドの特徴ですが、時代劇という限られた舞台の中の方が、象徴的に描写しやすいのではないのだろうと、読んでいて感じられました。問題は、老人力の付いてきたので、登場人物の名前をすべて覚えられないぐらい事です。おもんとか、おしまとか、ひらがなばかりの所為もありますね。漢字の名前はアイコンとなって、認証されるのですが、ひらがなにはそれがありません。
木曜時代劇も、原作に忠実に細かいところまで、よく作り込まれているので、一度見てみると、深川の貧乏長屋へワープできて楽しめると思います。
ぼんくら・日暮らし・おまえさんの三話が、このぼんくらシリーズのようです。
読み始めたのは、連休初日の夕方。
はまりました。
翌る日の日曜も、丹沢まで出かけた月曜の電車の中でも、終わらず、火曜日は仕事の合間に夜まで掛かって、ようやく宮部ワールドから帰還することが出来ました。主人公は「ぼんくら」な同心だけど、描写は女性の視点・考え方・感じ方で書かれているので、こちとらは、ふむふむ、あらあら、ビックリ仰天の連続でした。主人公の台詞では無いけれど、「おんなは怖い」を感じた三連休でした(爆)。
一体に、宮部みゆきのストーリーの展開には定評があります。心理の移り変わりというか、まるでドキュメント映画のように、ワンカットが長く、心理の描写が自然で細密です。思いもしなかった方向に劇的に人生の舵を切っていく瞬間も、それが必然の如く展開していくのです。その描写力に驚き、引かれます。また、登場人物の設定が、きわめてユニークな視点から大胆かつ細描されています。心理のグラデーションの移り変わりの妙に引かれ、宮部ワールドに吸い込まれていくのです。
それは、時代劇ばかりではありませんが、現在進行形で進んでいく、現実の儚さ、こわさが、時代劇になると、フレームがしっかりするので、より色濃くまた鮮やかになっていきます。今回の舞台は、深川だけですが、作者自身がその深川に住んでおり、現在にも残る、運河や地名に、想像の輪を拡げて創作活動をされているのが、時代を超えて感じられます。勝手な思い込みによって、現実を見ない男の身勝手や、現実を引き込み、飲み込み、回りを操っていく女の底力を感ずるのは、時代劇ばかりではなく、宮部ワールドの特徴ですが、時代劇という限られた舞台の中の方が、象徴的に描写しやすいのではないのだろうと、読んでいて感じられました。問題は、老人力の付いてきたので、登場人物の名前をすべて覚えられないぐらい事です。おもんとか、おしまとか、ひらがなばかりの所為もありますね。漢字の名前はアイコンとなって、認証されるのですが、ひらがなにはそれがありません。
木曜時代劇も、原作に忠実に細かいところまで、よく作り込まれているので、一度見てみると、深川の貧乏長屋へワープできて楽しめると思います。