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Channel: GRFのある部屋
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神々のご降臨に

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本格的に、神様がご降臨いただいたので、早速Oさんにご連絡して、帰宅途中によって聴いて頂きました。雨が降って、少し音が湿りましたが、聞き込んでいく内に、音も冴えて、とてつもない空間が現れ始めました。大音量でも混濁しないコンシーケンスの音は、いろいろあったけど、持ち続けて良かったと思いました。最初に聴いていただいたのは、この組み合わせの定番、クレンペラーのマーラー第七番の三楽章。この録音は、ホールで離れたところから聴くのではなく、ステージ上で、オーケストラの名人芸を聴くような素晴らしい演奏と録音です。スコアをめくれる演奏と言えば解っていただけますでしょうか?フィルハーモニアの名人芸が心ゆくまで味わえます。

続いて、同じ演奏者で、ルードウィッヒが歌う、大地の歌の六曲目『告別』を聴きました。このクレンペラーの演奏は、最後の永遠にと歌う部分が、悠久の時の中に溶け込んでいくようです。ルードウィッヒの声の素晴らしさを再認識しました。これらも、80年代に出たオリジナルの英国製のCDでないと出ません。これは本当に大事なことです。

一生懸命、音の改善にとりくんできましたが、ようやく、マイルストーンを築けるところまで来たようです。自分で、やってきたことを自分で説明しても、独りよがりになります。定点観測をしていただいている、ご常連の感想をお聞きすることにしました。これでさえ、自慢しているのではと取られる向きもおられますが、そこまでは気にしていられません。いずれも耳の肥えた方々なので、ご満足を頂くのは難しいのですが、今回は安心していられます。

茅野や大阪のヴィンテージの装置とは、次元が違う音です。また和室のユニコーンみたいな、ホログラフィーの再現でもない、原寸大に近寄る再生方法です。ピアノや室内楽、Jazzの楽器でしたら、ほぼ原寸大で鳴っています。それも拡大された大きさではなく、現物の大きさで再現出来ています。ですから問題は、大オーケストラの表現です。ユニコーンやGRFはコンセルトヘボウの後方席や二階席の音です。ミューザの二階席後方の音ですね。しかし、コンシーケンスの音は、指揮者の後ろ上方3〜5メートルの音です。マイクの置いて有る位置より幾分低い感じです。床に置いてあるマイクの音と合成されているからでしょう。

ミューザの様なS/N比がよいホールでは、木管などのソロ楽器の美しい旋律が、混濁しないで客席まで届いてきます。強弱やリズムの変化も、演奏のダイナミックさの変化も、しっかりと聞こえます。その微妙な強弱の表現が、装置では解りにくくなることがあります。昔からウェスタンに代表されるホーン型が、愛用されている理由もそこにあります。ドーム型のSPだと、位相特性は良いのですが、音の浸透力に問題があります。"Consequence"の最大の特徴がその再現力にあります。音に勢いがあり、気合いまで再現するのです。
 
その事が、"Consequence"の再生を難しくしている理由でもあるのです。繋ぐアンプを選びます。極端に低くなるインピーダンスが、力のないアンプや、低インピーダンスに対応していないアンプでは、鳴りません。このSPが来てからは、そのアンプ探しに時間が掛かってきたとも言えます。この部屋も、現在は「GRFのある部屋」になっていますが、元はといえば、この"Consequence"を鳴らすためにここまでの大きさになったといえましょう。

雨の日にもかかわらず、Oさんが、会社帰りに来てくれました。

「アポロン降臨」

前回より数日後、今度は今まで使っていたパッシブボリュームから、新しい真空管プリに変更した状態で聴きました。この導入はさすがで、GRFさんの経験値と視点の確かさに脱帽します。そもそもオーディオ、特にアナログ部はパッシブボリューム、アクティブプリのプリアンプ論争の様な絶対論では答えがでないでしょう。

経験則からの臨機応変な適材適所の選択が重要だとつくづく思います。色々な機器(アクセサリーを含む)を取り替えることで、音は変わりますが、音が良くなることとイコールではありません。音楽への愛情と、経験で研ぎ澄ますそのセンスが音を良くしていくポイントなのでしょうか。

今回はこのアクティブなプリアンプの導入が更に音に生命力を吹き込みました。パッシブボリュームの時点でも金管の咆哮が圧倒的と感じましたが、更に演奏者の息づかいと思い、そして技量が伝わります。多分この音は実際に聴いて貰わないと上手く伝わらないと思いますが(涙)

また低音域は、その楽曲のベースとなるモチーフを表すためにとても重要な部分だと思いますが、そこの表現もいままで感じたことがないくらいに色々なものを問いかけてきます。まさに音楽がそこにある感じ、といっても過言ではありません。私はGRFさんの提灯持ちではないのですが、感想としてはそうなってしまうくらい、このコンシークエンスは素晴らしいスピーカーです。

4年前に音楽の神様が舞い降りてきたと申し上げましたが、今回は音楽の神、ミューズ(ムーサ)を主催するアポロンが登場したのでしょうか?「百聞は一見にしかず」ではなく「百文は一聴にしかず」です。こう書くと、GRFさんはこの師走に更に忙しくなると思いますが、是非一聴されることをお薦め致します。

O

Oさんには、四年前からのいきさつもあり、今回の復活劇の一部始終を見ていただきました。お忙しい中、家族サービスや仕事の合間を縫って、三回も来ていただき、その度に、感想を送って頂きました。当初は、ハイ上がり気味だったバランスも、回を重ねることに落ち着き、同時に奥深い音に変わってきました。それらの微妙だけど大きな変化を確認しながら調整していくことは、とても大切です。

四年前には「神が舞い降りた」との名セリフを頂きましたが、今回は、何と全知全能の神、アポロンまでご登場頂くことになりました。それではあまりにも恐れ多く、更なる進化が有った場合は、大宇宙へ飛び出さなければならなくなります(笑)。Oさんは決して提灯持ちではないのですが、真っ暗の中を一歩一歩、歩き出すときに足下を照らしてくれる、文字通りの提灯をかざしてくれたことになり、本当に感謝しております。

これを書いているのは、寒波に襲われている札幌のホテルの一室です。まだ雪は降っていませんが厳しい冷え込みで、昨晩も繁華街から数ブロックしか離れていないホテルまで歩いて帰ってきたら顔中凍りました。来週は、中国地方に飛び、大阪にも立ちより、そこから、また札幌に飛んでこなければなりません。今日の札幌は、終日マイナスの真冬日です。明日は大雪になるそうです。良い音が出始めたのですが、当分、アンプに火を入れる暇がありません。皆さんに聴いて頂けるのは、年末になりそうです。それまで、神様がとどまって頂ければ良いのですが、、、。



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