STREISAND Partners

諏訪のインターで、東京行きの高速に乗れたのは、もう４時を回っていました。お土産の釜飯が売り切れで、次のロットが来るのを20分ほど待っていたからです。秋の日はつるべ落とし、富士見高原の中央高速最高地点を過ぎるとき、頂上だけ雲の中に隠れたけど、回りの山々がもう日が陰ったのに、一人富士山だけが残照に輝いていました。

長坂・韮崎とその富士山の残映を追いかけてきましたが、甲府盆地に入るとあたりは夕闇に包まれてきました。聞こえてくるNHKの午後の番組まりやーじゅ。本日のゲストは、湯川れい子さん。ほぼ一回り上のお姉さんですね。政治的にも大変勇気ある発言をされているし、様々な活動も行っています。若い頃からお声を聞いているけど、まったく変わらないどころかますます若くなっています。

作詞家としても知られ、中森明菜のSOLITUDE、ラッツアンドスターのランナウェイとか、どんどんと掛かります。暗くなった道も楽しくなりました。そして、今年72歳になった、バーバラ・ストライザンドの新しいアルバム「Partners」からプレスリーとのデュエット曲で、『Love me Tender』が掛かりました。

運転をしていて、急に胸がいっぱいになりました。半世紀も前の歌を、半世紀以上活躍していた、バーバラが、プレスリーに寄り添う歌う！アズナブールとピアフのデュエットも素敵でしたが、このラブミーテンダーには参りました。そして、湯川れい子さんがゲストに出た番組で、この曲がかかるのも何かの縁でしょうね。
翌る日、思い立ってこのCDを探し、早速注文しました。日本盤は3000円以上、輸入盤は1500円という日本の特殊事情が浮き彫りになります。

昨日、新潟の出張から戻ると、もう到着していて、早速聴いてみました。Josh Gorbanの甘い声もあり、Andrea Bocelliの声も素敵ですね。しかし、何と言ってもプレスリーとのデュエットがこのアルバムの白眉です。声の合成も、バックの演奏も、ミキシングも素晴らしいです。だからといって、平行法で聴いて奥行きが出ると言うことはありません。SPの回りだけで二つのSPを囲むように、薄い楕円形でひろがり、ヴォーカルはピッタリ中央です。位置のテストにかけるリタ・シュトライヒのものがちゃんと後方に展開するのとは、まったく違いますね。

勿論、音質は、同じデュエットのトニー・ベネットのアルバムには負けますが、合成した音の出来も良く、なかなかの仕上がりです。横浜のMさんのお宅で聴きたいアルバムですね。12月が楽しみです。