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Channel: GRFのある部屋
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雨の日は・・・

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東京では、11月から3月はじめぐらいがオーディオの季節です。ヴィンテージのSPを使われている方は、皆その事を知っています。空が高くなり、富士山が雪を被る北風の日に、まるでメリーポピンズが傘に乗ってくるように、良い音の季節が始まるのです。何十年も使い込んだキャビネットでも、その差を感じるぐらいですから、10年未満のSPは、その影響をもろに受けます。もっとも、コーン紙がプラスティックのSPはその影響が少ないようですが、キャビネットが木製である限り、多かれ少なかれその影響から逃れられません。
 冬型配置になった今週の月曜日の夕方です。富士山から強風で雪が飛んでいます。

旧暦10月の神無月が終わり、11月の霜月が始まるのは、新暦の12月に入ってからです。音楽の季節もその頃ですね。だんだん晴れて、音離れが良くなっているときに、今日のような雨が降ると、湿気が飽和し、一気に音が元に戻ってしまいます。また乾燥するまで、三日間ぐらいは、調整も一段落です。そんなときは、音ばかりを優先しないで、聴きたかった音楽をじっくり聞きましょう。全集ものが良いですね。

全集もののアルバムは、好きな曲はすぐに聴くのですが、その時聴かない曲は、その後もほとんど聴くことはありません。時々、思い出したように出してきて聴くと、随分と良い演奏がそのままになっている事に気がつきます。中には、名前も敷いたことの無いような作曲家もあり、食わず嫌いもあるので、この様な晩にでも、じっくりと心を落ち着かせて聴くと、思いもしなかった曲に巡り会えることもあるのです。
 
しかし、オーディオ的には、最近の廉価品の全集ものは、やはり音がいい音しません。肝心な気合いみたい気配が入っていないことが多いのです。レヴェル設定も一律で、音に魂が入っていないのが多いのが残念です。ついつい、オリジナルのアルバムを探し出して、ようやく安堵することも多いのです。じっくり心を落ち着かしたつもりでも、オーディオの虫は休んでくれないようです。

昔のアナログ録音をCDに変換したアルバムでは、2000年以降のオリジナルビットシリーズや、ARTシリーズになる前の90年代のCDの方が、その肝心な音楽の気配が入っているようです。全集物のマスターリングは、そのあたりがさっぱりしすぎて、きれいすぎるものが多いようです。

そのようなオリジナル盤を聴いていたら、いつの間にか音が良くなってきました。表に出ると、雨は上がり徐々に空気が乾いてきてるようです。あしたから、また楽しめますね。



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